表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神々のダンジョン~チートスキル【アイテムボックス】と【鑑定】でアラフォーおっさんは成り上がる~  作者: 葵はるか
ダンジョン誕生編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/173

正論でスキルのことは力尽くで有耶無耶にしたぞ!

「それで、今、聞いた内容で、どこが娘さんと感性が合うと判断した点でしょうか?」


 俺は、努めて冷静に他人行儀に、営業の時に使ったセールスマンのように笑みを顔に張り付かせて問いかけることにした。


「……そっちが素なのかい?」

「いえいえ。あくまでも今まではビジネスパートナーと言う形で応対してきましたので、それように表情と態度を取り繕っただけです。どんな時であってもパートナーに対する、それ相応の対応は必要でしょう?」


 思考しながら、相手から得られる情報を精査しながら言葉を選びながら口にする。


「だから、若返りの付与の食べ物を任意で一人で大量に収穫することが可能なら――」

「若返るから、娘さんとの年齢差は埋まる――、そうお考えですか?」

 

 俺は肩を竦める。

 それは大きな勘違いだ。


「正直に言いましょう。娘さんと自分では、二回り、生きてきた時間が違います。それは、昭和に生まれた者の価値観と平成に生まれた者との価値観くらい違います。それは若返っても同じことです。どんなに年齢が――、見た目が若くなっても、そこには人生経験という大きな溝があります。ですので、価値観が同じという言葉は使わないでください。それは幻想に他ならないので」

「……わかったわ」

「分かってくだされば自分からは、これ以上は何もいいません。それと本人の意志の承諾が取れていない状態でのお見合いは止めてください」


 俺は、母親に向けても対外的な言葉遣いをする。

 それは、俺の意志が介在できない部分で勝手なことをするな! と、言う言葉に他ならない。


「では、俺は、これから仕事がありますので失礼します」

「――え? ちょっと」


 菊池さんが慌てた様子で、俺に背後から話しかけてきたので、稲穂付きの米の取引は継続する旨は伝えて実家を出た。


「はぁー」


 すっげー気まずいな。

 でも、これで菊池涼音さんも、俺みたいな45歳のおっさんとお見合いをしなくていいのだから、お互いにWIN-WINだろう。

 まぁ、若い子に言い寄られるというのは、正直、自分の子供(俺は結婚してないし子供もいない)を見ているような気分になるので、何とも言えない気持ちになるが。

 俺はタクシーを呼んでアパートへと戻った。

 夕方になり、スマートフォンが鳴ったので、外に出れば木戸さんが迎えにきていた。


「ええ!? お見合いさせられそうになったんですか!? それって、おとといの女性ですか?」

「はい。ただ年齢差が離れすぎているため、価値観も違いますから断りましたが」

「そ、そそそ、そうですか……。あれ? なんか昨日話していた内容とか噛み合わないような気が――」

「どうかしましたか?」

「い、いえ! なんでもありません! とりあえず車に乗ってください。道すがら佐藤さんには聞きたいことがありますので」

「そうですか?」


 何を聞きたいのか……、あー、税理士の件か?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
後手木戸、さてさてどうなるやら22と25だったか?(*´ω`*)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