人物紹介二
その二です。ネタバレにご注意ください。
セラヴィア・レム・ベリメルス
偉大すぎる家族を持つ十六歳の少女エルフ。
髪の色は姉と同じく輝くような金であり、長さも同等。瞳も同じエメラルドグリーン。顔立ちは姉と似ているが、全体的に柔らかく目も丸い。美少女、という言葉で表すのならばこれ以上は無いという極上の逸材。ただし、本人はそれをあまり快く受け入れてはいない。
体つきは、僅かに背が低いことを除けば十六の若さにして既に姉に匹敵する。外見面で競うのであれば現時点でも容易に国内頂点を狙えるほどである。それが余計に本人の負い目となってはいるのだが。
魔力量は至って平凡。一般市民として見ればそれなりだが、最強の血に連なるものとしては絶望的に少ないと言える。工夫は得意ではあるものの、図抜けた天才には程遠い。戦力として語るならば総じて凡庸なエルフである。
性格は明るく優しくとても素直。他家であれば失敗作と切り捨てられかねない立場でありながら、こうも曲がらずに育ってくれたのは優しい母と姉のおかげだと、少なくとも周囲は考えている。根は本人でなければ分からない。
ノエル
ラムリア家に同居する銀の髪を持つエルフの少女。立場的には使用人という形になっているが、扱いは家族同然である。こちらも瞳は緑色で、髪は肩を超える程度には長い。顔立ちは相当な美しさであり、同時に似ているとも言われている。
体つきは全体的に細く、胸もあまり無い。背丈だけはセラヴィアと同程度である。
その髪がどうしても不穏なものを連想させるので、まともな友は居ない。常に身近で接してくれるのはセラヴィアのみであるため、彼女には病的なほどに懐いている。二人がぺたりとくっつく絵を見て誰よりも喜ぶのはエリスである。
剣の腕はそこそこ程度でありながら、魔力のゴリ押しにより一流と言って良いほどの剣力を誇る。ただしそれは、単純に魔力量が多いというものでは無いらしい。
あらゆる意味でわけありの少女。
ラムリア・レム・ベリメルス
ルナリア、セラヴィアの母でありメーデの領主。古老中最強たるベリメルス出身にして、史上最高とまで呼ばれた天才。つい最近までは一切異論の出ない最強のエルフだった。現在はその称号を娘に譲っている。
出番はそのうちに。
イヴァレ・ラグ・タイタヌス
既に崩壊した元第五騎士団の百人長。今回の逆恨み担当。
腕は十分で頭も回る。ただ運だけが悪かった。心底の絶望とはやはり全てを歪めるものであり、同情の余地は十分ある。何もかも後の祭りなのだが。