自分の推しキャラが自宅にトリップした件についていかがいたせばいいでしょうか
自分がヲタクなんで、もしも推しが唐突に部屋にきたらどうするんですかってのを書きました。
限りなく作者の人間性が反映されているヲタクです。
推しのモチーフキャラはいますが、伏せています。
限りなく心情が作者に近いので兎に角稚拙な文章です。語彙力とかないヲタクです。
・・・これは予想外だ・・・
あ、どうもはじめましてみなさん。
私は都内に住んでいるしがないOLです。
現在28歳、30手前の女性ではございますが、職場が実力主義な為営業成績のそこそこよい私はそこそこ良い給料をいただいており、プライベートの趣味ヲタク活動に給金とボーナスの結構な額を投入し、全力で今を生きている世代でございます。
え?彼氏はって?んなもん2次元が彼氏に決まってんだろ!ってこまけぇことはいいんだよ!!
それより今のこの状況を説明してほしい。
本日金曜日、仕事に疲れた私がコンビニに寄って連休のお供(ビールとかお菓子ね)を買って家に帰り、玄関の扉をあけるとそこには私が高校時代から推してるアニメキャラに酷似した人間が倒れておりました?!?!?!
え?!なんでわかるかって?
まず、銀髪に近い灰色の髪の毛・・・日本人じゃない。年齢も若いから白髪じゃない。もしかしたらロシアとか北方にいるかもしれないけどそんな知り合いはいない。
そして洋服、和装だ・・・そのアニメは和装メインの話なんだよ・・・もしかしたらロシア人が日本いぇーい最高!って和装のコスプレした状態で不法侵入したなんてオチもあるかもしれないが・・・
あとは武器かな・・・ちょっと変わっている武器を使うから・・・それが落ちてる・・・そして血がついてる
ん?血?!??!!
よく見ると彼はものすごーく傷付いている
服もボロボロだし、洋服のところどころには血痕もついてうる
これはいけない。気づかない私も私だがこれはまずいです。
命の危機
そう、目の前で死にそうな人間がいる!っと思った私は慌てて靴を脱ぎ、彼に近寄った。すると倒れている彼が突然目を醒まし物凄い速さで身体を起こして私に武器を突きつけてきた。
「何者だ。貴様」
なんだろう・・・すごい傷だらけだから手当したいのに彼が放ってる空気てきな、全力で俺に近づくな・・・!ていう雰囲気のせいでちかよれない。・・・息もできない・・・これが、これが噂の殺気ってやつか?!あぁあああ冷や汗が止まらない!え、・・・てか武器やば・・・武器もってるの生でみた・・・すごくない?めっちゃかっこいいんだけど・・・スマホ、スマホほしい・・・カメラで写真めっちゃ撮りたい!!!あぁあああそんな射殺すような眼で私を見つめて・・・ボロボロで・・・あ、よくみたらビーチク見えてる・・・どうしよう・・・どうしよう私・・・ワタシィ・・・
「ご、ご褒美です・・・」パタリ
そこで私の意識がブラックアウトしました。
ん、ここは・・・知ってる天井だ・・・なんだ。私の家じゃん?気が付くとはふかふかした物の上で寝ていた。ってこれも自分の家のソファじゃん。あれ、いつの間にか寝オチしてたわぁ・・・
なぁんだかめっちゃいい夢見てた気がする・・・そうあれは私の推しのチービクの・・・・・・よし!この夢をわすれないようにいまからSNSで書き残して妄想力をたかめよーっと思い身体を起こすと目の前には先程全力で殺すオーラを纏っていた上半身裸の推しがおりました。え、やば、裸、雄ぱい・・・あるやん・・・あ、ちだらけ・・・
「と、尊い・・・」
二度目のブラックアウトをしようとしたとき
「お、おいおいおい!まて!ちょっとまて!また気を失っては困る!」
目の前で半裸で正座していた推しが眼前まで迫ってきた
「ドゥッファア!!!」
「おわぁあああ!!!」
