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第四話 剣よ、世界で一番強いのはだあれ?

ーー

「てか、マジでおかしいだろ。

お前の火力の低さは学校でも有名な話だけど、それを簡単に補っちまう武器を手に入れてからというもの……。


マジで最強じゃね!?死ねよまじで…死ね!」


蟹剣士の討伐が早くも終わっている俺に妬ましい表情で睨みつけてきている山田太郎、彼はまだ3体目の蟹剣士討伐をしている。


正直、こいつを置いていっても俺的にはデメリットが一切無いと思うのだが、友達を早めに失うのは夢であっても許されない。

ここは手伝って差し上げるか…。



「タロちゃん、手伝ってあげよか?」


「は?どうやってだよ。

俺の獲物を一撃でお前は叩き潰すだろが!」



確かに。

通常通り攻撃すれば、蟹剣士は跡形もなく潰れてしまう。

力を最小限に弱めれば大丈夫なのじゃないか?

そんな疑問に浸ると、俺は彼に提案をしてみた。



「力を最小限?

それなら良いかもな〜。


やってみろよ死ね」



もうここまで来ると、彼の「死ね」は挨拶みたいなものなんだろう。

キャラ維持って大切なんだな(?)



俺は最小限に最小限に。と、心の中で唱えながら蟹剣士に近づき、ヤツの頭上に槌を翳す。

すると、蟹剣士は何があったのか、真剣白刃取りの態勢に入った。


どうやら受け止めてやるわコラァ!

みたいな感じらしい。


受けて立つわ!その勝負!!


おりゃぁぁぁあ!!


蟹剣士の体に土が覆い被さるように勢いもなく、落下していこう。



ーーグシャリ。



結局潰れた…!?

あ、あんなにすこーしの力でやったのに!


横を見ると、やや怒り目のタロちゃん。

俺はソッと笑顔でこう言ってやった。



「じゃあ、俺、淡水龍行ってくるからタロちゃん後で来てね!!」



と、そそくさーに背後から大きめの叫び声で「死ね!!!」と聞こえたのを無視して、淡水龍の生息しているという近くの河川敷に向かった。


しかし、あそこまで弱い課題だ。

倒せないタロちゃんは序列いくつなんだろう。

俺が序列4位でこんなにもあっさり怪物を倒していけるのなら、人生イージーモードに出来すぎている。

まあ、夢だから。。。


こんな簡単な理由で片付いてしまう。



そろそろ淡水龍が住んでいるという河川敷な訳だが、そもそもどんな生物なのかを把握していない。

今まではタロちゃんが居てくれたから、どんな生物なのかを理解し得ることが出来たが、先ほどと状況の違う今ではそんなことも言ってられない状況だ。


ーー

河川敷に着くと、一人の少女が巨大な青色と赤色の鮮やかな色を持つ巨大な魚と戦っている姿が見えた。

彼女は、剣に気を集中させるように全力で魔力を咎め、剣に問いかける。


「はぁぁぁぁっっ!!!

剣よ、剣ィ!!


世界で一番強いのはだあれ?!」


剣は答えよう。



「貴方様……!!」



すると、彼女の持つ剣には黄色く眩い光が形成され、纏い、細長い巨大な魚が襲いかかってくるタイミングで剣を縦に振り下ろし、魚は真っ二つに割れて、河川敷の青色の川を赤く染めた。


「……ではありません!」


剣が最後まで答えた頃、彼女の頭上にはタライが落ち、地面には何故かバナナの皮があって、そのまま滑って尻餅をついている絵が俺の目の前に現れていた。


彼女は俺の姿に気づくなり、恥ずかしそうに顔を赤らめては剣を仕舞い込み、走り寄って来た。



「あっ、貴方は!!!

世界で4番目に強い人!」


どんな覚え方だよ!

