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犬女ちゃんと打ち上げコンパ(1)

文化祭の打ち上げが、

クラスで行われることになり、

純心は犬女ちゃんと一緒に

参加することにする。


去年の文化祭の打ち上げには、

参加しなかったのだが、

今年は文化祭の余韻に

まだもう少しひたっていたい、

そんな気がしていた。


やはり去年は

欠席していた図書委員も、

今年は参加すると言う。

おそらくは純心と同じような

気持ちなのであろう。



犬女ちゃんが

参加すると聞いて

小夜子先生も

打ち上げに参加する

と言い出した。


高校生がクラスで行う

打ち上げコンパに

担任の先生が参加するなど

ビミョーもいいところなのだが、

犬女ちゃんのことになると

空気が読めなくなる小夜子先生だ。



会場は、

大人数で入れる

カラオケ店だった。

クラスの四十人超が

ほぼ全員参加だったので、

他に店がなかったのだろう。


純心は

やっと高校生らしい

カラオケが出来るのかと、

感無量だ。


実際は場所確保のための

カラオケ店であったが、

みなそれなりに歌って

盛り上がりをみせている。


『これだよ、

こういうのだよ、

高校生らしい

カラオケというのは』


犬女ちゃんも、

みなと一緒に楽しんで

ご機嫌なようである。


-


「王様ゲームやろうぜ!」


カラオケでエキサイトしたのか、

妙にハイテンションになって来た

男子達が突然言い出す。


『四十人以上いるのに、

王様ゲームするのか?』


『担任の先生もいるんだぞ?』


四十人以上で

王様ゲームをしたところで、

もはや当たる確率のほうが

はるかに低い。

緊張感がない。

ほとんどの人が

参加出来ずに、

グダグダになるのは

目に見えている。


しかも

担任の小夜子先生が

いたのでは

男子お待ちかねの

ラッキースケベも

期待出来ない。


「いいじゃないか!

王様ゲームやろう!」


しかし

一番ノリ気だったのは、

小夜子先生だった。


小夜子先生の狙いは、

このチャンスに、

犬女ちゃんの肉球を

ぷにぷにすることだ。


他の男子も同様に、

犬女ちゃんの

肉球ぷにぷにを狙っていた。

そのために純心以外の

男子全員が事前に

示し合わせていたのだ。


こんなカタチで女子と

キスしても後味悪いし、

泣いたりされたら困るし、

純心クラスの男子達は

意外に純情で真面目だった。


その男子の目論見に

なぜか女子も乗って来た。

正面から受けて立つ

姿勢なのだろうか。


後夜祭に続き、打ち上げでも

犬女ちゃんの肉球争奪戦が

繰り広げられる。



「王様だーれだ?」


「あ、俺だ!」


「じゃあな、

七番が十三番の

肉球ぷにぷに」


七番を引いたのも、

十三番を引いたのも、

体のごっつい体育会系

運動部男子だった。


「お前の肉球はどこだ?」


「さ、さあ、

くるぶしなんか

肉球ぽくないか?」


「んー、

あんまりぷにぷにしてないな」


「そ、そうか、すまんな」


七番も十三番も真面目に

王様の命令を聞いていた。



こんな調子で

王様の命令はすべて

肉球ぷにぷにだったので、

クラス全員が

自分の肉球とはどこなのか、

真剣に考えるハメになった。


毎回王様になった奴が、

次々と肉球ぷにぷにを

命じていく。


「感触的には

唇じゃないかなー

あーしの場合」


「いや、

なんかカサカサしてるし」


「てめぇ、

そんなこと言ったら

激おこぷんぷんだお」


怒っていろんなキャラが

混ざってしまっている白ギャル。



「なんだったら、

その胸の肉球をぷにぷに

させていただいても

いいんですが、な」


「ふざけんな!

てめぇぶっ殺すぞ!」


調子に乗ったメガネは、

スケ番お京にしばかれた。

お京はスケ番のくせに

打ち上げにまで参加するあたり

どうやらぼっちが嫌いらしい。







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