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パラサイト  作者: ふりまじん
秘密
112/202

104話設定

私は、少し叙情的に話を盛り上げて書いた。

キツネボタンの話には、春先の牧草が少ない時、飢えに耐えきれずにキツネボタンを食べた牛と、病気の妹を重ね合わせ、決死の選択を演出した。


西条八十のプロフィールと100年目を迎える詩集に触れて、著作権の説明を軽く書いた。


投稿する。


どれだけの人間が見るのかはわからない。

しかし、アクセス数はどうでもいい。

ただ1人、雅苗さんに届く事を願う。


北城が言うには、もし、故意に雅苗さんが失踪したのだとしたら、blogが更新される事を想定し、更新の知らせが入るようにしてるだろう。と、言うことだった。


投稿が終わって北城に言うと、彼は、私に変な事を聞いてきた。

携帯を新しく変えないか?と。


「おかしくはないだろ?5Gが始まるんだから、買い換えないか、と聞いたんだ。」


上級め…(-"-;)


日雇い作業員の私の身分が胸に刺さる。

「いらないよ。別に携帯なんてメールと電話で十分だから。それより、下は大丈夫なのか?」

私は話をそらした。

海外凱旋の男に、早期退職の話なんてしたくは無かった。

いや、北城なら、変な誤解をしながら羨ましがるかもしれない。


「そうか、では、私が新しいのを買ってやるから、そのアドレスを貸してくれないか?」

北城の言葉に、サイコパスを感じる。

「文脈おかしいぞ、メールアドレスを変えるつもりも、携帯を変えるつもりもない。」

私は、少し不機嫌に北城を見る。昔の携帯のセールスじゃあるまいし、本体を貰っても毎月の携帯料金が上がっては仕方ない。

「困ったな…。このblogの連絡用に借りたかったのだが…。」

北城は困っていた。が、自己中な困り方だと思った。

「北城…それなら、お前のスマホでやればいいだろ?親族なんだし。」

私は不平を言う。北城はそれを口をへの字にして聞いていた。

「そうだな…。私は、この通り口が上手くないから、どう切り返して良いのか分からないし、正体が知れたら逃げられそうだが仕方ない。」


えっ…(°∇°;)


確かに、北城にそう言われると心配になってきた。

7年行方不明だった親族が、中二病なゲームのはてに連絡してこられたら…

確かに、雅苗さんだって辛いに違いない。

「わかった、それなら、私のメールで登録するよ。

北城…お前は、説明が分かりづらいんだよ。

つまり、blogの更新があって、登録のメールアドレスが変わっていたら、何か、本人がアクションするかもしれないと考えたんだろ?

だったら、登録して連絡が来るかもしれないから、私に登録して欲しいと、そう言えばいいんだよ。

新しい携帯なんて要らないし、それぐらい、友達なんだから、やってやるよ。」

私は、呆れながら、blogの設定欄に自分のアドレスを入力し、コメントがきたら連絡が来るように設定した。


設定を完了させると、なんだかドキドキしてきた。

馬鹿馬鹿しいとは思うが、それでも、謎の組織からコメントが来たらどうするべきか、などと考えずにはいられなかった。


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