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02.設定を考えてみました ゲームシステム編

【プレイヤーはどこにいるのか考えてみました】

 惑星まるごとテーマパークを取り巻く世界についてはまだまだ決まっていないことだらけですが、いずれにしてもそれらは小説の裏側の設定です。ですのでこれまた一旦後回しにして、今度は表側、テーマパークでのゲームシステムについて考えることにしました。一般的なRPGのシステムを、このテーマパーク上にどのように構築できるのか、といったあたりを検討していきます。


 真っ先に決めようとしたのは、プレイヤー自身がこの惑星上で活動するのか否かです。プレイヤー自身が活動するのなら、よほどの致命傷でもない限り治せる高度な医療技術があるとか、極めて安全なパワードスーツがあるといった条件が、整っているはずでしょう。逆に活動しない場合は、マイキャラに相当するロボットを遠隔操作するシステムになるだろうと考えました。

 前者の場合は、医療技術が優れていても痛い思いをするのは嫌だろうし、パワードスーツを着込んで怪我をしないようにしているのなら、現地の生物は相手にならないでしょう。後者の場合はフルダイブ装置を経由して遠隔操作すれば、自身が惑星上にいるのと同等の体験ができそうに思えます。しかしこの場合、そこまでできる技術があるのなら、VRシステムで同程度のシミュレーションを実現できていて、それで済ませば良いように思えます。

 どちらも長短ありそうで、ここでは決めずに別の検討に移りました。



【HPについて考えてみました】

 前段の話にもつながるのですが、もっとゲーム寄り、HPの扱いについて考えてみました。特に「ゼロ」という状態の扱いについてです。

 HPゼロは、死んだ状態、気絶した状態、いずれにしてもプレイできない状態になるはずです。しかしこの状態から何らかの処置によりプレイをすぐ再開できないと、ストレスフルな、遊んでもらえないゲームになるように思います。

 そして「死ぬ」とした場合は更に。プレイ再開した時に、それが復活したキャラなのか、別キャラなのかを検討する必要があると思いました。多くのRPGは前者でしょう。特に成長要素がゲームシステムに組み込まれているのであれば、同キャラで復活できないと、かなり辛いゲームになってしまいます。後者は一般的ではないと思いますが、この作品では検討してみる価値があると考えました。惑星に住んでいる知的生命体から見れば、死んでも生き返る生物というのは、とても特殊な存在に見えるはずだからです。



【移動について考えてみました】

 検討はさらに広がります。前段のようにHPを検討していると、今度は移動の扱いについて気になりました。

 プレイヤー自身が惑星上にいるとなると、今日は雪山でプレイ、翌日は砂漠でプレイといったことがかなり困難になりそうです。そもそも何か急用があったときに、プレイを中断することができない。……ここまで検討を進めてみて、惑星上で活動するのは遠隔操作ロボットにしようと決めました。


 移動については、急用などに備えて即時ログアウトできる仕様でないと、不便すぎるでしょう。一方でログアウト行為が惑星の知的生命体に不自然に見えるのもマズい。これらの対策として、ある程度はAIに遠隔操作ロボットの行動を任せることができる仕様になっている、ことにしました。例えば、狩りが終わってあとは宿に戻るだけなら、残りの移動はAIにまかせてログオフすることができる、といった具合です。戦闘中については、原則ログオフ不可、それでもAIに任せる場合は自分で戦った場合よりも数段結果は悪くなる、といったルールでうまくいきそうです。


 冒頭の、雪山から砂漠へ移動したいような場合は、各地に拠点があってロボットが在庫されており、別のロボットにログインし直すことによって瞬間移動を再現している、という設定にしました。特殊なアイテムは3Dプリンターのようなものでコピー生成される、それで対応できない場合は、大拠点間であれば本物の瞬間物質転送器が設置されていて、実際に瞬間移動ができる、という設定にしておきます。


 ここから派生して、ゲーム設備用物流の大動脈として、この惑星には宇宙人の大拠点が6箇所構築されており、それぞれ軌道エレベーターと瞬間物質転送器が設置されている、という設定も設けました。この設定はメインプロットに大きく関わることになります。



