03 犠牲
俺は、こんなところで死ぬのか、、、
まだ、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、じにたくない、ジニダグナい、じにダグない!
あぁ、今までの苦労はなんだったんだ。
死ねばそれでおしまい、そんなつまらないことあるものか。
とても優秀な俺は、期待もされていた。いや、され過ぎていた。優秀ではあった。だからこそ、誰からも期待され、決して失敗することを許されなかった。
それ故、自分の意思と関係なく、周りの大人に流されていた毎日だった。
そんな人生つまらないと気がついたのはいつ頃だっただろうか。
「高校生でそこまで気づけるなんて、父さん、思いもしなかったぞ。この調子なら来年には、我が《苧環製薬》の一端を任せることも出来るな。お前にはいつも期待しているぞ、しっかり勉強して、来年に備えるんだな。」
《苧環製薬》とは、有名な大企業で、父さんが一から立ち上げ、世界の三大企業にも選ばれるほどだった。
しかし、裏では生物兵器を開発し、海外の軍隊などに売って今の財政を保っている。
それが俺は嫌だった。表の顔だけでは生きていけない、なんて情けない企業なんだろうか。
そもそも、多大に期待を寄せてくるところも人任せでウザイ。
いっその事俺の手で潰してしまおうか。
~そして、一年後~
「学、しっかり勉強してるか? 今日はな、記念日だ。お前にうちの会社の一端を任そうと思う! どうだ? 嬉しいだろ?」
「父さん、その事で相談があったんです。実は、俺はこの《苧環製薬》を潰そうと思っています。」
「いきなりどうしたんだっ、お前はそういう冗談をつくように育てた覚えはないぞ。」
「冗談なんかじゃあないよ父さん。俺は本気だ。この、帝国軍との裏取引の動画を流してしまえば、簡単にねぇ。」
「い、いつの間にそんな動画を。いいからその動画を私に渡しなさい。さもなくば、どうなるか分かっているんだろうな。」
「よぉく、よぉく、分かってるさ。そう、あんたが死ぬんだよ。」
「え、」
グシャっ
あーあ、手が潰れちゃった。父さんの手が、手が、手が手が手が手が手がテガ、、、
いい音だった。いい感触だった。もっともっと、もっと潰したい。この指をへし折ったら、どういう反応をするのかな? あー、人を殺すってこんなにも楽しいのかぁ。どうしてみんなやらないんだろう。
アハ、アハ、アハハハハハっ、キャーハッハッ!
楽しいの、タノシイノ、、、
「いダイ、いだぃ、だすげでぇ! 私が悪かった。なんでも言うこと聞くからぁ!」
「助けてあげるよ、この世界という地獄から........」