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竜王と黄金のハート  作者: 葉月秋子
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承前

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「昔々、この広い世界に存在していたのは、たった二頭の竜だけでした。

 その二頭から、たくさんの竜と、この世界の動物たちすべてが生まれたのです。

 動物たちは二頭の竜に見守られて世界中に散らばり、子を産み、栄えました。

 繁栄したこの世界に、ある日、一隻の船が流れ着きます。乗っていたのは家畜や家財を積み込んで戦乱から逃れて来た、異世界の人間たちでした。

 人間たちはこの世界で暮らし始めましたが、あまりに小さく、弱かったので、動物たちに殺されていき、今にも滅びそうになりました。

 人間たちは全ての生き物の王である、二頭の竜に訴えます。

「どうか、私たちをお守りください」

 哀れに思った王なる竜は、息子の竜を使わして、人間たちを守らせました。

 竜に守られて人間たちは栄え、竜は王女と結婚して多くの子供たちの父となり、このロードリアス王国の基礎を築き、守護神となることを約束して、百年の眠りにつきました。

 百年ごとに竜王は目覚められ、百年間このロードリアスを見守られて、また百年の眠りに入られるのです。

 ですからこの国では、代々王族が神官として竜王神殿を守り、百年ごとに目覚められる竜王様をお迎えするのです。

 今年は王国建国より、五百九十三年目。

 七年後には竜王祭が開かれ、竜王様が目覚められます。私たちは竜王様にお目にかかることが出来る、幸運な時に生きているのですよ。


 聞いておられましたか?ルオー王子。

 お答え下さい。今年は建国何年目ですか?

 ・・・・・・・・・。

 ではダルエス殿。

 そう、そのとおり。さすがは大神官の甥御様です。

 

 ああ、お昼の鐘ですね。では、続きは明日にいたしましょう」


「「「ありがとうございました。『水の三位』様」」」


「ルオー王子、王子はここで少しお待ちください。今、侍医のマレール殿がお薬を持ってまいります。

 全部お飲みにならないと、午後のお散歩は中止でございますよ」


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