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#96 やはりごまかしきれないのデス

主人公不在の後始末かな

台風・・・・・・すごかったなぁ。

SIDEボラーン王国:王城内


……王城内では今、第2王女ミスティアが報告を行っていた。



「……以上が、地元住民へ行われた、混乱を防ぐための神獣身代わり事案、そしてその裏での個人による強大な魔法の使用の報告です」


 その報告を終え、一息ついたところで、聞いていたその場の者たちは皆、頭を抱えた。


「……ボラーン海岸部の町の復興費用は回すが…‥‥クラーケンでもない巨大なイカの襲撃か……」

「しかも、それに飲み込まれたから体内で攻撃して、大穴をあけるとか……」

「それよりも、神獣に全てを擦り付けて、いや、恩を売らせているから違うかもしれないが……」

「色々と、無茶苦茶過ぎるの一言しかないな」

「「「「ああ、そうだよな」」」」


 その言葉が出ると、全員同意した。



 真偽を確かめるために、実際に自身の目で見たほうが良いかもしれない。


 だがしかし、このような無茶苦茶な出来事が起きた現場に行きたくはないような報告など、できれば聞きたくはなかった。



「以前は、そのミニワゼシスターズだったか……それらがヌルダニアン王国軍を蹂躙した報告でも、相当頭が痛くなるような事案であったが…‥‥」

「個人でそれだけの魔法…‥‥しかも、体外へ出るための攻撃に加え、内部の消化液への対策として氷漬けにする魔法など……信じられないほどだ」

「実際に行うとすれば、どの程度の魔力量が見込まれるかわかるか?魔導士長殿?」

「ふむ……」


 その問いかけに対して、出席していた魔導士長がしばし考えて、言葉を発した。


「そのイカの耐久度がどの程度なのか確認できていないがゆえに、前者は不明だろう。だが、その後者の消化液の氷結など規模の大きさから考えるのであれば……少なく見積もったとしても、宮廷魔導士全員よりもある事だけがはっきりわかるな」


 魔法の発動に使用される魔力。


 どのような魔法を扱うかによってその魔力の消費量は異なるが、それでもこの件を聞くだけで魔導士長にとっては、もはや自分を超えているような認識があるらしい。


「ついでに言うなれば、先ほど前者は不明と言ったが…‥‥第2王女様、貴女様がいた港町と、その魔法が放たれた町との距離を考えるに、そこでも魔法の放出が確認されるほどだとすれば……こちらもやはり相応の魔力が考えられるだろう。…‥‥と言うか、人間レベルなのだろうか?」


 その言葉に、場の雰囲気が重くなる。


 元々、一国の軍を蹂躙できるだけの戦力を所持しているのは理解していたが、その戦力の主が普通ではない予想はしていた。


 だがしかし、こうも話が分かってしまうと…‥‥もはや何を言えば良いのか分からない。



「危険すぎるというのもあるが、それはあくまでも手を出さなければという話ゆえに、今しばらくは様子見としたほうが良いのではないか?」

「確かに、フェンリル殿を利用して表立たせ、存在を隠している時点で目立つことを避けているようだし、刺激せずに静かに暮らさせたほうが良いだろうな」


「…‥‥いや待て、そもそもある事が分かってしまったんだが」

「なんだ?」

「フェンリルを表に立たせて逃れた…‥‥とあるが、その時点で神獣殿と何か繋がりがあるよな?」

「「「「あ」」」」


 その指摘に、全員気が付いた。


「フェンリル殿か…‥‥以前、森の調査で向かった際に会ったが…‥‥あの存在に表立たせるように願うなんて通常は無理と思われます」

「ああ、そうだよな……」


 面会経験がある騎士団長及び魔導士長の言葉に、そう言われなくても同意見だよとその場に居た者たちは言いたくなった。


 神獣は「神の獣」と言う言葉の通り、力が巨大である。


 そんなものと対等なような……いや、それ以上な関係のように彼らは思えた。



「まとめるのであれば…‥‥軍相手の戦力所持、魔力が桁違い、神獣との関係性あり……か」

「……そんな存在、本気でどうしろと」


 まとめたところで何も変わらず、むしろその事実を突きつけられるだけであった。


…‥‥その力をどうにかして制御し、己のものにしたい者もいるであろう。


 だが、この報告を聞く限り「絶対不可能じゃないかな」と言う意見で皆の心は一致した。


 そう、それは見事なまでに、普段はいがみ合う魔導士長と騎士団長でさえ、同じ意見で固まったのだから、相当な深い理解と悟りを開いて・・・・


「…‥‥ミスティア、引き続き彼らとの交渉役を頼む」

「了解いたしましたわ」

「フ……」

「いや、そちらの身内が原因でとは言っていない。だから謝らなくても良いぞ」


 物凄く重い空気となったが、とりあえず現状維持の様子見状態にすることを決定したのであった。


 


……だがしかし、それはあくまでこの場にいる者たちだけの決定である。


 そして人と言うのは、その目で見ない限り信じなかったり、実際に体験せねば理解しない者もいるのだ。


 それを知るのは、もう少し後の事であった……



他にも色々あるが、現状王城が把握しているだけでもこれである。

とは言え、実際に見ないと理解しようとしないやつもいるんだよなぁ……

とりあえず、現状維持で次回に続く!!


……甘くしたいのに、邪魔が入るのはどうにかしたい。ゆっくり落ち着いて、のんびりさせつつ・・・・・

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