第23章『決意」
さっちゃんと私と友恵。
さっちゃんと私。
友恵と私。
さっちゃんと一緒にいた時間。
さっちゃんが言う「許されない事」とは何なのだろうか?私にはその自覚がないから、一体何のことか分からない。
分からないままに私がさっちゃんを許しても、さっちゃんは私を請い続けるだろう。それに、分かろうとしても、教えてはくれないだろう。
私は、さっちゃんが差し出したナイフの柄を握る。
ナイフ越しにさっちゃんが握りしめた力強さが伝わる。その力強さに私は彼女の意志の力強さを感じて昂ぶる。
私はさっちゃんをにらみ付ける。
さっちゃんは微笑む。
圧倒的な空気間の違いに一瞬たじろいで目をそらした。むき出しのコンクリートに配電パイプがあるだけの無機質な風景が私の心を落ち着かせる。
深呼吸をして覚悟を決める。
胸を少し押す。さっちゃんは一瞬のけぞってしまい、反射的にさらに強くナイフを握った。
その隙を逃さず、一気にナイフを引き上げた。
悲鳴を上げて、さっちゃんは切れた手をかばおうとした。
私はその額を押してさっちゃんを仰向けに倒す。
私は楽しかった頃を思い出す。
3人でいた時間はもう取り戻せない。
2人紡いできた友情は壊れてしまって元に戻る事はない。
でも…、友恵は取り戻せる。
モザイクなしの画像
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