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犬女ちゃんと夏祭り(1)お神輿

夏祭り。


今年の夏祭りは女子達と、

まるでギャルゲーのような

甘い夏祭りイベントを送れるのではないか、

そんな淡い期待が、純心の気持ちの

どこかになくなはなかった。


しかしそれはまったく甘い考えであった。

日本に帰国している純心母が

そのイベントに参入して来たからである。


きっかけは犬女ちゃんの水着の件で、

夏希、お嬢様、生徒会長といった

女子の面々が集まったときであった。



「あんた達、週末のお祭り行くんだろ?」

「あたしと一緒に女神輿担がないかい?」


この辺りの祭りには、

珍しく女神輿があり、

祭り好きでもある純心母は、

昔からよく参加していた。


「あー!

おばさんあれ今年参加するの?

あたしもやりたいー!」


「お祭りのおばさん、

超かっこいいからなー!」


夏希は純心母がかなり好きである。

いやむしろ憧れていると言っていい。

本人もさっぱりサバサバした男前な性格であるため、

純心母の気風の良さに感銘するものがあるのだろう。


「私も参加してみたいですわ。

そういう神事には以前から興味がありましたの。」


おそらくもっともそぐわないであろう

お嬢様も興味津々であった。


「私も以前から学校の地元の、

地域コミュニケーションには興味がありましてよ。」


生徒会長もその場の勢いで、

調子に乗って参加することになった。



後悔することになっても知らんぞ、

純心はそう思っていた。


女神輿とは言っても、

真夏の炎天下に延々と神輿を担ぐいでまわるのだ。

そこそこ体力が必要となる。


普段から運動している夏希はともかく、

生徒会長とすぐに貧血を起こすお嬢様には、

過酷なものになるに違いない。


こうして純心達の夏祭りは、

甘いイチャラブイベントではなく、

ガチ祭りのハードモードとなってしまった。

純心は蚊帳の外ではあるが。




当日は着替えの段階ですでに大騒ぎだった。

衣装はすべて純心母が用意していたが、

みんな着方がわからないので、

純心の家に集合して、純心母に着付けをしてもらった。


女子が大勢で着替えをしている家にいるのも

気まずい純心は近所の本屋をぶらぶらしたりしていた。


終わったであろう頃に家に帰ると、

女神輿の衣装に着替えた

夏希、お嬢様、生徒会長の姿があった。

ダボシャツに半纏、股引きに足袋。

普段は見慣れないようなものばかりだ。


次に準備が出来た犬女ちゃんが、

神輿を担ぐ衣装で出て来た。

当然神輿は担げないが、

神輿に付いてまわる気らしい。

母のことだから事前に了承は

取っているだろうと純心は思う。


純心母だけはダボシャツではなく、

胸に晒しを巻いておりガチだった。


しかしみんなさすがに普段から美女だけあって、

何を着ても様になっている。

お嬢様と生徒会長のアップにまとめた

ヘアスタイルも普段見慣れなくて新鮮だ。

なにより、うなじと送毛がいい、などと趣味全開で、

デジカメで写真を撮りまくる純心。


参加出来ない純心は、

カメラマン担当ということになっていた。

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