1/6
第1話 新しい世界
「もう疲れた…面接にどうしても合格できない。」
李秀明は面接が終わって帰宅し、ベッドの上に寝そべりながらそう言った。
大学に在籍している時も卒業した後も勤め先が決まらなかった。お父様とお母様は私を毎日励ましてくれたが、お亡くなりになられた。貯金も残り少なくて、それが無くなってしまったらもう、これから先どうやって生きていったら良いのだろう?
ベッドの上に寝そべり、虚ろな目で天井を見つめる。将来への不安で体が動かない。このままでは...
「お困りでしょうか?」
「?あなたは誰ですか?」
天の使いの声が聞こえた方向に振り向くと、そこには桃色の衣・黄色い帯・鼈甲の髪飾りを身に纏った天の使いが立っていた。
「私は天の使いです。
天帝様から乱れた世を正し学を広めを守るために多くの人々を集めよという命を賜りました。」
「天帝様の命?」
「その通りでございます。」
「なぜ私みたいな人間が」
「あなたにしかできないのです」
天の使いは李秀明に笹の葉を手渡した瞬間、部屋の中は眩い光に包まれた。




