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3.チュートリアル終了とアイテム受け取り

 


 最初の1頭に続き2頭目も仕留める。

 最初より猪の体が動いていたが大した問題ではなかった。


 次の1頭は現れた位置からゆっくりとした横移動。ほんのわずかに偏差をつけて1発。

 続いて現れたのはさらに遠い位置。だが動かなかったので簡単だ。


 こんな調子で1頭ずつ片付けていく。そのうち遠ざかったり近づいたりするようになった。一つ目の生物が近づいて来るのはビジュアル的にキツいものがあるが、慣れれば大した脅威ではない。というか、チュートリアルのモンスターが強かったら困るしね。



 8頭目にしてついに近距離に現れ、しかも襲いかかってくる動作をしてきた。攻撃自体は弱いが、さすがに近すぎてライフル銃では狙いにくい。ちゃんと近接もやれってことか…



 急いでホルスターから拳銃を引き抜く。一瞬で安全装置を解除し発砲。核を狙ったつもりだったが当たったのは脚の付け根。動きは若干鈍くなるけどHPの減少はせいぜい5分の1。胴体狙いだと、5発全部命中させて倒せるかどうかってとこか。


 正面から走ってくる猪を軽くかわして横から狙う。

 2発目発砲、今度は顎にあたる。

 やっぱり僕は近距離が苦手だ。まぁ当たるだけマシかな…


 3発目はほぼ魔石の位置に当たった。だが完全に核を破壊することはできなかったようだ。

 ごくわずかのHPを残して猪は踏みとどまる。すかさずそこへ4発目を叩き込む。かすっただけでも倒せただろうが、最後はちゃんと狙った目玉に命中した。

 猪がまた光る破片になって消え去る。



 残り2頭。

 出現するまでの約1分間の猶予で、リボルバーの装填を済ませなければならない。

 問題なのは、初期リボルバーは装填が1発ずつしか出来ないところだ。自動装填スキルもまだ解放されていないため、手動でやるしかない。初心者殺しもいいとこだ。

 βの開始当初、戦闘中装填に手間取ったせいで一度死んだことがある。あのあと急いで練習場で特訓したのが懐かしい。特訓中に自動装填スキルが解放されてしまったのは苦い思い出だが。


 昔取ったなんとやらで装填は手早く終わらせた。あと2頭はどうでてくるか想像がつかないので、ライフルの先へ急いで銃剣を取り付ける。現実だと、狙撃銃で銃剣戦闘は銃の照準に影響がでるとかでしないようだが、ここはゲーム。パーツの耐久度が減るだけなのでなんとかなる。


 銃剣を取り付け終えたところで時間になってしまったみたいだ。

 ライフルの残弾は3発。対して猪はまさかの2頭同時出現だった。


 距離があったので手早く片方を狙撃で仕留める。しかし思ったより向かってくる速度が早く、排莢している間だけでかなり距離を詰められてしまった。

 仕方ないので銃の構えを変える。拳銃に持ち変える余裕はなさそうだ。



 残り1頭はそのままの勢いでまっすぐ突っ込んできた。2メートルほど手前で猪が一瞬屈む。


 次の瞬間、猪が跳んだ。


 腰に構えた銃を、跳び上がった猪の喉元目指して突き上げる。先端の銃剣が猪に刺さった。

 すかさず発砲、そして反動で刺さっていた銃剣を引き抜く。


 勢いを失い、地に落ちた猪に残っていた最後の一発を撃ち込む。

 核に命中したおかげで猪のHPは消滅した。



『ふーん。さすがにバケモノと呼ばれるだけあるわね。』


 戦闘中は姿を消していたクイーンが再び現れる。


「プレイヤーをバケモノって呼ばないで下さいよ…」

『あら?実際あなたの狙撃精度普通じゃないわよ?近距離は大したことなさそうだけど。』

「そんなに現実をはっきり言われると泣きたくなりますね…」


 ほんとにこのAl辛辣すぎるよ…


『さて、これでキミのチュートリアルは全部終わりよ。どう?久しぶりの感覚は。』

「やはりちょっと鈍ってますね。前より近接戦闘が下手になった気がします。」

『狙撃に関しては何もないのね…調整したはずなのに…』

「んー、確かに初期銃にしては当てにくかったですね。」

『その程度なのね…』


 なんで僕はAlに呆れられなければならないのだろうか?



『とにかく、これで終わりよ。』

「じゃあもう会えないということですか?」

『そんなこと言ってないわ。私はサポートAl。何か聞きたいことや報告したいことがあればいつでも呼べるわ。』

「GMコールみたいな扱いですかね?」

『そんなところね。深刻なものはそこからマスターへ取り次ぐわ。』

「わかりました。それでこれからどうすれば?」

『まずは支給品を渡すわ。服は今着ているものを一式。それにLv1のマジックバッグよ。』


 クイーンの言葉と共に背中にバッグの重さがかかる。


『武器は今のままだけど、耐久度は完全回復済み。弾は装填されているもの含めて100発ずつよ。』


 手に持ったままだったライフルを確認すると、いつの間にか装填が済んでいた。


『あとは初級回復アイテム各種と手榴弾が2つ。それと町までの地図ね。知ってると思うけど、魔力を込めると30秒だけ自分の位置が表示されるわ。』


 渡された地図に試しに魔力を込めてみる。一瞬手が魔力使用時特有の光りを発するが何も起きない。


『まだチュートリアル中よ。気が早いわね、まったく。でも魔力は問題なく使えるようね。』


 そういえばさっきは一度も魔力使ってなかったな…


『お金は1万バルよ。はい、財布。βの時と違って、屋台なんかだと高額紙幣・硬貨は拒否されるから気をつけてね。』


 クイーンがぽんと財布を渡す。

 開けてみると1000バル紙幣が5枚と、硬貨が多数入っていた。


『最後に初回ログイン記念ボーナスとサービス開始記念ボーナスよ。プレゼントボックスに入ってるから後で確認すること。』


『これで本当に全部終わりよ。質問はない?』

「んー、今は特にはないですかね。」

『ならあと30秒後にチュートリアルフィールドから移動されるわ。ほとんどのプレイヤーはまだチュートリアル中だから、移動先で遭遇することはないと思う。そのぶんモンスターの数は若干多いから気をつけてね。』


 クイーンがふと、空を見上げる


『もう時間ね。キミのチュートリアルそれなりに楽しかったわよ。じゃあまた今度。』


 突然強い風が吹き付け、僕は思わず目をつぶる。

 再び目を開けた時、クイーンの姿はどこにもなく、僕は草原の中に一人ぼっちだった。


「それなりは余計ですよ…」


 ぽつりと呟いた僕の言葉は、誰もいない草原の風に流される。



ちょっと頑張ったらなんとか更新できました。

にしても自分で書いてみると戦闘描写ってほんと難しいですね…


さて、ようやくチュートリアルが終わりました。

次は町です。

この調子だと序章に結びつくのはいつになるのやら…

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