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純心とサポーター(2)

後日、

純心はいつもの公園に

みんなが集まった際に、

自分の過去について話した。


みんなにだけは話さなくては

ならないという気がしていた。

自分を信じてくれると

言ってくれた人達には。


みんな泣きながら話を聞いてくれて、

しばらくは重い空気が流れたが、

そこは犬女ちゃん達が、

場の雰囲気を和やかにしてくれた。



「俺、親父のような人間には、

なりたくないんです」

「それでもまだ、

自分が変わっていけるのか、

全然自信なくて。」

純心は自分の今の気持ちを正直に伝えた。


「大丈夫です、

きっと変われますよ。」

「私だって、

自分の嫌なところがいっぱいあって、

変わりたいと思っているんですのよ…。」

お嬢様はちゃんと純心に

向き合おうとしてくれている。


「お姉様や妹達のほうが

お父様から愛されているのではないかと、

嫉妬したり、羨んだりすることがあるのですよ…。」

お嬢様がそんな告白をするのは意外だった。


「うん、私だって純心に嫌われたくなくて、

本当のことをずっと言えなっかたしね。」

その件に関しては、夏希の中では、

すでに消化が出来ていることだった。


「わ、私だって、みなさんに

完璧を求められてしまいますけど、

そういうのがツライときもあるのですってよ。」

生徒会長は顔を赤くし照れながら、

みなに付き合って告白した。

そもそも、それが原因で純心に惚れたのだ。


「みんなで、みんなで変わっていきましょう。

私達は群れの仲間じゃないですか。」

お嬢様は、例え、綺麗ごとだとわかっていても、

それでも信念を貫き通そうとする。

本当に強い人だと純心は感服する。




その後、生徒会長は学校での騒動、

その顛末を話してくれた。


「学校側ではあの騒ぎは、

生徒達による悪ふざけ、ということになりましてよ。」


「純心さんのお母様が

学校に来て説明してくださいましたし、

お母様は、その道では有名な

犬女研究家でいらっしゃるから、

その子息である、純心さんが在籍しているのは、

学校にとってもいい宣伝になると判断したらしくてよ。

大人的な解決方法ですけど。」


生徒会長の話を聞いた純心は、

あぁ、自分はまだ親に守ってもらっているのだな、

としみじみ思う。


「まぁさ、なんにしても、

お咎めなしでよかったじゃん」


夏希は心底安心した。

夏希の場合、部活動停止という

最悪の事態になる可能性もあった。


「そうですわね。

そもそもなにがいけないのか、

私はまだ納得がいってはおりませんが。」


お嬢様はこう見えて意外に頑固なところがある。

特に自分の信条に反するものに対しては。



「自分の欠点を克服しようとしている生徒を、

切り捨ててしまうのは、教育ではありませんでしてよ。

これからは私もみなさんに協力させていただきますわ。」


「あ、あくまで生徒会の仕事として、

あなた達が問題を起こさないよう指導するためでしてよ」

こういう面倒臭いところがなければ、

本当にいい友達になれそうものなのだが。


「わ、私の胸を触った責任も、

と、取っていただかなくてはなりませんでしてよ…」

純心が胸ぐらをつかんだときのことを言っているようだが、

純心もはっきりとは覚えていない。



「これからは、夏希さん、遥さんだけではなく、

私も含めた三人であなたをサポートしてあげましてよ」

生徒会長はすっかり参加する気満々だった。


「いいえ、四人ですわ」

「一番大事な方を忘れておりますわ」

お嬢様は走り回っている犬女ちゃんを見つめていた。


「うん、四人だね」

「純心の兄弟も同然だもんね」

夏希も犬女ちゃんを遠くから見つめる。


「なるほど、そういうことでしてね」

生徒会長も、犬女ちゃんの姿を見て納得した様子だった。



犬女ちゃんは、お嬢様が連れて来た

大型犬に追い回されている。

その後を夏希の家の小型犬が、

面白がってついて行く。


美しく茜色に染まる空、

犬女ちゃんはいきいきとした表情で、

野原を走り回っている。




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