【再びHPを考えてみました】

 惑星上にいるのは遠隔操作ロボットと決めたので、再びHPについて検討してみます。今度考えたのは、HPゼロの状態というのは、本当にロボットが動けなくなった状態にするのか、単にゲーム上のデータ表現に過ぎず動かないようにした状態にするのか、といったあたりです。

 この点については、前者で小説を書き進め、かなり後半まで書いてから後者の設定に変更しました。一旦前者の設定にした理由は、ロボットに実際のダメージ、怪我とか部位欠損がないと、現地の知的生命体には不自然に見えるだろうと思ったからです。ですが実際にHPゼロになる場面を書いてみて、考えが変わります。プレイヤーが低レベルの段階について考えてみると、ロボットの攻撃力を弱くするのは容易でしょうが、壊れやすくするのは技術難度が高いように思えました。更に、やられて壊れたロボットは、知的生命体に目撃されることを想定すると、回収するしかないように思えます。そしてそのロボットを使い捨てるにしても修理するにしても、コストがかさんでゲーム経営を圧迫することになるでしょう。

 ……といったことに思い至り、20話近くを書き上げた段階で、攻撃を受けても内部的なパラメータを衝撃に応じて減じているだけ、外傷は偽装、という設定に変更しました。この設定変更による書き直しは、当該箇所を文字列で検索できないこともあり、手間を要することになります。


 なお、先に検討したHPゼロの意味については、ロボットが動けない状態としたので、「死」と扱うことにしました。単なるデータ上の状態に設定変更した後も、「死」のままです。惑星の知的生命体たちには、宇宙人プレイヤーたちは特殊な部族の末裔で、部族の拠点の特殊技術を施すと復活できる、と認識されていることにしました。


 あと、作中にバリアアイテムを登場させており、これも書き進めてからバリアがどういう仕組みなのか説明がつかないことに気づいて、その解決が課題になっていました。これについても説明がつくようになりました。衝撃を受けてもパラメーターの減りが緩和されるアイテム、というわけです。

 そこから更に、ゲームシステムが管理している敵の攻撃についてはバリアが作動するが、惑星の原生生物による攻撃にはバリアが作動しない、という設定も派生して設けました。この設定は、有効活用できたとはいい難いですが、作中で使うことになります。



【ほかのパラメーターやスキルを考えてみました】

 物理攻撃力、魔法攻撃力、敏捷性などは、ここまで検討してきた設定とすんなり整合を取ることができました。素のロボットの性能はとても高く、ゲームではその性能を抑制して使用し、プレイヤーが戦いに勝つ都度にその性能が開放されていく、という仕様です。


 スキル体系や魔法体系も少し考えたのですが、これらは無しにしました。宇宙人プレイヤーたちのレベルアップを楽しむ、といった作品にはならない感触があったのと、異能バトルは読んでいても頭がこんがらがるので、自分で書くのは壁が高いように感じたためです。

 ここから逆に振り切って、技やスキルはぞんざいに扱うことにしました。これが、毎回異なる魔法名を唱える登場人物へとつながることになります。



【装備やアイテムについて考えてみました】

 装備は、先のパラメーターと同じ仕組み、上位の装備ほどロボット本来の性能を引き出せる、としました。回復アイテムも、HPを内部パラメーターとすれば、擬似的に実現可能です。偽装の傷はナノマシンを活動させて修復する、としておきます。


 関連して、こうした装備やアイテムのうち高性能なものは課金アイテムとし、ガチャで引き当てて入手するものとしました。プレイ時間に応じた従量課金で基本装備やアイテムは揃えられるものの、より以上のものを求めるのなら課金が必要、という具合です。地道にゲーム内マネーを貯めて入手するだけでなく、リアルマネーや運を絡めて入手できるようにするほうが、物語をコントロールしやすいと考えました。



 こうしてまがりなりにもゲームシステムのめどが立ってきたので、次は人物やモンスターの検討に移りました。

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