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犬女ちゃんとおばさんとの再会(1)

純真には気になることがあった。


ネットを見ていると、

自分が犬女ちゃんを探していた

ちょうど同じ時期に、

ネットで犬女ちゃんの情報を

集めていたらしい人がいるからだ。


犬女ちゃんと再会したとき。

それまで電車の路線を

各駅を調べて、

途中までは確かに

目撃情報があったが、

そこから目撃情報が

まったく皆無だった。


そこで一旦捜索は

お手上げ状態となって、

数日はその付近で事故が

起こっていないか心配して

周囲をくまなく探したりした。


その後、

犬女ちゃんと再会を果たすのだが、

ネットを見ていると、どうもその人も

同じ付近に住んでいるようなのである。


犬女ちゃんの足取りが

つかめなかった数日、

その人にお世話になっていたか、

もしくは捕まっていた可能性が

あるのではないか、

純心は気がかりで仕方なかった。



もしそうだったとして、

犬女ちゃんは喋れないため、

何も言わないが、

その人に変なことでも

されていたらどうしようか、

純心はそう考えるだけで、

心臓の鼓動が早くなり、

体が熱くなるのを感じる。


自分がしでかしたこととは言え、

もし犬女ちゃんが実は

ひどい目に合っていたりしたら、

自分はその事実に耐えられるだろうか。



純心はネットでわかる範囲で

その人のことを調べて回った。

どうやら男性ではなく、

女の人らしいとわかった時点で

まずはホッとした。


その人にネットで直接連絡を取る術も

あったのかもしれないが、

純心にとてもそんな勇気はなく、

直接の連絡先を

調べることは出来なかった。



ただやはりいろいろと

気になって仕方がないので、

純心は犬女ちゃんを連れて、

その近辺に行ってみることにする。


とりあえず電車に乗るにあたり、

犬女ちゃんには、人間の変装、

イオちゃんに姿を変えてもらった。


目的地近辺の駅に降りると、

人目のないところで、

いつもの犬女ちゃんの姿に戻ってもらう。

変装は手間ではあったが、

こうして電車に乗れるように

なっただけでも、随分と便利になった。


駅からは、

ネットで調べていたらしい人の

住所付近まで犬女ちゃんと

一緒に歩いて行く。


すると途中から、

犬女ちゃんが純心の前を歩き、

どこかに誘導しはじめようとする。


やはり犬女ちゃんは、

この付近のことを

よく知っているようだ。

この辺りで何かあったのだろう。


純心は心臓の鼓動が

早くなるのを感じた。

先に進みたくないような、

真実を知りたいような、

複雑な心境だ。



犬女ちゃんは人家の前に

辿り着くと、そこで止まった。


そこで犬女ちゃんは、

家に向かって吠えはじめる。


しばらくすると、

家の玄関を開けて、

おばさんが出て来る。


「あら!?」

「犬女ちゃん!」

「おばさんのところに

戻って来てくれたの?」


純心はおばさんのその言葉を

複雑な心境で聞かなくてはならなかった。


おばさんは犬女ちゃんの

後ろに立っている純心に気づく。


純心は、頭を下げておばさんに挨拶する。







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