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第八話 初見さんはぶっ殺しちゃうよーっ!!


「えへへ〜、神代君がまさか挑戦を受けてくれる日が来るとはね〜!!


これは、明日から忙しくなるよ!


一応、自己紹介しとくけど、俺は一年の久我祐一(くがゆうい)

今日の試合、よろしくね」


明日から忙しく?

それに突然の自己紹介も、

なんだか分からない俺は少年に言われるがままについていった。


向かった先は体育館の隣にある勇武館、だったはずの場所は闘技場と書かれていた。


体育館ほどの大きさではないが、小さなコロシアムみたいな風景になっている勇武館に足を踏み入れると、広大な砂の更地が広がる円状のドーム型になっているのが分かった。



「あっ、神代君。

決闘まであと一時間あるから控え室で休んでていいよ!


俺は先生と少し話をね」



少年に言われた通り、闘技場の選手入場口の脇手にある控え室に入り、

複数置かれている縦長のベンチに腰を下ろした。



「フゥ……いきなり決闘なんて。

ルールも分かってないんだけど、突然二位の人となんか戦えるかなあ」



__________久我の弱点は鼠。


何処からか脳裏に突き刺さるように入ってきた。知らないようで知っていそうな人の声は、明らかに男性の声だ。

鼠嫌い?そんな、何かが嫌いだとかで勝負に勝つのはちょっと__________。


だが、そんなことも言ってられない。

きっと、二位の久我は相当な実力者だろう。何たって、クラスで聞いても学年で聞いても彼のこれといった詳細は聞こえない。


それに、俺が敵情視察をすると、また全校生徒が話題としてとるので今回も迂闊に動けない。



__________キャァァァ!!

観客席の方では既に久我が教員と共に、戦闘準備をしている最中なようだ。

俺は呼ばれるのをひたすらに待ち、試合の作戦でも立てていよう。



__________数分後。



「神代くん、出番そろそろくるよ!

ゴーゴー!」


大急ぎで走ってきたのか、吐息が乱れている久我が俺を呼びに来た。

作戦はもうばっちりだ。


ただ、久我の武器とステが分からない以上は動けない_____が、やってみるしかなさそうだ。



_____闘技場の真ん中に立っている俺ら二人を取り囲むように360度観客席には人が埋まり、盛大な歓声だけでも呑まれそうだ。



「神代くん、なんか雰囲気変わったよね。

前はもっと怖かったのに、今は触れ合いやすいっていうか!


_____まあいいや。

やろう!この試合を楽しむ!」


久我の言葉はタロちゃんの言葉と重なる。

まず、目の前の相手に集中し、久我を撃破した後にでもしっかり聞こうじゃないか。


この学校での俺はどんな人だったのかを。



「両者共に、礼!

それでは、始めっ!」



教員が放った合図と共に試合は開始した。

迂闊に動くことさえままならない自分だが、取り敢えず__________



「タクト!傅け、滾る炎をこの身に燃やし、敵の全てを灼きつくそうぞ!

レーヴァテイン、来い!!」


黄色く眩い光に包まれた武器は、一定の時間が経つにその姿を現した。

燃える炎をデザインしたかのようなビジュアル、中心部には赤い石がはめられている。


コレは一応、魔法石というらしい。

武器自身が持つ固有の能力の原点とのようなもので、ここまで大きいと自分自身が炎関連の魔法を使えなくても発動出来る能力があるらしい。


俺はまだそれを一度として発動したことがないが、発動の仕方は教えてもらえた。


夏休み中に気を遣って葛城先輩に教えてもらいまくった俺の技を見よ!!



「開幕速攻、何もしてこないってことは俺の能力(ステータス)も武器も知らないってことかな?

良いねえ、初見さんはぶっ殺しちゃうよーっ!!」



_____刹那に彼の両足が地面を蹴り、思いもよらない速度で間合いを詰め___大振りのレーヴァテインで撃ち墜とそうとするも、これを空中で回転して回避。


闘技場の壁を蹴り、俺の方へ向かってくるがさっきのように単調な攻撃では直ぐに回避され、次は反撃の一手を喰らうかもしれないと思った俺は次の行動に出た。



「直立で立って、俺を呼び寄せからの大打撃ってのが魂胆でしょー、丸見えっ!」


俺は直立で相手の動きを視線で捉え、目標を見定める。

学校で二位ともあれば最強クラス、俺の攻撃はマトモに喰らわないであろう。

それに、様々な強者とも戦ってきているはず。



拳を固めて飛んでくる少年が懐に入ったと思った瞬間__________レーヴァテインを大きく振りかぶり、振り下ろす寸前でグッと堪える。


すると、大振りの攻撃避ける少年。

回避行動で背中がガラ空きだ。


俺はそこに________横振りで大打撃を叩き込んだ。


強い衝撃に吹っ飛ばされるも、受け身だけはしっかりと取っていたようで闘技場の壁にへばりつくようにして久我は動きを止めた。


「……俺の行動を見定めてフェイクを入れるなんて、かなり肝が据わってるね〜!

それにその武器、相当痛いよ。


君のステは攻撃が少ないのに対して、最大火力のものを使ってるでしょ?

だったら俺も本気出しちゃうかな〜!」


久我は"本気"になったようだ。

俺は全力で彼の行動を視ようと視線を向けた。

_______瞬発的に壁を蹴って加速して飛んでくるのはさっきと同じ。

だが、明らかに不自然な部分があった。


それでも、今の俺には考えている暇はない。

先程の攻撃をもう一度、テンポを変えてやってみようとレーヴァテインを大きく振り上げた刹那だった。


「その手には乗らないよっ!!

蜘蛛の糸(スパイダー・ネット)》!」


彼の魔法だろうか。

掌からは蜘蛛の糸のように複数の糸が折り重なった粘着性の高い糸が俺を拘束する。


そう、これが久坂部魔法高等学校。

一年にして、総合成績二位。


蜘蛛の暗殺者(スパイダー・アサシン)》の異名を持つ、久我祐一の得意技だった。


投稿遅くてすいません。

三作同日投稿は恐らく無理なので、世界丸ごと異世界転移!?だけは少し遅めにゆっくり書いていきます!それでも三日に一度は必ず更新しますのでお待ちください( ´∀`)


エタらないように頑張らないと!!

それでは、次回もお楽しみに!

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