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漢!漢!漢!!!熱き勇者達の冒険章  作者: レモネード
第1章 始まりは筋肉と共に
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第12話 魔獣との戦闘

読んでいただきありがとうございます。ブクマも感謝です!!作者のモチベーションも上がっております。




最後努の一人称視点ではなく、三人称視点に変わります。ようやく1章の終わりが見えてきました。

 こうして俺たちは森のすぐ側までやって来た。道中は特に魔獣が出ることもなく、天気の良さもありピクニック気分になりそうだった。


 森の入り口手前には木の柵が2重に立てられており、見た目は非常に頑丈そうだ。それに何やら赤く光っている石が10歩程度ずつに括り付けられている。

 だが柵は所々欠けていたり、かじられた跡やそれを補強したようなところも見られる。


 恐らくこれが積み重なると魔獣が抜け出してしまうのだろう。それに高さは俺の身長ほどしかない。飛び越えようと思えば越えられる魔獣もいるのではないだろうか。


 ギルに聞いてみたところ、そんな強力な魔獣や魔物は稀にしかやってこないので、そうそう柵を飛び越えたりはしないそうだ。



「それに柵の上部分には微弱だが魔力の結界が張ってある。弱い魔獣であればそれを越えることはできないってワケだな。」


 どうやら柵の上部分には魔道具を使った結界が張られているらしい。ただ中々に広い森だ。これの入り口を塞ぐように結界を張るとなると薄くしなければならないうえに、これでも多大な魔力を消費してしまうのだそうだ。


 確かに意識して魔力を感じてみると、頼りないが薄い魔力の壁が張ってあるようだ。

 …だがこれなら俺が最小の魔力を使った身体操作の魔術使ったパンチ1回でも壊れてしまいそうだ。恐らくそれだけ脆いのだろう。

  それでも灰兎程度であればこれでいいのだろう。それだけ森の浅い部分は安全であるとも言える。



「準備は良いか?行くぞ。」


「おう、行こう。」


 そして俺たちは森の中へと入った。



 ----------------------------------------------




 森に入ってからはそこまで少し緩み始めていた気を引き締めた。

 周囲の魔素の流れを感じて魔力の反応があるか探りながら移動する。すると極小の魔力を持った小さな物体がチラホラと伺える。


 多分これが灰兎の魔獣だろう。確かに普通の兎よりは大きいが、それでも中型犬ってところだろう。


 灰兎が近づいてきたので、ギルに目配せする。

 すると、ギルも気づいていたようだ。



「ツトム、来てるぜ。これくらいなら無傷で仕留められるよな?」


「とーぜん!」


 そう話していると、タロウ師匠からも声がかかった。



「ツトム、今回は強化は禁止や。素の身体能力だけでやってみぃ。」


「了解、やってみるよ。」



 木の影から姿を表した灰兎はその名の通り、灰色の体毛の兎だった。しかし大きさは普通の兎よりも大きく、毛も短い。

 灰兎は真っ直ぐ走ってこちらまで向かってきた。


 なるほど確かにすばやい。だがこの国でもトップクラスの人たちに揉まれている俺だ。焦らなければ全く問題ない。俺は灰棒を上段に構えた。この時、刀を持つよりも手と手の間は離している。

 真っ直ぐに突進してくる灰兎に対して俺は左足を引いて体をずらし、突進を避ける。灰兎が俺の体の横を通り抜ける前に上段から首目がけて、打つ!!


「ボキッ!!」という音と共にぐにゃりという嫌な感触が棒から腕に伝わる。そして灰兎は死体となって足元に倒れた。


 …ふう。初めて故意に動物を殺した。手には生き物を殺したという生々しい感触が残る。

 だが罪悪感はあるが後悔は全くない。

 …せめて美味しく頂こう。



「うん、まあまあやな。ちゃんと焦らず相手の動きを見れとる。」


「…おう。まあ楽勝だったよ。」


「まあ灰兎程度じゃなんの自慢にもならん。この国ならそこらの村人でも倒せるもんやからなあ。よし、もうちょい歯応えのあるやつを探そか。あ、せやせや。その前に解体も教えなアカンな。」


