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#20 再試乗デス

少し短め

今度は酔わずに済むのか……

SIDEシアン


 馬車の改良も済み、今日再び試乗の時が来た。


 前回は速度が出過ぎての過重負荷や、激しい揺れによって色々と悲惨であったが・・・・今回こそは、大丈夫なはずであろう。



「それじゃ、出発だ!」

「了解デス」


 がごんっとレバーを動かすと、馬車が進み始めた。


 フェンリル(夫)が走りだし、その動力を元に動き出すようにしたが…‥‥歯車を組み合わせることによって変速し、負荷がないようにしつつ、揺れも減らせるのでだいぶいい具合である。



「ふぅ、今回の馬車は中々いい感じかな」

「ええ、前回に比べてて、大幅改良が施されたので相当よくなったはずデス。しかしながら、大型化してしまうという問題点などが新たにありマス」


 ワゼの指摘に、僕も同意した。


 いや、もともとフェンリル(夫)を用いて牽引する分、その体格に合わせた馬車になって大型化したのは良い。


 けれども、今回の改良でさらに大型化してしまい、少々停車などで不便になりそうなのだ。


【とはいえ、私も乗り込めるほどになったのは良いですねぇ】

 

 横で持って来た水筒を飲みながら、ハクロがそうつぶやいた。


 馬車の大型化で駐車に困るようになった分、ハクロを乗せられるようになったのだ。


 そのため、前回は留守番であったが、せっかくなので今回は一緒に乗ってみたが、彼女からしてみても中々この馬車は良い具合のようであった。



「まぁ、たまには皆で一緒に出掛けたほうが楽しいからね」



 そうこうしているうちに、時刻は昼頃へ近づいてきていた。



【ふぅ、ぜぇ、中々気分が良い疾走をしたなあ】


 牽引部分から、フェンリル(夫)のつぶやきが聞こえてきた。


 いくら疾走しても、変速して対応してあるので問題ないようだが、どうやらそろそろ疲れてきたらしい。


 まぁ、それならば休憩にしたほうが良さそうかな。



「それじゃワゼ、一旦適当な場所で休憩を取りたいな」

「了解。最適な場所をサーチいたしマス」


 ワゼに命じると、彼女はばっと馬車の屋根に飛び移り、最適な場所を探し始める。


 一応、神獣と言うものを利用しているので、騒ぎになる可能性も考慮して安心できそうなところを選んでもらいたいのだが…‥‥



「……ン?」

「どうした、ワゼ?」

「あちらの方に、茂みに隠れている盗賊と思わしき者たちを確認。こちらには気が付いていないようですが…‥‥どうしましょうカ」


  どうやら盗賊の姿を捕らえたらしいワゼが尋ねてきた。


 以前の盗賊の件もあるし、ならば今回の盗賊で……


「ならワゼ、せっかくだから他の人に被害が出る前に殲滅しておいてくれ。加減を忘れないようにね」

「了解デス」


 そういうと、ワゼの腕が変形し、スナイパーライフルのような形状になった。



「数は12人程度…‥‥しかし、馬車が来ないか探っているようで、気が付かれていない模様。放置もできますが…‥‥ご主人様からの命令により、殲滅いたしマス。



 何もしないのであれば、こちらとて何もする気はなかった。


 けれども、後々厄介そうなので盗賊たちを潰すように僕はお願いしたが…‥‥加減、大丈夫だろうか?



 少々不安になりつつも、どうなるのか見るだけしかできないのであった…‥‥




「「「ぎぁぁぁぁぁぁぁやぁぁぁあ!!」」」


「……あ、宙を舞ったぞ」

「分投げられて、ぶつかってますね。これも同士討ちになるのでしょうか?」



――――――――――――――――――――

SIDEフェンリル(妻)



【‥‥暇だねぇ】



 ハルディアの森にて、夫が連れていかれて、現在子供たちと共に居たフェンリル(妻)は、どうしようか考えていた。


 子供はいるが、成長が早いようで、そろそろ森の中で狩りをし始めたらしい。


 自由に育つのは良いが、悪意ある者にやられないように丁寧に彼女は知識を授けていた。


 


 何にせよ、昨日の事に比べると非常に楽であった。


……だがしかし、この30分後。彼女は森にまた誰かが来ることを、予想していなかったのであった……



……平和と言う物は案外脆いなぁ。

……何やら昨日に続けて、また来るようだ。

どうするかは、フェンリル(妻)の対応次第。

何にせよ、何時になったら休めるのか…‥‥次回に続く!!

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