おま、ちょぉおま・・・目の前に推しが迫ってきて肩を握られたらそりゃああんた気を失うなっていうのが無理な話よ・・・
自慢じゃないがイベント会場で推しの神コスとかをしている人が遠くで喋ってるのをみかけても「尊い・・・」って手を合わせてたし、更に言えば舞台やミュージカルで推しが出てたりしたら2.5次元に光臨した女神で天使・・・尊い・・・生きる・・・ってもうそれだけありがたい存在だったんだよ?それがいま目の前眼前にいるからね?!下手したら・・・あ、血が垂れる・・・おいしそう・・・ハァハァハァ
「くっそ・・・近寄ったらだめなのか・・・埒があかねぇ・・・いいか?おい気を失うなよ?・・・俺の名前は・・・そう、ライとでも呼べ。俺は先程まで戦場にて武勇を振るっていた。だが、敵の猛攻に耐え切れずなんとか奴らを振り切り追ってくる奴を切り捨てながら森に逃げ込んだはずだ。だがそうしている内に意識を失って倒れた。気づいたら貴様が目の前にいあので武器を構えてしまった。だが、その後貴様はそれを褒美だといって鼻から血を流し、俺の前で倒れたんだ。俺は気を飛ばしすぎたか?と思ったが、お前の顔があまりにもにやけているのでなんだか違う気がすると感じた。貴様は女子だろう?人前であんなに腑抜けた顔して倒れたら襲ってくれ殺してくれというようなものだ・・・少し危機感を感じたほうがいい・・・もっとも俺の言えた事ではないがな」
あーはいはい・・・ライってのはわたしの可愛い推しが偽装したり御忍び潜入したりするときに使う偽名というやつだ。知ってるにきまってるだろう?なんてったって10年近く追っかけているんだぞ?彼の事なら解るぞ・・・なんだってなぁ・・・エヘヘ///ヲタクなめてもらっちゃぁ困る!
で、戦闘中に逃げてきて?森で意識失ったらここにいたって、え、てかいまのききました?私の事警戒してたのに私が恍惚のあまり気を失ったらメッチャ心配してくれたんですけど?え、オカン?すごい好き。むしろおそってほしいんですけど・・・???だが、まずは私も自己紹介をしなくては・・・
「は、はじ!はじめまして!私、私は・・・ゆりかっていいまひゅッ!・・・ッ」
・・・だぁぁああああやってしまった!推しが目の前にいてめっちゃ真剣な眼で見てくるからもう緊張臨界点突破してまともに喋れねぇえええ当たり前だよねぇえええ
だってもう2.5でも無理だったもん。不審者に成り下がってたもん。それくらいすきなんだもん。
話なんて出来るわけないじゃん。ヲタクには刺激が強すぎるよぉおおおおおおおお/////
「ん?ゆりかがお主の名前か・・・よい名だな・・・・」
は?推しに名前褒められたんですけど?てか名前呼ばれたんですけど?どうしよう?死んだほうがいい???お母さんお父さん名前ゆりかにしてくれてありがとう。この名前でよかった。推しに褒められた。つらい。尊い。
「しかし、ここは奇怪な場所だ・・・お主が気を失ってから少し見て回ったのだが・・・ここには俺の知っている物がない。1つ1つが俺には到底使い方のわからないものばかりである・・・なぁ、お主はこの家の主なのか?ここは何処なのだ?俺は・・・いったい・・・先程の無礼を詫びるから・・・頼むから教えてくれ・・・」
・・・え?ちょーーー萌えるんですけど・・・?
え、何?とりあえず眼が醒めて、威嚇したら私がブラックアウトして、で、家の中みたら違和感しかなくて不安になって、私の目が醒めるのを待って?で、必死に考えて私みたいな怪しい女に教えてほしいって頼んでる。みたいな?
あ、そんな・・・素敵な青緑色の瞳を不安そうにウルウルさせて・・・やっぱり本物なんだなぁ・・・コスプレのカラコンじゃあこんなキラキラ透き通った色出ないし・・・ってあぁぁああああもう可愛すぎ尊すぎあぁあああああああああもうこんなん答え決まってるじゃん!!!