 得意げな顔をしてみたが軽く流される。

 近くには他の魔獣の反応はないのでそのまま解体を教わった。

 ちなみにこれはマクシムさんから教わった。しかも以外に手先が器用だ。鮮やかに解体されていく灰兎を見て、俺は気持ち悪さを覚えるよりもただ見とれてしまった。



「うむ、解体は早さが大事だ!もたもたしていては味が悪くなってしまう。次に倒した時はツトムがやってみろ!」


「はい!」




 そして、またすぐに別の灰兎を見つけては今度はこちらから攻撃する。

 俺は一瞬で間を詰めて棒を振るう。先ほどと同じように首の骨を折り、殺す。


 そうして殺した灰兎は、横でマクシムさんにアドバイスを貰いながら解体した。流石に灰棒で殺すよりも生々しい感触に気が引けるが、これもまた必要なことだと割りきってなんとか最後まで終わらせた。

 中々手際よくできたようで、マクシムさんには褒められ、ギルとタロウ師匠には感心された。どうやら二人は解体はあまり得意てはないらしい。

 ふふん、まあ勇者ですし?




 そのあと数体の灰兎を討伐し、解体し終わったところで、俺は灰兎よりかなり大きい魔力を感じ取った。



「これは…魔獣…か?」


 俺はそう呟く。タロウ師匠とギルも魔力に気づいたようだ。少し遅れてマクシムさんも気配に気づく。そしてタロウ師匠は頷き、こう言った。



「これは…多分角熊(ホーンベアー)の魔獣やな。こないなところまで来るなんて珍しいな。」


「ホーンベアーって…熊?…いきなりレベル上がりすぎてないか?」


 兎から熊って…、差が激しすぎだろ!?



「うーん、そやなぁ…。あいつは下手な魔物なんかよりよほど強いなぁ。流石に素の身体能力だけじゃ厳しいか。よし、じゃあ次は強化を使いながらやってみい。安心せえ、骨は拾ったるわ。」

「いやいやいや、骨になる前にお願いします!」


 それ負ける前提みたいに聞こえるんですけど!!?ていうか熊の一撃とか一発貰っただけで死ねるだろ!!


「大丈夫やって!勝てる勝てる!それにツトムは俺の弟子なんや、熊公程度に負けるわけないやろ。泣き言言っとらんで さっさと殺ってきぃ。」


 おおう、心配だ。いや、大丈夫だ、うん大丈夫。熊とは言ってもここにいる味方からしたら脅威にもならない程度だろう。


 …初実戦なんだからもうちょい順番っていうか段階を踏んでいきたかった人生だった…


 角熊さんの姿が確認できたと思ったらあちらも猛スピードで突進してきた。やつの体毛は灰兎と同様に灰色だ。魔獣化すると皆灰色になるのだろうか。

 口からは涎が出ていて鋭い牙が見える。それに頭には立派な角がドリルのようについている。まるで4tトラックが迫って来るかのようだ。


 まずい、このままだと剣と魔法の世界に転生しちゃう!!


 焦る気持ちを静めて、落ち着いて強化を発動させる。いつもよりも少し強め、…こいつを倒すには大体20%ってところかね。まあ今の段階では30~40%位が限界だけど。

 体から力が漲り自信が湧いてくる。俺の強化のやり方だと、筋肉が張ってパンプアップした時のようになった。これで通常の何倍もの力が出せるだろう。


 だがそれに灰棒が耐えられなかったら嫌なので、灰棒にも魔力を通す。

 灰棒が何の素材で出来ているのかは知らないが、スルリと魔力が通った。そして俺の腕の延長のように感じるようになった。

 よし、これで大丈夫だろう。


 落ち着いて構える俺に対して熊は猛スピードのまま突進してきている。そのまま体当たりをするつもりなのだろう。今までもそうやって倒してきたのだから、今日も余裕で殺れると確信しているのだろう。所詮は獣だ。


