第24章「反撃成功!」
仰向けに倒れたさっちゃんの脇腹にナイフを刺す。
カエルの様な悲鳴。でも、反撃はしてこない。少しえぐる。けど、刺したナイフは抜かない。
さっちゃんの制服の襟からネクタイを取る。それでさっちゃんの右手を縛った。
さっちゃんの髪を鷲掴みにして、膝歩きで壁際まで引きずる。
痛みで暴れるさっちゃん。私はその切れた手を握りつぶす。悲鳴。
自分の手がさっちゃんの血にまみれていくのが不愉快だった。
壁際の配電パイプにネクタイを通して残りの左手を縛り上げる。やはり、さっちゃんは抵抗しない。
「さぁ。とどめを刺して…」
痛みと期待に満ちた目でゆがんだ表情のさっちゃんが私を見る。足の痛みを我慢して、壁に手をつきながら立ち上がって、さっちゃんを見下ろす。
「イヤよ。」
出来る限り冷たく言い放つつもりだったが、昂奮していてそれもうまくできなかった。
私はさっちゃんの制服の胸を開いて、さっちゃんがクビから下げていた鍵束を取る。
ここから出るための鍵。友恵を救い出す鍵。
「これさえあれば貴女に用はないわ。そこで苦しんでいるがいいわ。すぐに警察を呼んであげる。」
そう言ってさっちゃんを平手で叩いた。。だれが殺すものか。そんな甘ったれた解決法は許さない。さっちゃん一人だけ楽にしてたまるものか!
「その鍵は、違うの!出口の鍵は私が持ってるわ。だから、帰ってきて!!」
無視する。さっちゃんの悲鳴と嗚咽が私の心を満たす。
勝った…。私はさっちゃんに勝った。友恵を救い出したら、罪を償わせてやる。
「お願い、帰ってきて…。友達でしょ?その鍵は違うの。その鍵じゃ、友恵ちゃんは救えないの…。」
すがり付く様な泣き声。
「お願いだから信じて…お願い。」
さっちゃんは呪いの言葉の様に何度も繰り返した。滑稽だった。
だから私は出来る限り力強く言った。
「信じられないわ!」