確かにそうみたいだけど、全く知らないんだよなあ。

俺が序列4位に上がれた理由も、使える魔法も何もかも。


女の子の言葉を無視するのは、少しだけ気分を害すので、俺はなんとなく苦笑してその場の空気を和ませる努力をしてみる。



「あっ、すいません!

しょ、しょ、初対面の人にこんなこと!


私は久坂部魔法高等学校二年の葛城優姫(かつらぎゆうき)です!

身長は低いですけど、一応、神代君の先輩さんです!」


そう名乗ってくれた彼女に俺は見覚えがあった。

久坂部高校を受験した時、一時限目の試験の試験官を務めてくださってた方だ。

消しゴムを落としてしまった際に優しく笑顔で微笑みながら、消しゴムを渡してくれた優しい小さめのお姉さん。


身長は推定145程。

150は無いと思われる。

髪の色は茶色で、髪型は肩までの短髪。

普段も久坂部魔法高等学校の制服を着ているようで、今日も着ていた。



「あー、俺の名前……知ってるんですか?」



「当たり前だよ!

君は、新入生なのに実技試験も含めて生活態度も全て完璧のダークホースって言われてるくらい、校内では有名な存在なんです!


声をかけてきた女子とか居ませんでした!?」


そんなことを聞かれても、今まで告られたことさえない平凡に普通な俺は、女子から声をかけられることなんて教科書とかノート貸してとかそのくらいだなー。


「記憶にないですかね……?」



「ありゃあ、これは簡単に落とせないわけだ!!」



「え?何がですか?」



「いやいや、こっちの話!!


てか、そんなことよりも神代君は何でここに?夏休みの課題、終わってないの?」


終わってないから来てるんだよ。

きっと、さっき葛城先輩が倒していたのが淡水龍なのだろう。

さっきから川の方に一匹、大きいのが泳いでいるのが見える。



「はい、終わってないです!

今から淡水龍を倒さないといけなくて!」



「そっかー。

手伝いたいけど、私の武器のスキルは一人で戦ってる時に限定で使った方が強いスキルなの、だから、頑張ってね!!


これは、アドバイスだけど、淡水龍は頭を狙ったらたまに即死する場合があるらしいよ!」


葛城先輩の言う通りに頭を狙って攻撃してみよう。

うねうねと動いている淡水龍の頭にピンポイントで槌を振り下ろすのは至難の技。

普通ならこう考えて、辞める人も沢山いるだろう。


だが、俺はこの世界で序列4位の化け物。

実際にどんな強さなのか自分でもわかっていないけど、大丈夫。

蟹剣士の時のように一撃で仕留められる!


でも、油断はいけない。

身長に、集中力を全力で咎めながら近づかねば負けてしまうかもしれない。


俺は、川に足を踏み込んだ。

ーー瞬間。


獲物がかかったと察知したように、凄まじい勢いで淡水龍が襲いかかってきた。

要するに、これを避けて背後に回り込んでからに頭の上から槌を振り下ろせばいいんだろう。


何だよ、無理に決まってんだろ。

そんな瞬発力……。


ーーいや、持ってた。


考えるよりも身体が勝手に動いて、俺は瞬く間に淡水龍の背後、頭の上に到着していた。


これならいける!!


ーータクト。


俺の手には真っ赤に燃えるレーヴァテインが握られ、そのまま、相手の頭の上から全力で振り下ろした。


悶え苦しみ、白目を剥き出して一撃で沈む淡水龍。

食らった本人も驚いただろうが、食らわせた俺もかなり驚いた。


自分が考えたらその考えが現実になるように、体を使いこなせている。

何故なのかわからないけど、凄いことだ。



唖然で悶絶している葛城先輩をどうにか正気に戻して、俺は山田太郎氏が来るのを、葛城先輩と一緒に待った。


遅れてすいません。

東京の方へ行っていたので投稿が遅れてしまいました。

これから、毎日投稿頑張ります!


応援よろしくお願いします!!

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