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生徒会長といじわるな女(2)

そして、同じく三年生の

生徒会副会長・今生河原こんじょうがわらルイは

そんな会長の気持ちを知っていた。


ルイは意地が悪い性格で、

物事をワザと荒げて大袈裟にしたり、

人の気持ちを引っかきまわしたりして、

それを楽しんでいる。


顔の左側の口角だけを釣り上げて、

いかにもいじわるそうな笑みを浮かべる、

という癖がある。


生徒会長の薫とは、

遠縁の親戚筋にあたることもあり、

表面上は生徒会長を立ててはいるが、

内心は生徒会長のことを単純で、

操りやすい女だとも思っていた。



ルイは早速、生徒会長に純心のことを報告して、

生徒会長の反応を見て楽しむことにした。


「二年生の純心くんがね、

あ、会長知ってるかな?

よく学校行事の実行委員やってる男子」

生徒会長が純心を好きなことを知っているのに、

こういう言い方をするのがルイのやり方でもある。


「え?

あぁ、確かにいましわね、そんな人が。

顔はよくは覚えていませんけど。」

会長も気になっているくせに、

こういう言い方をする。

そういうのがルイには見ていて楽しいのだ。


「なんでも、

学園トップクラスの美女と言われる二人と、

とっても仲良くしてて、

しょっちゅう家に連れ込んだりもしてるらしいのよね。」

わざと『連れ込む』というマイナスイメージの言葉を使って、

生徒会長を煽るルイ。


ルイは、屋上で純心、夏希、お嬢様を見かけて以来、

時々それとなく、純心の周囲を探っていた。

自分で調べることもあったし、

ときには誰かに探らせたりもしていた。


「!」

生徒会長は心臓が飛び出しそうなぐらいびっくりして、

拳を強く握りしめる。


「それは、けしからなくってよ!」


「彼って、ご両親が海外赴任されてて

今家で一人暮らしをしているらしいのよね。」


「まさか、そんな子じゃないと信じているのだけど、

間違いとか起こさないといいのだけど。」

ルイは心配をしているフリをしつつ、

生徒会長を煽って様子を見る。


「!」

会長が握った拳がわなわな震えている。


「それは、間違いが起こらないように、

生徒会がしっかり指導しなくてはいけませんことよ」


「校内のことならともかく、

校外のことまで生徒会が監視するわけには、

いかないじゃない?」


「そんなことはありせんことよ!」

「生徒の不祥事は学校の不祥事、

学園の名誉に傷がついてからでは遅くてよ、

なにかあってからでは遅くってよ!」

生徒会長はいつにもまして憤っている。


『うーん、これはしばらく楽しめそうかも

いいおもちゃが手に入っちゃたかも』


ルイはそんな生徒会長の姿を見て、

いじわるそうな笑みを浮かべる。

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