表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
専業主婦!  作者: せりもも
第1章 PTAモンスター、爆誕!
1/45

毎日腹の立つことばかり

 朝、家を出るなり、煙草の吸殻が捨てられているのを発見した。毎朝、同じ銘柄のが落ちている。


 ゴミ捨ての時、にっこり笑って挨拶してやったのに、隣家の主は、無愛想に顎をしゃくっただけだった。せっかく作ったニコヤカな笑顔が、急にまぬけに感じられた。



 自転車で買い物に行ったら、若い女が、追い抜きざま、チッ、と舌打ちしていった。


 安売りスーパーの狭い通路で、ふと振り返ったら、後ろにいた小さな女が、邪魔だとばかり睨んでいた。



 あーあ。毎日、腹の立つことばかり。


 そう言ったら、ストレスがたまってるんでしょ。外に出てけば? と真紀子に言われた。


 ふん。

 私は専業主婦だ。


 専業主婦だとカミングアウトすると、決まってイタケダカに攻撃してくる奴がいる。真紀子のような、働く女だけではない。働き盛りの男も、ヒステリックにストレスをぶつけてくる。


 家事をする専業主婦を馬鹿にする人というのは、家事そのものも、程度の低い仕事とみなしているのだろう。

 ご立派な自分がやるには、あまりにも、ヒマでつまらぬ仕事だと。


 従って、そういうヤカラの家は、きっと荒れていることと思う。ゴミ屋敷や汚部屋、今は、ちゃんとしたネーミングまである。


 私に言わせれば、自分の身の回りのこともろくすっぽできない人間は、基本のところでなっていない。


 その人間性は、到底、信用できるものではない。


 そのくせ、仕事、仕事と、そればかり言う。結局、大切なのは、ご大層な「自分の仕事」だけなのだ。



 だが、毎朝、目をこすりこすり、汚れた巣から這い出てくるやつに、いったい、どれほど立派な仕事ができるというのか。


 基本の生活がなっていない奴の仕事は、いつか国を滅ぼす。



 はいはい、ごめんなさい。私は、働く皆さんに寄生する、専業主婦でした。

 家事しかできない、つまらない女です。

 ……。



 最後にこう言っておかないと、怖いからね。










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=950015945&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