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パラサイト  作者: ふりまじん
秘密
113/202

105話 セクシー素数

本当に、こんな事で謎が解けたのだろうか?

送信してから数分、何かを期待した。


が、何もおこらない。

迷惑メールすらこない。

馬鹿馬鹿しくなる。そう、確かに、雅苗さんが謎を残したとしても、失踪に関係あるとは思えない。


仕事しよう。


私は、過ぎ行く時間に不安を感じてファイルを開く。そこでふと、あの疑問が持ち上がってきた。

「北城…1つ聞いていいか。」

「ああ…。」

私の台詞に面倒くさそうに何かを考えていた北城が言う。

「ここに、ショクダイオオコンニャクの記録が無いのだが、どうしてだろう?」

「パソコンにリストが無かったか?」

「見えるところには無いぞ。」

「では、多分、スマホにでも保管していたのかもしれないな。」

北城は曖昧にそう答えた。

私は、書類を片付けながら温室の画像を確認した。

そして、蕾がほころびかけている事を思い出した。

「北城、ショクダイオオコンニャクの蕾が開き始めてるんだ。」

私が北城に声をかけると北城はモニターを確認しに来る。

そこで私は立ち上がった。

「長山さんと連絡がつかないんだ。この事を伝えに行ってくれないか?」

私の言葉を聞いて、北城は私に聞いた。

「連絡はしたのか?」

「メールも電話もしたけれど繋がらない。」

私が心配になって聞くと、北城は穏やかに笑った。

「撮影中だからな。お前も行った所で邪魔になるだけだ。定点カメラに異常がなければ問題はない。

それより、池上、お前、まだ、何か、私に話していない事があるだろ?」

北城は非難がましく私を見る。

「どう言うことだ?」

何が言いたいのか分からずに北城を睨むと、彼は、あの赤い表紙の『砂金』を手にした。


「ボッチチェリが抜けている。」

そう言って、北城が開いた『トミノの地獄』のページにあのボッチチェリの『地獄の見取図』が張られていた。

「それか…確かに、いい忘れていた…ついでに、しおりを見つけた。」

私は、本棚で見つけたしおりを見せた。


北城は、しおりを興味深そうに見つめていた。

「また素数か…。」


えっ(;゜∇゜)


私は、しおりの2011の文字に困惑した。これも素数らしい。


「しかし…2015は、間違いだろうか?」

北城に聞かれて私は、困惑したまま見つめる。

「これでは…セクシーにならない。」

北城が眉を潜める。

「セクシー?セクシーってなんだ?いや、これ、年号だろ?どう見ても、2015年?って書いてある。

と、言うか、なんなんだよ、セクシーって?」

私は、セクシーの言葉に困惑した。

「知らないのか?2011の次の素数は2017。

2017-2011=6

6は、ラテン語でSexになるから、セクシー素数と呼ばれている。」

「知らないよ。そんな事(-"-;)」

私は力なく呟いた。


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