第6話 素数当て
海活了とラオは素数当てを始めた。
素数当てとは、海王国に伝わる伝統的な遊びである。
4×4なら16、7×7なら49個の数字を使う。
素数当てに使われる数字は全て奇数であり、その中には素数と素数を掛け合わせた数字があり、素数だけを当てた数が多い者が勝者となる。
対戦形式は一対一、三人、十人など、様々な形があり、地方によっては勝敗のルールも変わる。
1000の数字の中から二人が悩み抜いて数字を選んだ結果───この勝負の勝者は海活了となった。
「どうしてですか!?」
ラオは叫ぶ。
おかしい。こんなはずではない。算術の授業で習った知識を生かせば俺が勝利者となるはずだ。
一体なぜだ。何故俺が負けたんだ。
「海活了さん。私はとても悔しいです。算術には自信があるんです。でも私は貴方に負けてしまった。
どうして貴方はこの素数当てに勝利できたんですか?」
「素数当てを上手く攻略するコツは、3の倍数の特徴や7の奇数の倍数の特徴や、素数同士を掛け合わせた数字の特徴を覚える等、様々な方法がありますが、現在判明している素数の数を全て覚えるのが一番早いですね。」
ラオは絶句した。
「では、この素数当ての正解を教えていただけませんか?」
「良いですよ。」