 俺は左足を軸にして体を1回転させ、棒に遠心力を加える。そして飛び込んできたやつの懐に突き上げる。


「ドパァン!!」という音とともにやつの腹には大穴が空き、臓物が飛び散った。



「うおおおお!!!」


 予想外の一撃に驚くと共に目の前のグロい光景に流石に気持ち悪さを覚える。

  飛び散ってきた臓物や血を少し被ってしまった…。うええ…。

 灰棒も血塗れだ。これ拭かないと匂い付くかな…。


 …というかぶっちゃけここまで威力が出るとは思わなかった。なんと言っても今の一撃では、ほとんど相手の抵抗を感じなかった。まるで、豆腐を突いたみたいだ。


 この威力は人間相手にやっちゃ駄目だな…


 そのような感想を内心で呟いていたが、後ろの仲間たちの視線を感じて振り替える。

 すると、3人とも驚愕の表情を浮かべていた。皆同じように口を開けていてアホみたいに見える。ちょっと面白い。



「ツトム…お前まじか…。強化だけでこんなことできちまうなんてなぁ。」

 とギルが言う。



「ガハハ!流石はツトムよ!まさか角熊の胴体を貫くとはなぁ!」


 マクシムさんは豪快に笑いながら言う。でも20%くらいの出力で貫けたし、そんなに驚くことか?


「今の半分くらいの力でも殺れたんですがね、なんせ臆病なもんで。」


「戦いに臆病さは必要なことだ。大事にせい!だが今のは流石にやりすぎだ!せっかくの毛皮がボロボロだわい!」


 俺が突いた箇所は綺麗に穴が開いていたのだが、胴体に大穴が開いていては価値は下がるだろう。

 あらら、これなら頭を狙えばよかった。



「いやぁ、こら驚いた。角熊は魔獣の中ではかなり上の部類なんやで。それにこいつの大きさからして結構年を重ねとるし中々の大物やな。」


「そうだったのか。確かに灰兎とは比べ物にならない魔力を持ってたしなあ。毛皮…勿体無いことしたかな。」


「せやな、こいつの毛皮はかなり頑丈な皮鎧にできるもんやからな。しかもこの年齢やったら並の攻撃や魔術は効かんはずだったやろなあ。それをこんな大穴開けるとはなぁ…。ま、でもこの角は高く売れるやろうな。」


 角熊の立派な角は丸々残っている。これは加工して武器にするのかそれとも飾りとして売るのか…。まあ角熊っていうくらいだ。角は高く売れるだろう、うん。

 俺はそんなことを考えていたが、ギルは角熊の近くによって訝しげな顔をしていた。



「それにしても妙だな。こいつらは結構慎重な性格なはずだ。それなのにどうしてあんな距離から突進なんかしてきたんだ?」


「そういうもんなのか?確かにこいつが結構遠くから突進してきてくれたおかげでタイミングも計りやすかったけど。」


 あいつが近くから攻撃してきたらもう少し手間がかかっていたと思う。



「ああ、普通ならこちらに4人もいる場合は余程のことがなければ攻撃してこない。それにこいつは結構年を重ねてる。ってことは結構狡猾さも増しているだろう。あんな直線的な攻撃なんかしないはずだ。」


 今思えばこいつの目は正常じゃなかったような気がする。灰兎もそうだ。まるで理性がなく暴走しているようだった。



「ふむ…、魔王の誕生が関係しているのかもしれんな。」


 マクシムさんがそう言った。なるほど…、魔王の誕生と共に魔獣や魔物が凶暴化したと…、ありがちな展開だな。



「だけどそんな報告は来てないはずだぞ?魔王が誕生したのはツトムを召喚する3ヶ月くらいは前だ。そこから今まで魔獣たちの変化はず確認されていない。」


「そうなのか…?でも魔王が関係してるってのは合ってそうだけどなぁ。」


「そうだな…。ま、このことは一旦持ち帰ってから考えることにするか。一応危険区域だしな。帰ったら報告しとくぜ。」


「せやな。今日はこんくらいで充分やろ。角だけ回収して撤収しよかー。ってわけでツトム、それやっとき。」


「へいへい。」


 タロウ師匠にそう指示されたので取り敢えず考えるのは後にして角熊の角を取ることにした。でもどうしよう…、かなり頑丈そうだけどナイフで取れるだろうか。いや、ただのナイフじゃ折れるだけかな。

