マスコミ、氷河期世代に宣戦布告!
ラジオ館や、裏路地のパソコンパーツ店とミツハと見ていく。
そして、そんな場所ではミツハはとっても目立つ。
「旦那様、これは何なのでしょうか?」
「それはパソコンケースだな」
「パソコンケース……? 知らない言葉ですね」
アパートが全焼し自作パソコンが死亡したので、パーツを購入していく。
パーツ関係はA〇Dで組むことにする。
IN〇ELだと、10世代以降のCPUは、基盤設計に致命的な問題を抱えていて基盤が反ってパソコンが起動しなくなるという致命的な設計ミスもあるし、電気回路の設計ミス、高電圧負荷至上主義で、CPUが死ぬことがあるからだ。
さらに、致命的な欠陥を抱えているのに、企業はリコールをしないという。
アメリカ人の悪いところが出まくっている態度は世界中からブーイングを受けているのは、周知の事実だったりする。
そして、安定して動作しないパソコンなんてパソコンではない。
それが俺の持論だ。
グラフックボードにおいても、コネクタが溶解するような大容量な電気を使うグラボなんて、いつ火事が起きるか分かったものではない。
それなら安定動作のA〇D系列でマザーボードと合わせてしまった方がいい。
「やっぱりパソコンパーツは、選んでいる時と購入しているときが一番テンション上がるよな」
何せ、今の俺は資産が160億を超えているので、最高のパーツでパソコンが組めるというデスクトップPCを自作する人間なら誰しもが夢見る立ち位置にいるからな。
「なるほど……。男性は、パソコンパーツが大好きと」
「違うからな! こういう趣味もあるってことだからな!」
とりあえずミツハにツッコミを入れておいた。
そのあとは、近くのホテルバイキングで食事を摂ったあと、気がつけば夕方になっていた。
流石に夕方になると、視界も見づらくなるのでミツハをジロジロと見る視線は激減したと思う。
車に乗り首都高から京葉道路へと切り替えたところで、
「ミツハ、何だかすまないな」
「――え?」
「いや、俺の買い物だけで一日が終わっただろ?」
「旦那様の好きが分かりましたので、十分です。それに、この時代にどういう物があるのかを知れたのは大変に勉強になりました」
「そうか。ミツハは何かしたい事とかあるか?」
「そうですね……。基本的に妾達、神々は時間を持て余していますから気が向いたら何でもする感じです」
「なるほど……」
そこは、寿命の違いから考え方に人間と剥離があるんだな。
「そういえば、すっぽん料理とかどうだ? お腹空いただろ?」
「はい」
ミツハと一緒に千葉市のすっぽん料理専門店で食事をしたあと、自宅への帰路についた。
――翌朝。
「旦那様!」
何度かミツハに肩を揺すられたことで俺は目を覚ます。
「んー、……ミツハ?」
「はい、ミツハです。旦那様、弟さんが急ぎで話があるとのことです」
「浩二が?」
時計を確認すると壁時計は、お昼を少し過ぎていた。
「長時間の運転で疲れていたのか……」
「はい。旦那様は、お疲れのようでしたので、起こしませんでした」
「そ、そうか。気を使わせて悪いな」
「妻としては旦那様の容態を管理するのも当然のことです」
「お、おう……」
ミツハと会話後、何か問題が起きたのか? と、思い1階のリビングへと。
「浩二、どうかしたのか?」
すでにリビングでテレビを見ていた浩二に話しかける。
「兄貴、やられたぞ」
「――ん? 何かあったのか?」
「これ」
浩二が差し出してきた新聞。
それは夕日新聞が発行している新聞で、新聞の見出し部分に「身勝手な氷河期世代の冒険者! 自分さえ良ければいいと考えている!」と、タイトルが書かれていた。
「しかも、兄貴」
「まだ、何かあるのか?」
「西日本テレビが、冒険者の闇とか放送していたぞ」
「なるほどな……」
映し出された映像には、俺と笹口支店長の会話内容が一方的に俺が悪いように編集されて、放送されていた。
「まったく――、何を考えているのか」
こんな放送をされても俺は一切、譲歩するつもりはないというのに。




