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犬女ちゃんと逆夜這い?

お嬢様の別荘では、

純心だけ男一人であったため、

空いていた和室を一人で

使わせてもらうことになっていた。


とは言え、すぐ近くには、

母とちびっ子達が寝ている

大部屋の和室がある。



純心が一人で寝ていると、

いつものように犬女ちゃんが

やって来て添い寝しはじめた。


-


夏希は先ほど見た

野生の野良犬女の姿を思い出すと、

怖くてなかなか

寝付くことが出来なかった。


野生の野良犬女はそれほど

強烈なインパクトがあった。


一人でいると怖くて仕方がないので、

こっそり純心のところに

行って同じ部屋に寝よう、

夏希はそう思いつく。


同じ布団に寝なければ

問題ないだろうぐらいに考えていた。



純心の部屋に忍び込むと、

横には犬女ちゃんが添い寝している。


「あぁ、これなら全然平気なんじゃないかな」


夏希は、純心と同じ布団に入り込み、

犬女ちゃんを抱きしめながら寝た。


-


寝ていた犬女ちゃんには、

五姉妹の四歳児ユアちゃんが、

起きて泣き出した声が聞こえた。


お母さんがいるので、

平気かなぁと思っていたが、

「いぬおんなたーん」と

いつもの可愛い口調で

自分の名前を呼びながら泣いているので、

気になって、ちびっ子達の

部屋に様子を見に行く。


ユアちゃんは、犬女ちゃんを見ると

抱き着いて離れようとしなかった。


犬女ちゃんは、そのままユアちゃんと

一緒に寝てあげることにする。


犬女ちゃんはそのまま

純心の部屋には戻らなかった。


-


お嬢様もまた

さっきの野良犬女を見たのが

怖くて寝付くことが出来ないでいた。


獣医を目指している自分が、

そんなことではダメだと思いつつも、

やはり怖いものは怖かった。


先ほどの逃げ出さないで、

犬女ちゃんと一緒に

みんなを守ろうとしていた

純心は男らしかったし、

やはりこういうときに

頼りになるのは、男性なのだろう

という気もしていた。


お嬢様も、はしたないと思いつつ、

一人でいると怖くて仕方ないので、

純心の部屋を訪れた。


「犬女さんと一緒に寝ているのなら

大丈夫ですわね」


お嬢様はそう思って、

やはり純心の布団に潜り込んだ。


お嬢様は暗かったために、

完全に犬女ちゃんと夏希を間違えていた。


-


肝試しで一番ビビッていた生徒会長は、

当然ながら寝られるはずがなく、

寝ている間にあの野良犬女が

襲って来たらどうしようなどと、

あまり現実には有り得なそうなことを

考えて怯えていた。


怖くて仕方ないので、

やはり純心の部屋を訪れた。


夏希とお嬢様が、

純心の布団に寝ているのを見て仰天する。


「な、なんて、

けしからないことでしてよ。

こ、これは、私が生徒会長として、

何事もないかきちんと

見届けなくてはいけなくってよ。」


生徒会長は、誰も聞いていないのに、

そう言い訳しながら、

怖いから一緒に寝ることにした。


-


愛ちゃんは、

肝試しでお兄ちゃんに助けてもらうという、

イベントを一人だけ消化出来て、

大満足で興奮していた。

さすがは鋼鉄のメンタルを持つ中二である。


「ここはこれだけでは満足せずに、

やはり逆夜這いイベントも消化して

おかなくてはいけないところですね。」


ここまで来ると、一体普段

どんなラノベを読んでいるのか、

気になって来てしまうぐらいだ。


愛ちゃんが純心の部屋にこっそり忍び込むと、

すでに他の女子メンバーは

純心の布団で一緒になって寝ていた。


「さすが私が見込んだ

お兄ちゃんのハーレムは違いますね。」


「あんな何事もないような素振りで、

もはや酒池肉林状態ではないですか、これは。」


本当の酒池肉林はもう少し違うのだが、

まだ中二の愛ちゃんは知らなくてもいいだろう。


「私も危うく欺かれるところでしたよ。

中二だからって軽く見られているのでしょうかね。」


また愛ちゃんは、

全力で間違った方向に思い込みをはじめた。


-


次の日の朝、

純心母が起こしに来ると、純心の周りに、

四人の女子が折り重ねって、寝ていた。


「あんた達一体何やってんだい!?」


純心母はみんなを叩き起こして、

正座させてお説教をはじめる。


当然、純心は何も覚えていない。

昨日、昼間は海で泳いで動き回ったし、

夜も石段を走って登るという

ハードな一日だった。


女子高生トリオは、みんな一同に

「一人で寝るのが怖かったから」と

顔を赤くして恥じらいながら、

子供じみた理由を述べた。


さすがに愛ちゃんもそこは空気を読んで、

みんなに合わせて回答した。


「あんた達は、ちびっ子と一緒かい!」


純心母もすぐ近くの和室で寝ていたので、

何もないのはわかっていたが、

そこはちゃんと怒っておいた。



犬女ちゃんは、

みんなが一緒に寝ていたのに、

参加出来なくて少し残念だったが、

ユアちゃんがとても可愛かったから、

まぁいいか、と思っていたのだった。







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