「あ、あ、あのその・・・私に出来ることがあれば・・・なんでも言って下さい」
「?!・・・っかたじけない・・・!ありがとう・・・ゆりか殿・・・」
殿・・・呼び・・・だと???
私はもう色々耐え切れず意識をブラックアウトさせた。
2度目のブラックアウトから目を醒ましたら彼はもう顔面蒼白になっていた。
すわ血液不足か?!怪我を放置しすぎたか?!と思ったら。私が気を失ってしまったのでなにか失態を犯したかと心配しすぎたらしい。なんだよ~尊くない???無理好き
で、彼の怪我を調べたんだけど、なぜか傷が塞がっていた。なんで?全部返り血とか?って不思議に思っていたら。結構致命傷を負ったらしいんだけど、目が覚めたら怪我が治っていたらしい。彼も不思議がっていた。
彼にはこの世界の事を説明した。おおよそ、彼の時代から500年後位経っており、戦は無く平和な世界になっているのだと(実際は彼はアニメキャラなので過去でもなんでもないが・・・)最初聞いた時は凄く驚いて悲しい顔をしていたが、先人達の頑張りがあって今の平和な時代があると伝えたら彼は照れくさそうに笑って喜んでいた。笑顔を間近でダイレクトアタックされた私が呼吸困難を起こして死ぬかと思った。尊かった。無理好き。
あ、勿論彼がアニメキャラだとは言ってはいない。言うのは憚られた。あと私が冷静ではいられそうにもなかった。絶対いらんこと喋って余計なこと言っちゃう。
家の中の家具家電の使い方も色々教えた。あと服は着替えてもらった。(昔父が止まりに来たときのスウェットとかあってよかった。大きめ買っておいてよかった。)
え?お前ヲタクだろ?グッズとか見られたら終わりじゃんって?
フフフ・・・私はグッズは1つの箱にまとめてニヤニヤするパターンのヲタクなんですー。よく家に非ヲタの妹が遊びに来るから箱にまとめて入れてあるんです~よかった。妹が非ヲタでよかった。絶対あの箱を死守しないと。死ぬ。あとパソコンのデータ。箱の入っている押入れは乙女の秘密。パソコンは禁断の箱であり、不用意に近づくと(私が)死ぬ。と伝えた。彼は押入れの時に顔を赤くし、パソコンの時には神妙な顔で頷いていた。尊い。無理好き。
彼は最初すっごく戸惑いながら家電を使用していた。電気つけるとき一々おっかなびっくりしているのを見てスマホでめっちゃ録画してた。
彼は、「俺に向けてるそれは何だ」と聞いてきたから、貴方が家電を使えるように登録しているんです。今度から1人で使えないと困りますよね?って言って無理やりねじ伏せて納得させた。
だってどうしても始めての現代。一騎当千でも家電が怖いって動画が撮りたかったんだもん。推しが・・・推しがちょっと不安そうにしながらチラチラこっちをみて、これでいいの?これでいいの?って見てきたんだよ???もうRECするしかないでしょ???あぁ・・・尊い
うん!邪な心を一片も見せずに普通に説明できた気がする!うん。大丈夫大丈夫・・・!大丈夫だよね???
