水魔法を習得したぞ!
翌日、朝に菊池さんに稲穂付きの新米を20トン渡したあとは、レンタカーを再度借りる。
2週間、ジープをレンタルしたあとは、車で自宅近くの中古アウトドア店へ向かう。
購入するものは、釣りセットとアウトドア一式。
そのあとは、ホームセンターへと行き、手動の砂や土のふるい器セットと、角スコップを購入し、自宅へと戻った。
思ったよりも時間が掛かったが、木戸さんが来る前に全てアイテムボックスに入れることに成功した。
養老渓谷ダンジョンまで木戸さんに連れて行ってもらった後は、農作物などを納品した上で、
「――え? 今日も、用事があるのですか?」
「はい。少し野暮用で」
「そ、そうですか……」
木戸さんには申し訳ないが、これからのことを考えると10階層までのダンジョンを隅々まで調べておきたい。
木戸さんと別れたあとは、ダンジョン内で車を出して海まで移動する。
以前と違って道は分かっていたので、2時間ほどで防波堤に到着したあと、車をアイテムボックスに入れて波打ち際まで移動する。
そしてアイテムボックスから角スコップと、手動のふるい器を取り出す、
手動のふるい器を設置したあとは、スコップで潮で濡れた砂浜を海水ごと砂ごと掘り出す。
ふるい器に、そのまま載せたあとは、手動でふるい器を前後に動かすと、ふるい器の隙間から海水と砂と土が網の目により粉砕され細かくなって落ちる。
あとに残ったのはアサリ、ホンビノス貝、ハマグリ。
しかも大量に。
軽く作業を行っただけで10個以上は取れている。
鑑定して、鉈で倒した事がない貝だけ討伐していく。
その度にレベルが上がり、スキルを取得し、ステータスが上がっていく。
3時間ほど、波打ち際を掘り起こして手に入れた貝は、10種類を超えており、すでに1トン近く採取できていた。
そして、俺のステータスは――、
【名前】佐藤和也
【レベル】58
【HP】A
【MP】B
【STR】B
【DEX】B
【CON】A
【WIS】S
【INT】B
スキル
【鑑定Ⅺ】【アイテムボックスⅫ】【経験値上昇Ⅸ】【ステータス補正Ⅹ】【魔法防御力Ⅸ】【体力補正Ⅸ】【魔力補正Ⅸ】【回復補正Ⅻ】【視力補正Ⅷ】【攻撃力補正Ⅸ】【魔法攻撃力補正Ⅸ】
アイテムボックスのレベルが3ほど上がった。
それと鑑定スキルやステータスも上昇。
【アイテムボックスⅫ】
400000キロまで収納することが出来る。
つまり、400トンまで収納する事が出来るようになったわけだ。
それにしても、まったく魔法を覚えないな。
俺は、何時間も肉体労働をして疲れた体を癒すためにキュウリを食べながら考える。
魔法はどうやって覚えるのか? と。
冒険者掲示板によると、ダンジョン攻略組は、殆どが魔法を覚えているらしい。
ただし、魔法はダンジョンの外に出ると使えなくなるので、鑑定とアイテムボックスは例外扱いになっている。
まだまだ考察の余地はあるってことか。
俺は砂浜で手に入れたハマグリを焼きながら醤油とバターで味付けしてから口にした。
――【魔物を討伐し食べた】ため、【水魔法】を取得しました。
どうやら水魔法を覚えたらしい。




