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パラサイト  作者: ふりまじん
秘密
106/202

101話シャーマン

気がつくと暗がりにいた。

正確には、部屋の明かりが消えていた。


静かな夜だった…


何もかも終わってしまったのだろうか?


私は、今度こそ起き上がろうとして、再度失敗をした。


しばらくすると、廊下を誰がが歩く音がした。


この部屋の扉の前でとまった。


ノブに手をかける音がする…。


私は、マズイと思うが、体がどうしても動かない。


扉がゆっくりと開いて、

私は、その眩しさに目をつむった。


「こんばんは。」

それは女の声だった。


声に反応して挨拶をしようとするが体が動かない。


そんな私のところへ女は歩いてきた。


彼女は闇の中でオレンジ色に輝いていた。


何となく内面からのオーラの輝き、なんて、子供番組の台詞を思い出した。


彼女の姿を見てはいなかったが私は、この女性こそ雅苗さんだと確信していた。

彼女はとても美人で清らかな女性だ。と、私は、固く信じている。


やって来た謎の女性は、私の肩に手をかけると、彼女の手が触れたところが暖かく感じる。


「さあ、リラックスして。私の存在を受け入れなさい。そうすれば、体が軽くなり、全ての悩みが解決します。」

なぞの女性は、スピチュアルな台詞をサラリと言った。


私は不思議な気持ちになりながらも、彼女に笑顔を向ける。

気がつくと、暗い部屋の床に仰向けに倒れながら、ユラユラと踊る大気の流れのような'何か'を見つめていた。

それらは、まるでオーラのように私の体の周りにまとわりつく。


しかし、それらを受け入れた瞬間、体が軽くなり、体を起こす事が出来るようになった。


「あなたは、雅苗さんですね?」

私は、良くわからない自信に満足しながら、特撮ヒーローにでもなったように彼女に聞いた。


彼女は、私の台詞をラファファエロの聖母のような微笑みで受け、少し困ったように目を細めた。


「確かに、姿はそうですが、違います。

私は、コンニャクの花の精。」

彼女は、真顔でサラリと非現実な台詞をはいた。

「ああ、温室で花開いたのですね。」

そんな私も、サラリと漫画のような台詞で返す。


どこかで、正気の私が、その様子を見つめている感覚があるが、だからといって、なんの感情も浮かばなかった。


「貴女は、7年前のあの日、何があったのか、知っていますね?」

私は、コンニャクの精に真顔で聞く。

コンニャクの精は、やはり真剣な顔で頷いた。

「長山君は、雅苗さんの生徒で、私の世話を良くしてくれたわ。

とても優しい人だったの。

雅苗さんは、私が咲いたら、旦那様が帰ってくると信じていたわ。

私のこの香りに誘われる、虫たちのように。

長山くんは、ずっと、わたくしを世話してくれたのよ?

雅苗さんが居なくなった後も。

私が咲いたら、雅苗さんが帰ってくると信じていたわ。


だから、美しく咲こうと頑張ったのよ?

私、とても綺麗に咲けたと思わなくて?

さあ、寝てる場合じゃありませんわ。

急がないと!私達を早く解き放って。」


はっΣ( ̄□ ̄)!


私は、そこで上半身を引き起こして覚醒した。


頭が軽くなった気がした。

そして、もう一度あの、USBを開いた。

素数ゼミの画像を開いた。

本丸は、この画像の中にある。

そう、わざわざ、流行りのシケイダ3301を使ったのだから、そこには意味があるはずなのだ。

シケイダ3301の初めの画像の暗号を解いた人物は、インターネットのアドレスを見つけ、1つの動画を開いた。

が、そこにはアヒルと暗号解読が失敗だと言う内容の文章が張られていた。


が、それで終わりではなかった。

画像には、次のステップの為の暗号が隠されていたのだ。


そう、この画像の下に隠された日記は、多分、フェイク。


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