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犬女ちゃんとお風呂(1)

「もちろん、犬女ちゃんを

ちゃんとお風呂に入れてあげてるよね?」

純心のもとに母親からメールが届いていた。


なんだろう、この、言い忘れてたけど、

当然それぐらいやってますよねー、

と言いたげなスタンスのメールは。

まぁそれはいいとしてもだ。


ちょっと待て。

お風呂ってのはいくらなんでも、

童貞の俺にはハードル高過ぎるだろ。


まず、全裸ってことだろ。

男子高校生が見ちゃいけないものとかが、

いろいろ見えちゃうってことだろ。


どうせこいつのことだから、

指が使えなくて、自分で洗えないから、

俺が洗うんだろ。


俺がこいつの体のあんなとこや、こんなとこを、

タオルとか垢すりで、ごしごししてあげるんだろ。

どう考えても、ばいんばいんとか、たゆんたゆんとか、

いろいろ触れるだろ。


もうそんなことになったら、

絶対、俺自分を抑えられるわけないだろ。

そこまで俺も理性がある人間じゃないだろ。


純心はそんなことを考え、

困っていた。



とりあえず、純心はいろんなところが

見えて困らないように、

泡入浴剤を大量に湯舟に投入した。

泡が立ち過ぎて、かえってあやしさが

満載になってしまっていたが。



純心は、犬女ちゃんをお風呂場に呼んだが、

犬女ちゃんはなかなかお風呂場に近づこうとはしない。

犬女ちゃんはお風呂が好きではなかった。


おばあちゃんは毎日のように

犬女ちゃんをお風呂に入れようとしたが、

犬女ちゃんは嫌がって逃げた。

「犬女ちゃんは女の子なんだから、

きれいにしないとだめよ。」

おばあちゃんはいつもそう言っていた。


お風呂上りには、

おばあちゃんがいつも、

バスタオルで体中をきれいに拭いてくれて、

ドライヤーで髪の毛と尻尾を乾かしてくれた。

きれいな可愛いパジャマも着せてくれた。


それが犬女ちゃんの

おばあちゃんとのお風呂の思い出だった。



とりあえず犬女ちゃんをなだめすかして、

なんとかお風呂場まで連れて来た純心。


「よかったら、

自分で服脱いでくれると、助かるんですけど」


純心の言葉に反応がないので、

目をつぶって犬女ちゃんの服を脱がす純心。

『なんか、この時点で

すでにしんどいんですけど』


風呂場まで連れて行くと、

どきどきして、顔を真っ赤にしながら

犬女ちゃんの背中を垢すりで洗いはじめる。


後ろから背中、首、腕を、

まぁこの辺りは問題なかった。


そのまま腕を伸ばして、

お腹もなんとかクリアした。


二本足で立たせて、

目をつぶって足も洗ってしまった。


問題は残された二か所だった。

さすがに純心には刺激が強過ぎた。


『そういえば、胸の下に

傷があるとか言ってたな』


純心は気になって、

後ろ左から下乳あたりを見てみると、

確かに刺し傷の跡があった。


刺し傷ということは、

外でおばあちゃんを助けようとして、

木の枝でもぐっさり刺さってしまったのだろうか、

痛かったろうにと、

犬女ちゃんに少し同情する純心。


犬女ちゃんの左下乳あたりを純心が見ていると、

その純心を犬女ちゃんがじっと見ていた。


「いや、これは下乳を見ていたわけではなくて、

傷が、傷がどんなのかを見ていたわけで」

言葉の通じない犬女ちゃんに必死で言い訳していた。


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