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パラサイト  作者: ふりまじん
秘密
107/202

102話シャーマン2

画像はフェイク……。


再び、睡魔が襲い、そして、右目を冷たい男の指でこじ開けられた。


「うわっ…。」

私はその手を払い、上半身を持ち上げた。

電気がついていて、蛍光灯の独特の霞むような光のなかで、寝ぼけたような間抜け顔で辺りを見回した。

「おはよう。」

と、北城の声がした。

「はあっ(°∇°;)」

私は床に仰向けで寝ている自分と、横にいる北城に驚いた。

また、上手く動けない私を北城は(また)いで顔の辺りを見ていた。

「大丈夫そうだな。頭も打ってないようだし。」

北城は私の後頭部を(なで)ながら言った。

「ああ、ありがとう。どうしたんだ?」

私は北城を見ながら、どいてほしいと顔で伝える。

北城は、それで理解して私からどいて、立ち上がり、私が立つのを助けてくれた。


「それは私の台詞だよ。なぜ、床で倒れていた?

仮眠するなら、ソファーを使え。」

北城は淡々と迷惑そうに言う。

「すまん、突然、睡魔に襲われて…そうしたら、コンニャク…雅苗さんが光ながら現れて…そうだ!USB!!」

私は机に向かう。

北城は少し離れて私が座るのを確認してから近づいてきた。


「コンニャク雅苗…USA…お前、どんな夢を見た?」

北城は真面目な口調で私の後頭部に語りかける。

「違う、USAではなく、USBだよ。」

コンニャクの妖精の話は自分の心の中に埋めた。

そう、今はあの夢の真偽を正さねば。


私は、雅苗の隠し扉から取り出したUSBをパソコンに繋いだ。

そして、例のセミの画像を写し出した。


あっ…(;゜∀゜)


そこで私の手が止まる。

そうだ、私は、それほどパソコンに詳しくはなかった…。

シケイダ3301の謎を解いた人のように、画像の暗号解析なんて、やり方は知らない。

枯れ木に紛れたエダカマキリや、ナナフシを見分けることは得意だが、

パソコンのセミの画像に隠れた暗号なんて、どうすりゃ良いのか分からない。そう、さっきのアレは夢なのだ。私が華麗にパソコンの画像から暗号を取り出すなんて、あるわけがないのだ。


「どうした?」

北城が声をかけてくる。

「うん…。寝ぼけていた見たいた。」

私は、恥ずかしくなりながら夢の話をした。

北城はそれを面白そうに聞いていたが、聞き終わり、少し考えてから椅子ごと私をどかすと、パソコンのキーを叩き始めた。

「北城……。椅子に座れよ。」

私が立ち上がろうとした。

「いや、池上くんは座ってろよ。カナちゃんの暗号なら、そう手間はかからないさ。」

北城は画面を見つめたままそう言った。


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