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神々のダンジョン~チートスキル【アイテムボックス】と【鑑定】でアラフォーおっさんは成り上がる~  作者: 葵はるか
ダンジョン黎明編

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誰も消防車を呼んでいなかったのである! アパートが全焼していた件

 木戸商事株式会社の食堂でミツハと合流した後は、実家に戻る。

 理由は、弟の浩二に状況を確認することだ。


「よう! 兄貴! そっちは、終わったのか?」


 上の方から声がしたかと思うと実家の屋根に乗っていた浩二と目が合った。


「お前、落ちるなよ? 危ないから」

「ステータスが、かなり強化されているから、大丈夫だ」

「そうか。それよりも、こっちのほうも終わっているようだな」

「ああ、死体は地面に吸い込まれていったけど血痕が残ったから水魔法で洗い流ししておいたから」

「なるほど……」


 なら、実家近くの問題はないか。

 それにしても死体が地面に吸い込まれていったということは、以前に神様がダンジョンのうんたらとか言っていたから何かに使うのだろう。

 詳しくは考えない事にする。


「まぁ何はともあれ無事で何よりだ。それよりも浩二」

「何だ?」

「おふくろと親父と菊池母娘は?」

「満足して休憩中」

「そうか……」


 まぁ、色々な珍品を購入したからな。俺も、暗殺者と戦わなければ食べたいくらいだ。

 とにかく両親と菊池母娘が無事で安心だ。


「それで兄貴は、これからどうするんだ?」

「今日は、もう色々あって疲れたから自宅に戻る」

「自宅ってアパート?」

「そうだな。ついでにアパートに行って荷物をアイテムボックスに入れて持ち運びしないとな。丁度、モデルハウスを購入したし」

「そうなのか? 工事中の家の方はどうするんだ?」

「そのまま工事は進めるぞ」

「そっか。それじゃ、俺も今日は疲れたから寝るわ。また何かアイデアが出たらダンジョンに一緒に行こうぜ、兄貴」

「そうだな」


 適当に相槌を打ったあと、乗用車に戻る。

 しばらくしてミツハが戻ってきて助手席に座る。


「どこに行っていたんだ?」

「妾の配置した分体を回収しておった」

「そっか」

「それで、養老に戻るの?」

「いや、一度、アパートに戻って荷物を回収してきようと思う。アパートは一人契約だが、俺の荷物とか置いてあるからな」

「そうなの? すごく気になる」

「何も気になるようなことはないと思うぞ」


 俺は、エンジンをかけたあとアクセルを踏み込む。

 ゆっくりと車は走り出して静かな住宅街を走る。

 それから、深夜帯と言う事もあり10分ほどで俺が住むアパート前に到着したが――、俺は立ち尽くしていた。

 理由は、アパートが灰となっていたからだ。


「お、俺の……、俺の……ゲーミングパソコンが……。あと服とかいろいろと――」


 まだ救急車と消防車、警察車両が止まっていることから、アパートが燃えたのは少し前だったのだろう。


「うわあああああ。私の衣服が――」

「どうしてだ! 俺の貯金通帳が!」

「明日、彼女を連れてくる予定だったのに! うああああああああああ」


 俺が住んでいたアパートに住んでいた人たちが、途方に暮れたまま絶叫している。

 そして俺もお宝データーがゲーミングパソコンごとアパートが燃えたことに――、


「旦那様!」


 ミツハが俺の肩を揺さぶるのを感じる。

 何度目かの「旦那様」と言う言葉にハッ! として、絶望した。

 俺が一生懸命パーツを選んで組んだゲーミングパソコンが死亡した。

 そのことを自覚して――、


「お墓が必要か……」


 そんなアホなことを考えたところで、肩を叩かれる。


「佐藤さん」

「はい?」


 そこには大家のおばさんが立っていた。


「大家さん……。アパートが……」

「ええ。全焼してしまったわ。本当に困ったわ。消防車がまったく来なかったの」

「まさか――」


 そこで俺は降魔真理教がと理解する。

 まさか消防車出動まで妨害してくるとは。


「誰も呼んでいなかったの。野次馬はたくさんいたけど、誰も消防に連絡をしていなかったの」


 あ――、そりゃ来ねーわ。

 

「そうだったんですか……。でもアパートが燃えて困りましたね」

「そうね。ちなみに消防士の方が出火原因を調べてくれていたんだけど、まだ確定ではないけれど、佐藤さんの部屋の可能性が高いって」

「――え?」

「まだ確定的ではないのよ? でも、そういう可能性が高いってだけだから」

「……」

「そ、そうですか……」

「でも安心して! このアパートに入居している人は皆、火災保険入っているから」

「あ、はい……」


 まぁ、俺のお宝データーとかは保証されないから、もうアレなんだけどな。


「今日は、泊まる場所とかある? 佐藤さん」

「はい。養老渓谷の方で家を建てているので」

「そう。良かったわ! それなら安心ね」


 本当によかった。

 モデルルームであっても一軒家を購入しておいて。

 本当に、今日は色々とあったな。


「旦那様、どうしましょうか?」

「ああ、安心してくれ。アパートは全焼してしまったが、俺達には家があるからな。今日は、少し戻るまで遅くなるが養老渓谷まで戻って安心安全な自宅(仮)で休むとしよう」

「はい!」


 まさかアパートを燃やしてくるとは思わなかった。

 だが、俺の家はもう一軒ある。

 しかもモデルルームで新築に近い。

 いずれ引っ越しを考えていたが、それが少し早まっただけだ。

 とりあえず養老渓谷ダンジョン近くの自宅に戻って休むとしよう。




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― 新着の感想 ―
ま、まあ火災が起きた時アパートにはいなかったから出火元が主人公のとこでも今の科学力なら放火か自然発火かどうかわかるし…(震え声
ミッションがスタートした118話を読み返したらアパートが対象外になっていてダメだった 神々から見たら別に燃えてもいい扱いだったんかい…
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