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犬女ちゃんと身体測定(1)

新学期恒例の身体測定。


授業が潰れてラッキーだとか、

身長がどれぐらい伸びたとか、

普段はそんな話題で盛り上がる

程度のことなのだが、

今回は純心を悩ませていた。


犬女ちゃんも一緒に

身体測定を受けることに

なっていると言われたのだ。


さすがに女子の身体測定に

男子の純心が同伴する

わけにはいかない。


夏希、お嬢様、生徒会長の

誰かと同じ編成であれば

よかったのが、

クラス単位の団体行動で、

三人ともクラスが違ったため、

犬女ちゃんの面倒を

頼める人がいないのだ。


まぁ保健医の日向先生が、

ちゃんと面倒を

見てくれるとは思うのだが、

それでもまだ犬女ちゃんも

慣れていないので、

誰かに付き添いを

やって欲しいと思っていた。


とりあえず純心は

クラス委員長の女子に頼んでみる。


クラス委員長は、真面目ではあるが、

若干プライドが高く、

タイプ的には生徒会長に似ている。


だが生徒会長との交流で、

そういうタイプには

すっかり慣れた純心が、

臆するような相手ではなかった。


「一応クラス全員を

引率しなくちゃいけなし、

個別にはねぇ…」


クラス委員長は

あまり乗り気ではなかった。

まだ少し犬女ちゃんに

抵抗があるのかもしれない、

純心はなんとなくそんな気がした。


-


「よかったら、

あたしが連れて行ってあげるよ」


話を横で聞いていて、

そう言ってくれたのは図書委員だった。


純心とは同じ中学出身で、

中学から高校の今に至るまで、

ずっと図書委員をやっているため、

純心は図書委員と呼んでいた。


図書委員は非常に大人しい性格で、

眼鏡をかけ、髪を三つ編みに結って

一本にしており、地味な印象の娘だ。


人々がイメージする図書委員、

そのままのような女子だった。


雰囲気を変えたら、

きっと可愛いのではないだろうかと

純心は思わないこともない。


「ほら、

あたしの家も犬いるから、

そういうの慣れてるし」


「ありがとう、助かるよ」


純心がそう言うと、

図書委員は少し照れて

顔を赤くしうつむいていた。


-


「あたいはね、

まだ納得いっていないんだよ。

なんで犬女がうちのクラスなんだよ」


身体測定のときに、

犬女ちゃんについて

文句を言っていたのは

スケ番のお京だった。


このご時世スケ番というのは

かなりレアなキャラではあるが、

ヤンキーとかレディースに属する

お京のことをみんなは陰で

スケ番と呼んでいた。


下着姿で順番を待ちながら、

お京は友人と犬女ちゃんの話を

してたいたのだ。

今犬女ちゃんは熱い話題の人だから、

校内のいろいろなところで、

いろんな人達の話題になっている。


「はぁ?何言ってんの?

犬女ちゃん、超可愛いしー」


「むしろ、あんたのほうが、

今どきスケ番とか超うけるしー」


スケ番と言い争っていたのは

今風の白ギャルだった。


スケ番もギャルも

時代が古いか新しいかだけで、

大差ないように思えるが、

このギャルは派手ではあったが、

かなり性格のいいギャルだった。


「あんだと、てめぇ、やんのか?」


「そんなのやらないしー

やんのかてめぇ、とか

超うけるんですけどー」


しかしこの学校、

私立の有名名門校という割には、

教師も生徒も個性的なのが多い。


付属の小学校から入って中学を経由して

エスカレーター式に上がって来る

内進者も多いためであろうか。


この学校、お金持ちや裕福な家庭の

子供には比較的甘いという傾向がある。

私立の学校なのでビジネス面の影響も強い。

それが犬女ちゃんが

学校に呼ばれた理由でもある。


なのでスケ番もギャルも、

こう見えてもお金持ちの家の

ご息女なのであろう。


「ふざけんな、このクソビッチ!」


スケ番お京は

ギャルを相手にけんか腰だ。


「はぁ?

あーしビッチじゃねぇーし

ダーリン、オンリーだしー」


「まぁまぁ」


仲裁に入ったのは

白ギャルの連れの黒ギャルだ。


「でも、確かに

犬女ちゃんが

あーしらと

同じ扱いってのは

どうなのそれって

あーしも思うしー」


黒ギャルも

犬女ちゃんの扱いには

懐疑的なようだ。

そこはギャル同士でも

意見がわかれる。


「なんだよー

裏切んなしー」


そんな感じで、

スケ番とギャルの

犬女ちゃんに関する言い争いは

その場にいたクラスの女子全員に

次々と伝播して行った。


当の犬女ちゃんは、

人間の言葉がわからないため、

まったく蚊帳の外だ。

それでも、なんとなく

自分の話をされているのかな、

というのは察知していた。


「困ったねぇ、犬女ちゃん」


犬女ちゃんの着替えを手伝っていた

図書委員は、苦笑しながら

犬女ちゃんにそう語りかけた。






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