そんな訳で彼がやってきてから3日間が経った。
女子が1人で過ごすには広い3LDKだが、彼の体格が大きいからか丁度いいような気がしてきた。最初彼がびくびく触っていた家電も「レンジでチンしていいか?」って普通に触れるようになってたりする。流石私の推し・・・レンチンすら尊い言葉に聞こえる。
そして私はというと彼を見るたびに意識を失いそうになるのを必死にこらえて、今では普通に話せるようになった。彼が突拍子もない事とか突然する度に心臓が止まりそうになるけど・・・存在が尊すぎて無理だから。
そして今日。連休が終わり私は仕事に行く。
彼が来て始めて彼をこの家に1人にする。私はできる限り1人で不便な思いをしないように料理を作ってきて、なにかあったら連絡するようにと電話の使い方も教えている。
外に出たら、明らかに外国人+イケメンな彼が挙動不審で少しでも常識に差があるともしかしたらお巡りさんに捕まってしまい、この世界での立場を照明する物等当然持っていない彼はそのままドナドナ拘置場へ・・・
そんな彼を想像したくない。説明に困る。でも牢屋越しの推しというのも背徳感があってすごく見てみたいエヘヘヘヘ/////とか色々通勤中推しの事ばかり考えてしまっていた。
既に。帰りたい。彼に会いに。いや、常日頃仕事中常に帰りたいと考えている勢なんだけどね。
仕事が終わり全力で帰宅した。仕事中に彼を思い出してはニヤニヤしていたから完全に不審者扱いされた。デスヨネー・・・いいんだ・・・別に。仕事はしてたから。よかった。今日取引先とかと会う予定とかなくてよかった。
家に帰ると彼がリビングにいない。テレビを教えてからは彼はテレビが大のお気に入りで、暇があるとソファでテレビを観ていたのに。そんなテレビを観ている彼を観ている私。だったから彼がどんな番組の内容自体は頭にはいってこなかったが、バラエティとニュースをよく見ていた気がする。あ、ビデオの使い方は教えてないのでアニメを観られる心配はない!抜かりないよ!その辺は!
と、まぁその話は置いておいて・・・リビングにいないとなるとあとは3部屋・・・順に見ていくが見当たらない。残るこの部屋は禁断の押入れがある禁断の部屋。趣味部屋である。
恐る恐るあけると
居た。
片手に先日使い方を教えた掃除機を持って。
そして彼の目の前には禁断の推しの公式グッズが詰め込まれた禁断の箱があり、彼はその中身を呆然と見ていた。
ここで公式ファンブックに載っていた彼の設定を1つ思い出した。
彼はその一騎当千。奔放で太陽の様な気性であるが、好きなのは掃除なのだ。
見た目にそぐわず綺麗好きだったのである。
彼の青緑色の瞳が驚愕に染まったままゆっくりとこちらに振り向いた。
そして私と視線が合った瞬間、出合った当初のような険を含む視線になった。
「どういうことだ」
「・・・押入れは空けちゃダメって言ったでしょ?」
「それは・・・すまない・・・だが、掃除機をかけていたらその押し入れに当たり扉が外れてしまったのだ。直そうと思ったのだが、この箱が妙に気になり蓋を開けたら俺に瓜二つの物が沢山この箱に入っていたのだ。最初は似ているとしか思わなかったのだが、俺の愛武器まで一緒で、更に主君や友の名前まで一緒だ。これはもう俺であるという他はない・・・どういう事だ?説明してくれないか?」
まさか掃除機を使いこなし、あまつさえ1000%の善意で掃除してたら押入れの扉が外れて、いくつか箱があって奥のほうにしまったにも関わらずその箱だけ探り当てるなんて・・・もしかしたら嘘をついている・・・という事もあるんだろうけど。それはないと彼のヲタクを10年やってるのだから言える。だって彼は良くも悪くも真っ直ぐな人だ。家を荒らすなんてのはしない。本当に偶然探し当ててしまったのだろう。もはやこれは運命としかいえない。
あと、その険を含んだ瞳がたまらない。ちょっと青緑の瞳に陰を落としているのとか凄い好き。この前は殺気?と興奮と血の色でもう色々なにも冷静に考えられないし、見れなかったけど、今すっごい幸せ。かっこよすぎない???はぁ・・・尊い
「おい、聴いているのか?」
「うん、聴いてるよ・・・そうだね。話そうか・・・」
私は観念して話すことにした。
まず、貴方はこの世界で物語として描かれており、その物語は広くこの世界に知られていて、こうやって商品になってまで人気があること。そして、私はその物語の、ひいては貴方の大ファンであり、こうやって沢山その商品を持ってる。
だから貴方が始めて私の部屋で倒れている時に貴方だと気づいて冷静でいられなかったこと。等々・・・
彼はそれを腕を組みながら黙って聴いていた。
私は全てを話した後、最後に付け加えてこういった。
「私がこの話をしなかったのは、貴方を物語の中の人間だと言う事が憚られたから・・・だって貴方は目の前で生きて会話をしているのに・・・黙っててごめんなさい・・・」
黙って聴いていた彼はその瞼を開け、私の瞳を見つめてきた。
瞳には先程までの陰はなくなり、澄んだ美しい色で私を優しく見つめてくる。
そして私の頭の上には彼の大きくてすこし骨ばった手が乗せられた
?!?!?!??!?!??!??!?!
