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漢!漢!漢!!!熱き勇者達の冒険章  作者: レモネード
第1章 始まりは筋肉と共に
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第13話 遠征

読んで頂きありがとうございます!

ブクマも感謝です!!



今回も少し時間が飛びます(´・ω・`)

 あの魔獣討伐から3週間が経過しようとしている。出発の予定日まではあと5日程度だ。

 俺たちはあの初戦闘の後、王都へ帰還し森であったことを王に報告した。すると王はそれまでそのような報告は受けていなかったと、ギルと同じ事を言った。

  恐らく本当なのだろう。王も驚いた様子だった。何かよからぬことが起こるのではないかと周囲の者たちも緊張している様子だった。


 王は直ちに調査を開始すると言って、信頼の出来る冒険者達や兵士達に調査させた。


 俺に関しては、安全を求めて待機するよりも実戦を積んで実力を磨いた方が良いという判断だった。そのためにそれからも魔獣、魔物討伐に精を出した。


 というか俺もそんなことでまた城に閉じ籠もるというのも嫌だったのでそれで良かった。

 それに旅立ちまで1ヶ月を切っていた。時間を無駄にすることは許されないと思う。どうせこれからは危険と隣り合わせの生活になるのだ。それまで城で安全に過ごすなんてことをしていたらすぐに殺されてしまうだろう。


 …日本にいた頃であればこんな物騒なことは考えることはなかっただろう。俺もこちらの世界に染まってしまったのだろうか。


 いや、仮に日本じゃないどこかの国、戦争が起こっている地域で過ごしていて大きな力を得られたのなら遅かれ早かれこのような考え方にもなる。実質魔力があるかないかだけで元の世界も変わらないだろう。


 まあ、まだ1度しか実戦経験して無いんだけどな。




 そんな感じで俺の実戦を積む日々は続いた。お馴染みの魔獣は勿論、初日には見かけなかった下級の魔物も結構現れては戦闘をするようになった。それに森の深くにも行き、強めの魔獣や魔物との戦闘も増えた。

 角熊(ホーンベアー)緑虎(グリーンタイガー)の魔獣。アブソーブプラント(吸収植物)と呼ばれる植物型の魔物。お馴染みのスライムなど。正直スライムは舐めていたが強かった。

 だって物理攻撃はほとんど効かない上に強力な酸を吐き出して来るんだものあいつ。それに見た目は可愛らしいものじゃなくて、ドロドロしたグロい系のスライムだった。くそったれ。

 まあそれでも魔力を通した灰棒の突きで核を吹き飛ばすと呆気なく死んだ。



 ちなみに定番のゴブリンさんもいた。皆粗末ながらも武器を携帯していたのだが、それでもかなり弱かった。

 まあ弓を持っているゴブリンは流石に少し怖かった。だって実際魔物が飛び道具使ってくるって怖くね?

 だがそれも日々の訓練のおかげで易々と避けることができ、戦闘に支障がでることもなかった。あいつらの使っている矢が悪いのか腕が悪いのかあまり狙い通りに放ってくることがないのも幸いした。


 流石ゴブリンさんやで。さすゴブ。



 ちなみにこの世界でもゴブリンっていうのは最弱の魔物だそうで、村人でも倒せる、もしくは追い払える魔物の1つだそうだ。それもこの国の村人なら真正面からであれば1人で2~3体を相手に出来るくらい。

 これはゴブリンが弱いのかこの国の一般市民が強いのか微妙だな…


 それでもゴブリンは中々に狡猾な魔物だ。隙をついたり、罠を使ったりして人を攫うこともしばしばある。


 なるべく女性が危険なところに出ないように配慮はしているのだが、それでもゴブリンによって女性が攫われることもある。この国の場合それは一大事だそうだ。

 ガレリオン共和国の女性はとにかく体が頑丈だ。そのため一人でも攫われ時間が経過してしまうと数が増えに増えて、ゴブリンの上位種が生まれてしまうらしい。

 よって大抵は攫われた娘などが出たら、国が冒険者に対してかなり高額な報酬を提示してさっさと救出する。

 弱いが侮れない。それがゴブリンという魔物だそうだ。




 ゴブリンから話を戻そう。最初は同じメンバーであったり、俺とギルだけだったりといった感じであったのだが、後半になるにつれてあまり参加できていなかったパーティーメンバーも合流し始めた。最初にカイ、次にサンポ、最後にグレゴリーといった感じで増えていった。今ではパーティーメンバー全員で行動するということも多い。


 カイやマクシムさんは普段から手合わせすることもあるので強さは割と知っていた。驚いたのは他のメンバーだ。

 サンポは魔力は少ないので魔術を使うことも感じることもできないはずなのだが、俺やギルが探知するよりも早く魔獣、魔物の気配を察知する。周りの音や、足跡、噛み跡などの様子から探っているのだという。 一流の盗賊は違うな。というかレンジャーかな?


