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第三話 拙者との居合いを受けるでござる!

ーーー翌日。

朝起きて着替えて、支度をして、俺は家から出た。

約束が七時頃ということもあってか、だいぶ早い。


現在、真夏日の夏休み真っ只中でも朝は少し冷え、長袖のジャージを着て来ないと、正直、つらいところである。


家の門を出ると、山田太郎なるモノが待ってくれていたので早速合流して、課題を終わらそう。



「タロちゃんは後何をやるの?」


「俺は〜、全然手ェつけないで自主練で体しごいてたから淡水龍(ティアマトドラゴ)蟹剣士(クラブナイト)だなー。


お前は?」


俺は後スライム30体で、淡水龍と蟹剣士か……いや、終わってる!?


課題の紙を見ると、スライム以外は緑色のペケマークが対象名の隣に記されていた。



「流石だな、死ね!

やっぱり、序列4位は違うわな」


最初の死ねは受け流して〜〜、

4位!?


どうやら彼が言っているのは、自分が通っている学校内での総合成績序列システムについてのことらしい。


後々、家に帰って『入学するにあたっての説明』という用紙を部屋で見つけたので読んでみようと思う。


『入学するにあたっての御説明』


久坂部魔法高等学校を入学にお選びいただき誠に光栄に思います。

当校は、聖都エルサレムの魔法高等学校の中で随一の有名校であり、学校の評価を落とさないよう、日々、生徒様方の健康や魔力についてなど、全てのコンディションを整えられるように努力している次第です。


我が校が学校を運営するにあたって、使用しているシステムを挙げていきたいと思います。


魔力切れ休暇(マジック・アウト)

戦闘演習や授業、課題等で魔力に対する身体への不具合等が生じた場合、一年で合計一ヶ月の休暇の申請を可能とします。


・総合成績序列システム

我が校での入学戦闘演習試験や他の中間戦闘演習試験等の試験成績、授業態度等から学校内で全ての生徒の総合成績で序列を決めます。

上位10位以内の序列者には、学食、寮生活、授業費などの学校に掛かる料金を全て無料。

上位100位以内の序列者には、学食、寮生活を無料とします。

上位500位以内の序列者には、学食を無料とします。

500位以下の序列者には、通常の金額で学校生活を行ってもらいます。


・安全式学校結界

学校内には幾つか魔力を持ち、学校外の敵から守るための結界を生成する装置が置かれています。

当校の教員は現役の魔術師、戦士、勇者等の猛者で形成されていますが、万が一の為に親御様の大切な生徒様を守るシステムの導入を実現しております。



等のシステムを導入し、外部の敵からの侵入、襲撃を常に警戒し、自分にあった楽しい学校生活を楽しんで頂けるよう努力を務める次第です。



努力で培った能力と才能で培った魔力さえあれば、


我が校は皆様の将来を約束しましょう!


ーーー


久坂部魔法高等学校ってなんだよ。

俺が通ってるのは、久坂部高等学校だっての!


つか、いまの長い長い尺のせいで、スライム狩り終わって次は蟹剣士(クラブナイト)の討伐のために移動し終わったとこだわ!


蟹剣士(クラブナイト)

通称:鋏を使わない雑魚


全長1メートル程の少し大きめの蟹。

自身が生まれ持った鋏を戦闘では使用せずに、鋏で器用に剣を持って自分の流儀に忠実な剣士な一面があることから蟹剣士と名前が付いた。


「此奴らだな…!!

よし、タクト!!」


レーヴァテインを片手に携えると、5体ほど群がっている蟹剣士へ大きく振りかぶって、強く振り下ろす。

一撃で潰れて動かなくなった蟹剣士。

「……ゴザァァァァァァァァ!!」


え、よわ!!


と思ってしまった俺は次々に群がっている蟹剣士達へ槌を容赦なく振り下ろす。

子供連れの親子蟹も、愛し合っていそうなカップル蟹も容赦なく叩き潰した。



「どんなもんよ!

残り五体!!」


と、大分、時間が経ったので横を向いてみると、山田太郎が一匹の蟹剣士と死闘を繰り広げていた。


彼の剣が蟹剣士の二刀流に()されて、鉄と鉄がぶつかり合い、金属音と共に苦難の表情を見せている。


すると、蟹剣士は太郎へこう言った。


「……なかなかやるでござるな。

拙者は蟹剣士の中でも随一の使い手、拙者と勝負をつけるであれば、居合を受けるでござる!!」


蟹剣士は何処からか持ってきた鞘に一本の刀をしまいこみ、何本もある足の重心を右に傾けて戦闘の構えをとる。


「良いだろう、お前が簡単に死んでいく様を見届けてやんよ、死ね!」


山田太郎は、鞘をタクトして剣をしまい込むと、腰と同じ高さに左手で鞘を柄を右手で掴んで重心を低めに態勢を整える。


剣士の居合いとは一瞬のカタ。


蟹剣士がもう一つの剣を投げると、宙に浮いた剣はクルクルと回転し、

長い時間をかけて地面に突き刺さった。


ーー瞬間。


両者は凄まじい速度で通り過ぎ去って、蟹剣士が倒れた。


二人の居合いに圧倒されて、拍手をかましていると山田太郎は蟹剣士の落ちている剣を拾い、もう一つの剣と同じ場所に突き刺した。


「お前のことは忘れない。

大丈夫だ、お前は俺の力になったぞ!」


俺はその姿を見て、淡々と潰して倒していた蟹剣士を申し訳なく思い、

さらに近くにいた五体の群生をレーヴァテインで叩き潰したのだった。


明日からの二日間は投稿が出来ない可能性があるので、もし出来ない場合に次の日、まとめて投稿させていただきますので、ご承知ください!


ezelu

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