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犬女ちゃんと女の戦い(3)

犬女ちゃん、夏希、お嬢様は、

狭い湯船の中に、無理矢理、

三人で一緒に入り、

お互いにいろんなところを

触りまくったりしているうちに、

湯船にはまって出られなくなっていた。


三人は、湯あたりして、のぼせて、

ぐったりしている。


ようやくお風呂から上がると、

二人で、犬女ちゃんの体をよく拭いて、

ドライヤーで乾かしてあげた。


その後、夏希がドライヤーで髪を乾かす。

お嬢様は髪が長いため、ドライヤーを使っても、

乾かすのに時間がかかった。



夏希とお嬢様の意地の張り合い、

降りられないチキンレースは、

その後も続けられた。


「あ、犬女ちゃん、

お腹空いてるでしょ、

ご飯作ってあげるね」

犬女ちゃんへの気遣いが出来る

アピールをする夏希。


「わ、私ももちろん

ご飯を作って差し上げますね。」

自分も犬女ちゃんのお世話が

出来るところを見せたいお嬢様。


二人で協力すればいいものを、

なぜか二人で別々の料理をつくる夏希とお嬢様。



「あ、そうだ、

純心もお腹空かせて

帰って来るだろうから、

純心の分も作っておかなきゃ」

気が利く女アピールを欠かさない夏希。


「も、もちろん、

私だって、純心さんの分も

当然作りますわよ。」

お嬢様はムキになって

我を忘れているのではないだろうか。



食卓に並べられる

夏希とお嬢様の料理。


犬女ちゃんは、美味しそうな料理が

テーブルにいっぱい並べられていて、

早く食べたそうに、ハアハアしている。


犬女ちゃんは、

みんなと一緒にテーブルでご飯が食べられて、

自分がみんなと一緒に扱ってもらえて、

嬉しくてしかたなかった。


「ほら、犬女ちゃん、私の食べてねー」

夏希は自分がつくった料理を

犬女ちゃんの器に盛ってあげた。


「私のも、どうぞ食べてくださいね。」

お嬢様も自分がつくった料理を、

犬女ちゃんに、取り分けてあげた。


犬女ちゃんは二人にずっと優しくしてもらって

嬉しいらしく、ずっと尻尾を振り続けている。



みんなで、いただきますをして、食事をはじめる。


『あら、すごく美味しいわ。

お料理まで完璧なんて、

何から何まで完璧じゃない』

夏希はお嬢様の料理に舌鼓を打った。


お嬢様も夏希の料理に感動していた。

『ああ、この優しい味、

亡くなったお母さまの

手料理を思い出しますわ。』


犬女ちゃんは、二人の料理を美味しそうに、

がっついて犬食いしていた。



食事が終わると、

今度はお嬢様が攻勢に出た。

「犬女さん、お食事が終わったら、

歯磨きしましょうね。

毎日うちの子を歯磨きしてあげているので、

私歯磨きをしてあげるのは得意ですのよ。」


夏希は思わず悔しがった。

『やるわね、お嬢様』


その後も、肩もみとか、

マッサージとか、爪切りとか、

犬女ちゃんに喜んでもらうための

競い合いが延々と続けけられた。



*****



一方、その頃純心は。


ようやく実行委員の仕事が終わり、

これで帰れると思っていたが。


「ちょっと、あなた。あなたにはこの後、

生徒会の仕事を手伝っていただきますわよ。」


『もうそれ実行委員の仕事関係なくなってますよね!』


純心の抵抗も虚しく、

再び生徒会長に拉致られてしまうのであった。

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