03.設定を考えてみました 登場人物編
【主人公のふるまいを考えてみました】
主人公は弱点のない全知全能者なのですが、その能力をどう使う存在なのかを決めようとしました。具体的には、RPGシステムが用意された惑星で、主人公がどう楽しもうとするものなのかを考えてみます。
主人公は宇宙人たちのしていることを全て把握しているので、自分も自身が惑星で活躍するのではなく、マイキャラを用意して遊ぼうとするように思えました。そしてマイキャラなのだけど、自分で操作するのではなく、自律して活動させて、その活躍を見て楽しむような遊び方をするのではないかと、想像を進めます。更にその自律キャラをどうキャラメイクするのかを考えてみると。自分がもっとも可能性に満ち溢れていたと感じる頃の自身をコピペし、それにチートを施して遊ぶのではないかと考えました。……この検討、主人公の設定を決めているというより、私自身ならどう遊ぶかを考えていたようにも思います。
こうして、主人公は若い頃の自分をこの惑星に転移させて活躍させる、という設定にしました。この設定からは、過去と現在の自分を比較するエピソードや、若い自分の行動を見て恥ずかしくていたたまれなくなるというようなエピソードが、生み出されることになります。
【パーティー構成を考えてみました】
そんなことを考えていてハタと決めねばと思ったのが、転移者は一人で戦うのか、誰かと共に戦うのか、誰かと共に戦うのならそれはずっと同じ仲間なのか、入れ替わるのか、という点です。
一人だと話を持たすのが大変そうです。視点も一人称で書くのが妥当になるのでしょうが、この視点で書くことには、私はすでに挫折しています。
ここはRPGっぽくパーティーを組ませることにしました。物理攻撃中心の防御系、魔法攻撃中心の攻撃系、回復中心のサポート系、こうした役割の設定や、どういう性格の人物にするのか、考えることはたくさんありそうです。
加えて、この段階で1つ決めたことがありました。いわゆる「職業」は無しにする、ということです。無しにしたのは、消極的な理由によるものです。世界設定だけでもまだ詰めが不十分なのに、これ以上職業体系の設定まで、とても考えていられないと思ったからです。
戻ってパーティーの構成についてですが、私の筆力からしても大勢の登場人物を捌ける気がしません。戦士系と魔法使い系の2人と組ませようと、仮決めしました。
続いては、この2人を、惑星の知的生命体にするのか、宇宙人プレイヤーにするのかを考えます。前者に設定して、主人公のチート能力でパワーアップ、宇宙人を驚かせるという展開もありでしょう。後者にして、ゲームとしてのこの世界の楽しさを追体験するのもありだと思います。ここは後者を採用しました。こちらの設定にすると、宇宙人の行動様式は、転移者には不思議に見えるであろうから、その様をエピソードにできると目論みました。
なお、この2人を固定にするのか、どこかで増減させるのかは決めずに先送りにしました。結果、書いているうちに、この2人は入れ替えようなどとは微塵も思わせない、愛おしいキャラになっていきます。
【モンスターを考えてみました】
味方側の設定方針が固まってきたので、次は敵側です。まず決めたのは、ドラゴンなどの既存ファンタジーのモンスターを利用するのか、オリジナルに創り出すのか、です。
テンプレ作品の利点の1つとして、既存の設定を継承することで、書き手も読み手も設定をスムーズに共有できることがあげられるでしょう。この選択は重要です。ですが、ここは迷うこと無く、あっさりと決めました。テンプレを踏まえようにも、私には常識的なモンスターの知識がありません。版権が絡むモンスターを把握できていないことも不安でした。こうした消極的な事情で、オリジナルにすることにしました。
一方で一からモンスターを用意するとなると、書くほうは考えるのが大変ですし、読むほうも理解するのが大変です。バトルに重点を置いて書く予定はないこともあり、モンスターの設定はシンプルで分かりやすくしようと思いました。そこで、怪獣、猛獣、野獣という、説明をしなくても強弱が分かる大分類をまず設けました。怪獣については更に、大怪獣、怪獣、亜怪獣にと、細分化しました。
続いて強さランク表を用意し、モンスター、宇宙人プレイヤー、転移者の強弱関係を設定していきます。転移者については、野獣レベルからスタートして、怪獣以上大怪獣未満の強さに成長する、と位置づけました。
こうした骨格のような設定を決めることで。あとは話に合わせて逐次作ればいいやと、モンスターの設定については肩の荷が下りました。
【宇宙人を考えてみました】
モンスターについて考えていると、宇宙人側の種族をどうするのかも、決めどころであることに思い至りました。1種族だけにするのか、さまざまな種族にするのか。
ここで更に頭をよぎったのが、テーマパークの経営です。身分階級などは設定したくなかったので、いろいろな宇宙人がいて、適材適所で好きなことをやっていて、結果としてローコストな運営ができている、という設定にするのが都合が良いように感じました。例えば、24時間単純作業するのが至福、といった宇宙人がいることにするのです。最終的に作品に登場しなかった宇宙人も多いですが、ゲーム好き、ハードワーカー、生物の品種改良好き、匂いフェチ、新しいもの好き、高コスト体質、……次々と都合の良い宇宙人種を設定しました。また様々な宇宙人が協力して活動していることから、この宇宙人文明では銀河連邦が形成されていることにしました。
一方で「惑星丸ごとテーマパーク」で遊んでいる宇宙人は、一種族のみにしました。これはプレイヤーの価値観や美醜感がある程度均一でないと、話が複雑になりすぎると思ったからです。主人公、惑星の知的生命体、プレイヤー宇宙人の価値観は大まかには同じとし、結果ありきたりでご都合設定ですが、みな我々地球人に近い生態系の生物とすることにしました。また「惑星丸ごとテーマパーク」はいくつか設営されていて、それぞれ対象とする宇宙人種族が異なっていることにします。
こうして物語の舞台とそこに登場する生物のイメージが固まってきました。次はプロットを練っていきます。