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Elvish  作者: ざっか
第三章
89/117

人物紹介五


エレディア・レメント・クラフィス


かつては替えが無いほどの重要な食料生産地だったセルタの女領主。

輝くように明るい茶髪は肩を超える程度の長さで、瞳も同じく明るめの琥珀色。少女のような純朴さに娼婦の如き妖艶さを混ぜ合わせた極上の美人。体つきも性をこれ以上無いほど意識させるつくりになっている。

外見のみを採点するならば超がつくほどの高得点だが、内面は到底領主と呼べたものではない。魔力は十分にあるが持ちえた技術は固定化を除けば老大樹の調律のみ。精神的な脆さもあってか戦闘力は皆無と言って良い。腕力のみで殺せる相手であっても敵が強気ならば即降参する。同様に学も悲しいほどに乏しい。得意なのは夜の技くらいなもの。ただしこれは、そのように教育された結果である。

美しい顔、豊満な体、優れた性技、足りない頭、皆無の度胸と、全てが王に都合良く出来ている。ある意味誰よりも被害者なのはエレディア本人。

それでも単なるお飾りに過ぎない己の惨めさを理解はしており、故に只一つの誇りである魔力には過剰なこだわりを見せる。それがセルタを歪ませ、民からはますます恨まれる。悲しき連鎖を分かっていても辞められなかった。

追い詰められると何をやらかすのかは本編の通り。外見はともかく、基本的には子供である。





ウェール・ラグ・ララザルム


セルタの財務官。上がアレなので、事実上セルタの命を繋いでいるのは彼である。

短く刈り込んだ茶髪に精悍な顔つき、しかし体格はあくまで普通の中肉中背。見た目はすでに三十半ばで、固定化も徐々に弱まりつつある。

魔力はそれなり程度だが、豊富な実戦経験を持つ精兵である。

彼が何を思い、どう決断したのかを丹念に描写すると簡単に一章分埋まるほどなのだが、脇役にそれだけ注ぐわけには行かないので断念。そこを描けていればもう少し言葉に重みが出たのかもしれない。

民や無力な市民を思う気持ちは本物なれど、目的のために多数の血を流したのも事実。同時に私利私欲があったのも事実。そのあたりを加味すると善人には程遠いが、本人にも自覚はある。





ラクシャ・ラグ・ラザルス


ライール領、それもアンジェ本人が治める街を拠点としていた錬団の団長。出身は西方である。

やや長めの濃い茶髪に、大きな茶色の瞳。体つきは絞られたように細く、一見すれば女と見間違えてもおかしく無いほどの美形。肌はエルフとしては少々黒めである。

腕前はまさしく一流で、十分な魔力と高い技量、豊富な経験を併せ持った歴戦の兵。ただしエリスや黒爪樹のような、古老級の最上層には届かない。とはいえ本人は現状で十分すぎるほど満足している。

性格は温厚で人当たりもよく、身分や魔力の差も気にせず気さくに話しかける。それでいて優秀なのだから、部下からの信頼が極めて厚いのも当然といえば当然。なぜアンジェの元に居たのか、などは今後機会があれば。





エズバハ


ラクシャの部下筆頭。事実上の片腕ではあるが、現状ではただのちょい役なので、細かい記述は出番が増えたときに。





シンシア


第七騎士団の百人長にして、隊長達を除けばもっとも優れた戦力の一人。とはいえ上層との壁はあまりに厚く、遠い。

外見はエルフとしてみれば平凡。無論それは人間視点からすれば十分美しいとなるのだが。

腕は優秀で忠誠心も厚いのだが、実は屈折したものをかかえている。ちなみにエリスのことは嫌いである。理不尽だから。

こちらも細かい話は出番が増えたら。




カルラ


第七騎士団の一兵卒。魔力は第二市民相当だが小手先に長けるというタイプ。騎士団内においては十分強いほうであるが、広く見れば一流には程遠い。当然本人もそれを認識している。

こちらもエルフとしてみれば至って平凡な外見ではあるが、表情豊かで良く笑う。故に人気はそこそこにある。

出世欲その他が皆無なので、いきなりやってきて良い立場に座ってしまったルネッタに対しても極普通に接することが出来る。人間だということも毛ほども気にしてない。だからこその人選、ではあった。




ルース・ラッハ


黒爪樹団長にして、元古老の一角。エリスと真っ向から渡り合える、まさしく最上層の一人。

髪は明るい茶髪で、長さは首にかかるほど。体つきなどはラクシャを一回り頼もしくした程度で、やはり細身の範疇に入る。雰囲気などはいっそ優しげと言って良いほど。

エリスと互角の魔力量にガラム級の剣技を乗せた、脅威としか表しようの無い実力を持つ。ルナリアとその家族を除けば、東側で対等なのはエリスのみと言える。

戦のために古老の地位さえあっさり捨てるほどの筋金入りの戦闘狂ではあるが、市民を殺して回るような趣味は無い。あくまで戦いが欲しいだけである。とはいえ、部下のそれを熱心に止めるほどでは無いのだが。

率いる黒爪樹は僅か八人の集団でありながら、あっさりと戦の趨勢を決めうる脅威として国中に名を轟かせている。ある意味錬騎兵の利点を誰よりも生かしているのは彼らであろう。




エルカシャ


黒爪樹団員。役職として決められているわけではないが、事実上の副団長である。

中肉中背、顔立ちも普通とこれといって目立つ要素は無いが、それは魔力を感知できないものの視点である。当然ながら彼も一人で屋敷一つ制圧するほどの力は持っている。

濃すぎるメンバーをどうにか纏める苦労人的な立場。

彼に限らず、黒爪樹の面々は皆偽名である。




デューイ


黒爪樹団員。ガラムを思い起こさせる巨体を持つが、その魔力は十分すぎるほどに多い。ゆえに繰り出される一撃の威力は比べ物にならない。彼もまた最上層の一人である。

良くも悪くも狂人揃いの黒爪樹において、市民を巻き込むことに嫌悪さえ表す真っ当な武人。性格的に浮いてはいるものの、確かな実力を踏まえてか孤立するようなことはない。致命的に仲の悪い相手が一人居るだけである。





エラルディス


黒爪樹団員にして、最大の問題児。エリスから最後に残った少量の倫理観さえ消し飛ばしたような女である。血のように赤い長髪と、妖艶の極みのような大きな瞳、メリハリの利きすぎた体つきと、外見だけならば素晴らしく美しい。

他の団員の例に漏れず筋金入りの戦闘狂だが、彼女の場合は弱者への嬲りも大好物。どさくさ紛れに殺した数はもはや数えるのも馬鹿馬鹿しくなる。

その上実力はルースに迫るほどなので、エルカシャあたりは毎回胃が傷む思いをしている。デューイとはまさに犬猿の仲であるが、常にエラルディスのほうが一回り強いという現実が待っている。

なお、彼女が狂犬染みて暴れまわるのはあくまで戦闘中だけで、平時はそれはそれは穏やかなものである。そこが余計に扱いを面倒にさせている。そのうち描ければ是非。

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