 それに戦闘もかなり有能だ。かなり素早い動きで相手を翻弄して、戦闘のサポートをしたり、匠にナイフを使って直接攻撃することもある。それに多種多様な道具を使う。そこらに生えている草やキノコなどの材料から簡単に作ったりもした。相手を麻痺させる粉や当てた箇所に強烈な匂いを発生させる液体などをよく使っていた。


 グレゴリーは見た目はボクシング選手だが、違った。どちらかというと空手のような異世界武術の達人であった。

 紙一重で相手の攻撃を避けたり、受け流しては適格に相手の急所へ一撃を与える。えげつない攻撃だ。しかもグレゴリーが戦うときには、体から淡く白い光を放っている。恐らくあれが聖気だろう。魔物と戦うときには一撃で相手を屠ることもある。

 この程度の戦闘ではメンバーはおろか俺ですら怪我を負わないので使っていないが、優秀な回復魔術の使い手でもあるらしい。


 だけど正直グレゴリーは苦手だ。なぜならあいつは事あるごとに嫌味を言ってくるのだ。しかもポツリポツリと静かに。この前一緒に討伐に言ったときも「その程度の相手にどれだけ時間をかけるつもりですか。」とか「その程度で喜ばないでください。」だとか言ってきやがった。

 あの人相で丁寧口調の毒舌キャラとか色々盛りすぎだろ!

 それなら「ファッ●!!」「ジーザ●!!」とか言ってる方がまだ合ってるわ!!


 …ふう、少し落ち着いた。



 パーティーメンバー達は皆強いのだろうとは思っていたのだが、あれほど強くて頼りになるとは思っていなかった。いや、これはちょっと失礼かな?

 魔王討伐のメンバーに選ばれるほどの人物たちだ。優秀なのは当然だろう。



 ちなみにギルはほとんど何もしていなかった。自分に近づいてきた敵をたまに倒したり持ち帰らない敵の残骸を焼いたりする程度だ。まあ問題がなかったことも確かなので文句は言わない。



 ここまで戦っていて気付いたことがある。

 初日と違って、敵が暴走して襲ってくるということがないのだ。灰兎(グレイラビット)は変わらずこちらを見つけ次第突進してくるのだがこれは俺の勘違いで、元々そのようなものらしい。魔獣化すると多少なりとも凶暴化をし、弱い魔獣ほどこの傾向があった。なので初回の灰兎はあれで普通らしい。


 だが角熊(ホーンベアー)は違う。あれは元々強いが臆病な魔獣であり、慎重に相手を選ぶ傾向があった。格上の者には挑まず、格下の者を狙うようにしていた。

 それは魔獣化しても同じだ。確かに凶暴さは増し、より好戦的になる。だが知力はむしろ上がるのだ。これには俺は、魔獣が取り込む魔素は弱い獣には毒だが強い獣にはむしろ成長剤のような役割を果たしているのではないかと考えた。


 現に初回以降に出会って戦闘した角熊たちは暴走した様子は無かった。それゆえかなり手ごわかった。こちらとの間合いを常に測り離れ、大きい一撃を食らわせようとタイミングを計っていた。さらに驚いたのは、咆哮に魔力を乗せて放ってきたのだ。これは衝撃波のような効果があり、気合を入れて踏ん張っていないと吹き飛ばされてしまいそうだった。そのときは最終的に土魔術で隙を作り急所を突いて倒した。


 ちなみに俺はこのとき鍛錬のため一人で戦っており、仲間たちは見学&邪魔が入らないようにしてくれてていた。

 また角熊と戦うときは身体操作魔術を前の20%ではなく、なるべく10%程度に押さえて、なおかつ接近戦だけではなく土魔術も利用して戦ってみたりした。

 身体操作魔術に頼って力に任せた戦法ではいずれ限界がくるだろうからな。というかぶっちゃけオーバーキルだし。


 ただ身体操作魔術の鍛錬も怠っていない。魔族との戦闘となると、このスピードの戦闘に慣れておかねばいけないと思ったからだ。

 制御できる限界まで魔術をかけてシャドーで組み手をしたりした。だが徐々に出力を上げたのだけどどうにも頭が体の速さについていかない。俺は達人ではないし、周りの動きをスローに見ることは出来なかった。しかしこれも鍛錬あるのみだろう。



 そうこうしていたら身体操作の魔術も上達し、35%程度までなら戦闘をこなせるようにはなった。ほんとに徐々に徐々にだが安定させられている。早道はないみたいだし、このまま地道に鍛錬を続けていくことにしよう。




