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1.初ログインとサポートAl


いきなり予約投稿日間違えたマン()



にしても1話がちょっと長すぎますね…次回以降は少し減らします。(たぶん)


もう一作作ってるのでこちらの方の更新頻度は週1か隔週くらいになるかなぁ…

 


 西暦2054年5月1日

 βテスト終了から3ヶ月、今日は新作VRMMO、Gun and magic Online の正式サービス開始日であり、日本中のゲーマーが待ちわびていた日だ。

 かくいう僕、柊一樹もその内の一人。奇跡の強運でβテストに参加できたおかげで、正式版も応募殺到の購入抽選に参加せずに済んだ。これでもう一生分の運を使い果たしたんじゃないかって、若干不安だ。


 豪運の当選組と、溢れかえる落選組で阿鼻叫喚のネット掲示板を眺めながら、届いたばかりの正式版パッケージを開ける。うわぁ…当選者へのヘイトがすごい。学校で自慢したら刺されそうだなぁ。まぁ自慢なんてしないし、する相手も別にいないんだけどね。


 そんなことを考えながら、ダウンロードコードを携帯でスキャンして、設定済みのセキュリティコードを入力する。あぁそうだ、VRギアも立ち上げないと…回線に繋いで電源もよし。

あとは初回ダウンロードが終わるまでにダイブの準備を済ませておこう。

 ダウンロード予定時間は…?高速回線で20分!?βのときのデータがあるから、たいして時間はかからないと思っていたけど、予想以上の長時間だ。これはβ時代の常識が通用しないくらい変わった可能性もあるか…?



 20分後、部屋に戻ってきたらちょうどダウンロードが終わるところだった。サービス開始は19時からだけど、18時半からキャラメイクの為にログインは出来るらしい。半は少し過ぎたけど、ゲーム内は時間加速2倍で現実の30分が1時間になる。今からでも実質30分以上あることになるから充分かな。

 VRギアを頭に被り、ベッドに横になる。側面のリンクスイッチを入れると、体がすっと落ちていくような感覚と共に、僕の意識は一瞬途切れた。



 気がつくと僕は真っ白い空間にいた。



『Gun and magic Onlineへようこそっ!!』

「うわっ!!!!」


 いきなり何もなかった目の前の空間に、ドレスを着た金髪少女が現れ、僕に話かけてきた。


『あぁ!ゴメンゴメン!驚かすつもりはなかったの。』


 僕の反応に慌てて姫様(とりあえずこう呼ぶ)が謝ってきた。


「そっ、そうですか。すみません。いきなりだったので驚いてしまいました。」

『いやいや、キミが謝る必要はないのよ?この登場の仕方はよくないってみんなに伝えなきゃ…』

「みんな…?」

『そう!自己紹介がまだだったわね!ワタシはこのゲームのサポートAI、クイーン! みんなっていうのは他のプレイヤーの元へ行ってるワタシたちのことよ。』

「βのときはもっと機械的な案内だったのに随分変わりましたね…」


 名前、見た目通りなんですね、とは言わないでおいた。感情装備型AIってのはどこに地雷があるかわからないからね。


『あぁ、キミはβテスターね。あの頃はまだワタシたちは完成してなかったの。これからは、ワタシがゲーム内でキミのサポートをさせてもらうわよ!』

「そういうことですか。わかりました、よろしくお願いします。」

『そんな敬語なんて使わなくていいのよ?』

「これは癖みたいなものなので…」

『わかったわ。それじゃあワタシはキミのことをなんて呼べばいい?』


 なぜか僕は口に出して喋ると丁寧語になるんだよね、昔から。


 目の前にプレイヤーネームの入力欄が現れる。なるほど、今決めろってことか。

 入力欄にタッチするとキーボードが現れた。既に決まっていたので悩むことなく入力する。


『なるほど、レクス ね。発音はこれで大丈夫?』

「あ、はい。大丈夫です。」


 発音調整も終わったようだ。


『それじゃあレクス、これからよろしくね。』

「はい。よろしくお願いします、姫様。」


 あっ、


『姫様じゃなくて、クイーンよ。本物の姫と間違えるとややこしいことになるわよ?』

「以後気をつけます。でも本物の姫というのは?」

『これ以上は今は秘密。気になるなら自分で探すことね。』


 さすがになんでも教えてくれるというわけではないらしい。


『さて、次はキャラメイクね。』


 目の前に鏡が現れる。鏡の中の僕は現実よりいくらか整った顔をしていた。


『このゲームは日本VR公共ネットワークとデータリンクするから、基本的に顔のパーツ、体型を大きく変更することはできないわ。今の状態は公共ネットの登録と同じ容姿になってるわよね?』


