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犬女ちゃんと妹ちゃん(1)

次の日、ジャガイモは

改めて純心の家を訪ねて来た。


お願いがあるのだと言う。


ジャガイモは、妹が五人いて、

そのほとんとどまだ幼いため、

学校の部活にも入らず、

妹の面倒を見ているという

妹想いのいい奴なのだが、

それが原因で、学校ではシスコンや

ロリコンではないかと噂されている。



両親は仕事でいつも夜が遅いと言う。


「しばらく、週に二回、

夕方の二、三時間、妹達を

預かってもらえないかな?」


相談に乗っている純心と母に、

ジャガイモはそう頼んだ。


「僕、もっと塾に行きたいと

思ってるんだけど、その間、

妹達を預かってくれる人がいなくて、

困っていたんだよね。」

「昨日の昼間も、

なんとか親戚の人に頼んで

夏季講習に行けたんだよね」


「僕、子供好きだから、

将来保育士になりたいんだけど、

今の成績じゃ大学に行けるかわからないし、

塾に行ってもっと勉強しなくちゃ

と思ってるんだよね。」


純心は予想外の相談に面食らった。

ほぼ子供に免疫がない自分に、

子供の世話など出来るわけがない。

それに犬女ちゃんもいるのだし。


「そうは言ってもなぁ、

うちも犬女ちゃんの世話だけで手一杯だし」


純心は遠回しに断ろうかと思っていた。



「あんた、何言ってるんだい」

「あの子は、小さい子の世話は、得意中の得意なんだよ。

小さい頃から、あんたの世話焼いて来たんだから。」


そこに口を挟んで来たのは、やはり母だった。


確かに犬女ちゃんは、夏希の家の小型犬や、

小さい子供が大好きではある。



「いいじゃないか、

あんた、引き受けてあげなよ」


『あんた、もうじき向こうに帰るんだろうが!』


母がこちらにいる間は

なんとかなるかもしれないが、

例え犬女ちゃんが子守上手だとしても、

二人で五人の小さい子供の

面倒が見られるわけはない。

純心は消極的だ。



「長女の愛ちゃんの部活が

終わるまでだけでもいいんだよね」


「部活?お前、そんなに大きい妹いたの?」


「今、中二なんだよね。」


ジャガイモにそんな大きい妹がいたのは、

純心もはじめて聞いた。



「他は八歳、六歳と四歳の双子なんだよね」


「いいねえ、一番可愛い盛りじゃないか。

あたしもまた子供欲しくなっちまうねえ。」


『そのためのスクール水着か!』



中二妹の部活が終わるのが五時とか六時か、

であれば実質、二、三時間も

かからないかもしれない。

それぐらいわずかな間であれば、

なんとかなるか、と純心は

少し心を動かしはじめる。


友人が将来の目標を持って、

頑張るのを応援する、

そういうのも必要なのかもしれない、

とも思う。



「まぁ、ちょうどいいじゃないか。

あんた、いきなり大人と

コミュニケーション取るの難しそうだから、

子供達で慣れておくぐらいのほうが、

いいんじゃないかい?」


純心母は随分と乗り気な様子。



「これもあの子が運んでくれた縁じゃないか。

そういうのは大事にしたほうがいんだよ。」


確かに犬女ちゃんがいなければ、

お嬢様とも生徒会長とも、

仲良くなれることはなかっただろう。



「犬女にはね、

人間同士のコミュニケーション、

人間関係を円滑にして、

活性化させる効果があるんだよ。」


「専門家のあたしが言うんだから間違いない。」


母がそこまで言うのであればと、

まずは家に妹達を連れて来てもらって、

自分と犬女ちゃんに馴染めるか、

様子を見させて欲しいと純心は提案した。





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