「話しにくかったであろうにありがとう・・・」
彼は複雑そうに顔を歪め私の頭を撫でる。それをみて私は思ったのだ。
物語の中でだけでは彼の事を表面的にしか解らなかったが、実際唐突に推しに会って彼はその世界の中で生きているんだと。先程自分の口から出た貴方を「想っていわなかった」というただ保身を図っているだけの綺麗事に最初吐き気がしたけど、でもやはり口に出して、彼の顔を見た瞬間。私のこの気持ちは本物なんだと気づいた。
この世界はどう考えても彼にとって生き辛い。どうか。
神さまお願いです。
彼を元の世界に返してあげて下さい。
私が願いを込めた瞬間。彼の後ろの壁から眩いほどの光があふれ出した。
私と彼は驚いたものの、私は直感的に同じ事を思い浮かべていた。
この光の先には彼の世界がまっていると。いま帰るべき世界の扉がひらいたのだと
「ゆりか殿これは一体」
「きっと、ライの想いが通じたんだよ・・・これの先に行けばきっと帰れるよライ・・・」
「そうか・・・なぁ、ゆりか」
「ん?どうしたのライ」
「お主も一緒に来ないか・・・?」
こりゃ驚いた・・・まさかの私がトリップする展開になるなんて・・・
そんな展開・・・
どうしよう・・・
一瞬悩んだ私であったが、すぐに答えをだした。
「ごめんねライ。私はいけない」
「・・・そうか・・・お前がいればあちらでも退屈しないと思ったんだが」
「ライの事は好き。でも私にはこちらでの家族が居る。仕事がある。それを全て放ってなんていけない。ごめんね。ライ・・・」
「あぁ、そうだな・・・ゆりか殿。大変世話になった。一瞬ではあったが共にあれた日を忘れはしない」
「ライ・・・!うん!向こうでも元気で!これ、荷物まとめておいたから・・・」
「あぁ!ありがとう。では・・・達者でな!」
「ライ!私も楽しかったありがとう!」
ライは光の中に身を投じ、彼の姿が見えなくなった瞬間光は消えた。
そこにあるのは元の私の家の壁である。
私は暫くが消えていった壁を見つめていたが、自分のお腹がなり我に返った。
これでよかったのだ。
所詮私はこの世界の人間で。こちらの生活を捨てること等できない。
それに、彼の世界は過酷だ。常に人の生死がつきまとう。そんな世界でOLの平和ボケした私が到底やっていけるとも思わない。
だからこれでよかったのだ。
気軽な1人暮らしの元の生活に戻っただけだ。
そう思いキッチンへ向かう。そこにはライが頑張って途中までしてくれていたのであろう炊事の痕跡が残っていた。彼はもういないのだという事実を突きつけられた様で涙が零れそうだったが、それを寸前でおしとどめた。
ここで泣いたらだめだ。よく思い出すんだ。
そう彼は私の推しであり私は彼と恋人や家族になりたいのではない・・・彼の姿を画面越しに見つめる事で幸福感を得ていただけなのだ。
私は彼のやりかけの炊事に最後まで手を加え、彼と私の始めての共同作業だなぁ・・・と思いながら少し多目の夕食を食べおえた。
私と推しの短い日常は終わりを告げた。
私は彼についていかず、この世界に残ることを選んだ。
皆さんはもし、推しが自分の部屋に突然あらわれたらどうしますか?
おわり
続きはない予定ですが、異世界にいってみたい気もする。