 俺は灰棒に魔力を纏わせ、叩き折ることにした。まあ多少ボロボロになってもしょうがないよね?急いでるし。

 せめて角と頭ギリギリのところで折ろう。


 灰棒を振り下ろすと先ほどの胴体の時とは違って、手応えを感じる。角はひび割れ、あともう1発で取れそうだ。


 俺はもう一度灰棒を振り下ろすと、今度は角が完全に取れた。それに案外綺麗に取れている。良かった良かった。

 硬い物を折ったので灰棒に傷ができていないか確認するが、傷も()()もなく安心した。


「よし、ちゃんと採ったな?ほな撤収しよか。」


「おー。はぁようやく終わったか。疲れた疲れた…。」

「いやいや、ギルは何もしてないだろ!?戦いは主に俺だけだし解体もマクシムさんと俺だけじゃん。」


「んなこたねえって。俺もちゃあんと仕事はしてた。ほら…周囲の警戒とか大事だろ?」


 周囲の警戒って…、戦闘中に近づいきた他の魔獣とかはマクシムさんが大体倒してたし…



「ガハハ!!ギルバートの坊主は怠け癖が直らんなぁ!!」


 そうだよ。普段も暇してるって言ってたし。こいつ結構だらしないっていうか怠けてるよなぁ…




 そうして俺たちは帰路についた。道中灰兎だけではなく、(ガルム)の魔獣や、牙猪(ファングボア)の魔獣などが現れたが、俺が問題なく倒した。




 灰棒をしまう時、なぜだか灰棒が満足していたように震えた気がしたが気のせいだろうと気にしなかった。




 ---------------------------------------------------

 景色は変わる。

 そこは、黒い雲が広がり日中にも関わらず辺りは夜のように暗いところだ。そこらには魔物の鳥がギャアギャアと騒ぎながら飛び回る。

 木々は魔族の魔力を大量に浴びたせいか根が地から離れ、動き回っている。所謂トレントという魔物だろう。それらは飛び回っている鳥の魔物を枝で捕まえては、自分たちの養分に変えている。


 そのような地にそびえ立つ深黒の色の城があった。そう、それこそが魔王城である。

 その魔王城の王座の間には、一人の男性が王座に座っており、その側には美しい女性が控えていた。



「ふむ…?妙な魔力の気配だな…」


 それまで静かに座っていた男性の方が瞑っていた目を僅かに開いて、呟いた。その声は威厳にあふれており、低いがよく通る。



「どうか為されましたか、魔王様。」


 傍に控えていた女性がその呟きに反応した。こちらの声は鈴の音のように高く澄んでいる。



「人間たちの住処の方から妙な魔力を感じた。これは魔族の物ではないな。」


「魔獣か人間の物ではないのですか?」


 魔王が誕生した今は人間側に無断で攻め入る魔族はいない。皆魔王の命令に従っているのだ。

 そして今あそこの辺りに攻め入るように命令されている魔族はいない。彼女は必然的に魔獣か人間のものであると考えたのだろう。



「いいや、人間の実力者たちの魔力の質は覚えている。それにこれは人間が持てる魔力ではないな。魔獣…に近いか?」


「それでは…、まさか召喚者ですか?」


「分からん。だが調べる必要はありそうだ。適当なのを偵察に向かわせろ。」


「承知いたしました。では一人向かわせておきます。」


「ああ、ついでにそいつに暴れさせておけ。それでその妙な魔力の者が死ぬならそれで良い。そろそろ人間達に絶望を与えるとしよう。」


「はい、ではそのように。」


 そういった女性は優雅に一礼し、部屋を出て行った。その後…





「ふむ…、召喚者か。果たして我の障害となりえるのか。」


 そう呟いた。

努が途中、戸●っぽくなった(´・ω・`)

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