第26章「今助けてあげる!」
「…おねえちゃん?おねえちゃん!?」
何処かから私を呼ぶ悲鳴に似た声が聞こえた。友恵の声だ。
「友恵!?友恵なの!?」
友恵の声だった。私は友恵の声の元を探す。
友恵はここに連れてこられていたんだ。さっちゃんにヒドい事されたはずだだ。この地獄から早く助けないと。
「おねえちゃん!助けてぇ!!」
「もう大丈夫よ!すぐに助けてあげる!」
友恵の叫び声は奧の部屋から聞こえてきた。出口を無視して、奥の部屋に向かう。
慎重に部屋に入る。
しかし友恵の叫び声に否応なく、私は昂ぶり、痛みも忘れる。
声は奧の物置部屋から聞こえてきた。立ち上がって走ろうとしてしたけれど、転ぶ。
友恵を励ましながら這いずってドアまでたどり着く。私はドアを開けようとして、鍵がかかっていることに気づく。
「友恵!友恵!すぐ出してあげるから待ってて!!」
鉄のドアは堅く手で開くことは出来なかった。苛立ちドアを叩く。
息を整えて冷静になって思い出す。
さっちゃんから奪った鍵の中に合う鍵があるはずだ。
半狂乱の友恵の声に急かされて私はまた冷静さを失っていく。手の震えを押さえて鍵を刺す。回った!
「友恵!!」
勢いよく私はドアを開けた。