 討伐を行って気付いたのだが、確かに魔獣、魔物の数が普段よりも多かった。しかし俺たちが報告していた魔獣の凶暴化の方は見られなかった。

 他の冒険者たちの報告からも数が増えている以外の報告はなかったそうだ。一体どういうことなのだろうか。

 俺たちが魔獣討伐に行った時だけ角熊が凶暴化していたのだろうか。よりにもよって召喚された勇者である俺が最初に森に赴いた日だけ。



 …自分で勇者っていうのかなり痛々しいな。中学生でもないのに…。



 まあそれはいい。それよりもこれには魔王というよりも俺が関係しているのだろうか。確かに俺は妙に魔力の通りが良かったり疲れが取れやすかったりする。でもそれだけであまり他の人たちと変わっているところはないと思ってる。いや、十分変わってるか。


 まさか魔王に俺の存在が気づかれてるのだろうか。まだ少し近隣で討伐を行った程度であるというのに…


 とはいうが実はもうすでに冒険者の中で俺は噂になっているらしい。冒険者登録をしていない男と騎士や魔術師団の団員がパーティーを組んで魔物狩りをしているという噂が。


 …まさかこの程度の噂で魔王に発覚してしまったのか?いや、そもそも魔王に発覚したかどうかも分からない。結局は分からないだけだ。




 そんなことを言っていたがどうせ噂とかはもうあまり関係なくなる。

 なぜなら、もう少しで旅立つ俺たちだがそのまま何も言わずに出るわけにはいかない。このまま勇者の存在を公表しないままでは民衆の不安は募る一方だ。それでは勇者を召喚した意味がなくなってしまう。

 活気のあるように見えるこの王都だって、不安を感じている人たちは何人もいる。皆それを見せぬようにと無理に元気に振舞っている様子も窺えた。


 王都から離れている町や村ではよりいっそう不安が広がっているそうで、一刻も早く希望を示してあげないといけないらしい。


 だからって俺が大勢の前で演説しなきゃいけないのかよ…



 どうやら俺は民衆の前で演説をしなければいけないらしい。

 元の世界でも俺は大勢の前でのスピーチをするっていうのはあまり経験したことがない。精々講義での発表くらいだろう。それでも緊張して頭が真っ白になりかけたのにこんな大勢の前で演説?ハハッ!こいつは愉快だね!


 ちなみに言うことは考えていない。どうせ考えても全部忘れる。一言二言だけ言って逃げればいいか。そうだよな。



 よし、一旦演説のことは頭から離そう!うん、そうしよう。やっぱり筋トレって最高だわ。






 そして今日俺たち勇者パーティは王都から少し離れたところにある村に出没した魔物退治に行くことになった。これまでも近隣の村に魔物退治に行くことはあったのだが、今回はどうやら少し違うらしい。それは魔物の強さだ。


 今回村の近くで確認された魔物は大蛇(タイラントサーペント)と呼ばれる魔物だ。こいつは中級の中でも上位の強さであるようだ。ちなみに魔獣の角熊の強さを魔物で換算すると下級の上位から中級の下位くらいらしい。それと比べてもとても危険な魔物だ。

 それにタイラントサーペントは土属性魔術も使うらしい。強い魔物になるほどより魔術を使いこなすやつが増える。上位クラスの魔物は魔術師団の者たちにも引けを取らない実力なのだとか。


 問題はどうしてそんな強力な魔物がそこまで現れたのかだ。それまでそんな魔物が近くまで現れることはなかった。今になって突然現れたのだ。やはりこれはさっき言ったことが関係しているのかもしれないな。



 とにかく俺たちは村人たちに被害が出る前に討伐しなければならない。そう思い、急いで王都出発したのだった。


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「シシシ、行ったか。」


 王都内の建物の影から、努たち勇者パーティが正門から出て行くのを見ていた男が言った。フードを被っているその顔は、爬虫類系の顔立ちで、頬には鱗のようなものが僅かについている。コートの下からは尻尾が少しはみ出ていて、その姿を見た者は不審に思うことだろう。



「あれが召喚者かぁ?シシシ、随分と弱そうなガキじゃねえか。これならあいつをここから離す必要もなかったかもなぁ?」


 そう言うと男は細長い舌をチロチロと出しながら笑う。笑い声は大きなものではなく、空気が口から洩れているような音がするだけだ。



「まあいい。ここから眷属を放した村までは強化込みで半日ってところか。そこまでゆっくりしてから好きに暴れさせてもらおうじゃねえか。」


 男の目は爛々としている。


「シシシ、楽しみだなぁ。人間の絶望する顔を見れるのは。」


 そういうと男は振り返って、路地の奥の方へペタペタと足を慣らしながら歩き始めた。


自分で書いてて小物感凄いなって思いました(´・ω・`)

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