 仮想世界が第2の現実として一般的になってまもなく3年。公共サービスやショッピングなどを、VR世界で行うことも今では日常の一部だ。

 第2の現実の名の通り、公共ネットワークでの自分のアバターは基本的に現実と同じものになる。まぁ多少は美化出来るのだけど。

 そして内部時間加速型VRゲームは、基本的に公共ネットワークとのデータリンクが前提となっている。ゲーム内の体型でいる時間が長くなりすぎると、現実の体での生活に影響が出るというので、変更が出来ないようにするために一律指定されているらしい。おかげで匿名性は正直微妙なところだ。


「問題ないですね。アバター衣装はどうなります?」

『基本的に公共ネットからの持ち込みは不可能よ。ただしこのゲームの衣装、アクセサリーは公共ネットでも使えるわ。ただし髪色や肌、瞳の色変更などはゲーム内限定よ。』

「わかりました。では髪色と髪型の調整をお願いします。」

『いいわ。じゃあまずは髪色からね。一度確定したら変更可能なのは最初の1週間だけだから気をつけて。それ以降はゲーム内で床屋に行くのが唯一の変更方法よ。』


 βのときはいつでも変えられたけど、本サービスでは出来ないようだ。まぁ基本的にβの時と同じにするから問題はないかな?


「そうだ、βのアバターデータって使えます?」

『あっ、ごめんなさい!すっかり忘れてたわ!それも可能よ。』

「じゃあβのでお願いします。」

『わかったわ。βの初期登録時と同じになるけど、それで問題ないかしら?』

「はい、大丈夫です。」


 あまり期待してなかったけど言ってみるものだね。最初の髪型とかなんとなくしか覚えてなかったからこれはありがたい。


『はい、これでどう?』


 クイーンに言われて鏡を見ると、そこには髪がうっすら緑かかって少しばかり長くなっている自分がいた。


「これで問題ないです。」

『そう、よかった。あとは武器と魔法と生産スキルの選択ね。リリース前だけど第一武器だけは今からテストプレイ可能よ。』


 これも今さら悩むことはなさそうだ。


『第一武器は?』

「狙撃銃で。」

『まぁあなたのデータを見るにそう言うと思ってたわ。』


 サポートAlに苦笑されるのは複雑な気分だ…


『狙撃銃は調整が入ってβの時より少し難しくなってるわよ?』

「元々あまりアシスト使わずに感覚でやってたので問題ないかと…」


 なんだろう、クイーンがすごく変な目でこっちを見ている


『マスターたちの言っていたバケモノって、キミがその1人なのね…』


 ちょっと何言ってるのかよくわからないなぁ…それと運営、プレイヤーをバケモノ扱いするなよ…



 クイーンが出した練習標的レベル10までを簡単に撃ち抜き、狙撃銃のチュートリアルは一瞬で終わった。


『教えがいが全く無いわね…』

「そう言われましても… でもβの時に比べればだいぶ難易度上がりましたよ?」

『上がるように調整したのよ。狙撃が簡単で人気が高すぎて、中距離ライフルの人気が皆無だったそうじゃない。』

「たしかにあれは簡単過ぎたかもしれませんが…でもいいんですか?」

『いいってなにが?』

「一般プレイヤーにこんな裏側の事情を喋ってしまって。」

『規定に引っかかっていたら、そもそもワタシが知ってるわけないわ。つまりワタシが知っている = 話しても一応大丈夫な情報ってことよ。』

「なるほど。そしてゲーム内情報は状況に応じて決まると。」

『そ、だから今、効率の良い狩り場とかさっきの姫様の話は聞いてもムダよ?』

「最初から期待していません…そもそもそんなことが出来たら情報屋組が失業しますよ。」

『それはその通りね。さてこんな話をしていたらそろそろ時間よ。』

「時間?あぁ、もしかしてもう7時ですか?」

『あと10秒よ。さぁ、このアイコンを触って?』


 言われるがままに目の前に浮かんだゲームのアイコンに触れる。


『合言葉は前と同じ。さぁいくわよ、5、4、3、2、1!』



『「ゲームスタート!!!」』




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