15 崩御 その2
15 崩御 2
「国王陛下が、国王陛下が、亡くなられました!」
「ひどい落馬をなさって、茂みに落ち、枝が、御目に刺さって!」
「王妃様とギリアス大神官にお知らせを!」
「国王陛下、ご崩御!」
「鎮まれ!うろたえてはならぬ!」
『水の一位』来訪の知らせに、王妃ロザムンドは、二人の王子を両側において、椅子に座り直した。
(ギリアスのもくろみ通りじゃ。続いて竜王を倒し、ルオー王子を廃すれば事は終わる)
ロードリアス軍は『火の一位』将軍によって骨抜き。
信頼するラクロア軍を手引きして、城外に潜ませてある。
しかし、 国王崩御の報告と悔やみの言葉を受けた王妃は、続く『水の一位』の言葉に真っ青になった。
「何と・・・何と申した?」
文官の一位にある老人は平伏する。
「ロードリアスにおいて国王即位および立太子、廃太子の宣言をするには、竜王神殿の大神官の宣旨が必要でございます」
「だからギリアス殿に、ルオー王子廃嫡の宣旨を出させればよい」
「恐れながら、竜王様がお目覚めの間は、ギリアス殿は第二位の神官。
現在ロードリアスの最高位の竜王神官は『黄金のハート』ルオー王子でいらっしゃいます。
つまり」
水の一位はきっぱりと言った。
「ロードリアスの法によれば、ウィリアムルス六世陛下の死去と同時に、後継者ルオー王子は、ロードリアス新国王となられているのです
(おのれギリアス、たばかったな!)
王妃は潜ませたラクロア兵に命じた。
「『火の一位』たちと同時に動き出せ!
何を置いてもルオー王子を探し出し、抹殺するのだ!」
あの忌々しい、ひ弱な子供めが、わが息子達より先に王位に上がらせてなるものか!
「ルオー王子を探せ!探して息の根を止めよ!」
ロザムンド王妃の怒りを伝え聞いて、ギリアスはほくそ笑んでいた。
あさはかな女め。
これで、ラクロアに王太子暗殺の罪をかぶってもらおう。
そして、伝令の兵に命じた。
「神殿奥の林へ、ゲント一行を案内せよ」




