表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/31

29わ……Zzz…。

――ピピッ、ピピッ。


「……うるさい。」


半分夢の中のまま、布団から手だけをにょきっと伸ばす。


ない……ない……。


――コツン。


何かに当たった感触に、反射的にそれを掴み、そのまま布団の中へ引きずり込む。


薄く目を開いて、アラームを止めると、土曜日。朝6時。


……誰?こんな時間にアラームかけたの。


眠いし……いいや。どうせ、秋音ちゃんのいたずらとかでしょ……。


――そのとき。


部屋の扉が、勢いよく開く。


「マイドーラ〜♪おはよう〜♪今日の天使は誰かしら〜?」

「ママにお顔、見せてちょうだい〜♪」


次の瞬間、毛布が引っ張られた。

私は必死に掴んで抵抗する。頑張れ、私……!


「ふふ……亀さんみたいで可愛い〜」

「ママも仲間に入れてちょうだい」


そう言いながら、今度は布団の中にまで入り込もうとしてくる。


「分かった!分かったから……!」


観念して身体を起こし、眠たい目をこすりながら問いかけた。


「朝早くに、どうしたの……?どこか出かけるとか……?」


「まあ!今日は冬乃ちゃんなのね!今日も可愛いわ〜」

「マイスイート……たべちゃいたいわ。ほっぺはムニムニで髪はふわふわ。絶対に美味しいわね~。」


マイスイート……。今さらだけど、高校生になった娘に向ける呼び名じゃないと思う。


それに、スキンシップも激しいし……。


でも、「やめて」なんて言ったら、お母さん凄い悲しむからいえない。


……皆は、どう思ってるんだろう?


「はい、冬ちゃん! ママにもお返しして!」


両手を広げ、目を閉じて、嬉しそうな顔で待ち構える母親。


お返しって……。さっき私がされた、あれのこと?


ハグとか、おでこへのキスとか、頭を撫でられたり、ほっぺを触られたり……。


「……絶対に、しない」

「それより、今日何かあるの?わざわざ起こしに来るなんて」


私たちは起きる時間が違うからよほどの用事でもない限り、こうして起こしに来ることはないのに。


「今日は文化祭よ?」

「今日の晴れ舞台のために、パパがビデオカメラを買ったの」

「誰を撮るつもりなのかしら〜?」


「きゃ〜、やだ〜」そう言いながら、お母さんは本気で嬉しそうに身体をくねらせる。


「……ぶん、かさい……?」


ぶんかさい?文化祭。

……そんなもの、あったっけ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