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激臭の女勇者ランナ  作者: 阿国豊山
あたしがにおいの力を手にするまで
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れ・き・し。

 アオモン大陸北方に位置する闇の大地シウバ――南方のガルナンの大地と地続きになっている穢れた世界であり、邪神ミルンという暗黒の女神が統治している。

 彼女は大昔から眷属達を率いては、きまぐれにガルナンの大地へ攻め込んでいた。

 人間達が聖霊以上の神として崇めてきた大聖霊が先立ちガルナンの大地を守ってきたものの、自然の理を超えたミルンの恐るべき力によって、次々と石板へ姿を変えられ封印されてしまった。

 国を興して各々でミルン、眷属らと戦っていた人間達は、大聖霊を全て失ったことでいよいよ人類の危機に気づきがあり、共通の敵を倒すため団結して同盟を結んだのだ。

 

 そして、いくつかの衝突を経てから歴史上最後の戦争が始まった。

 連合軍の先頭に立ったのは戦闘力、英雄性において傑出した、ある冒険者達だった。

 長きにわたる戦いにより傷が蓄積、弱体化していたミルンへ更に深手を負わせることへ成功し、数多の犠牲を出した戦争は結果として痛み分けに終わった。

 しかし、つかの間の平和はやはり長く続かない。      

 敵方の予期せぬ策略により、ガルナンの大地は内から侵入を許すこととなる。

 

 飛行能力を持つ眷属、羽黒虫の群れが突如として空に出現し、ガルナン各地に残る古代の塔や迷宮等へ、邪鏡というシウバと繋がる転移装置を設置していったのだ。最悪の事態――ミルンが送り出す眷属達が跳梁跋扈する数多の危険地帯が、ガルナンの大地へ出現してしまったのである。

 厄介なことに邪鏡は設置された箇所や付近の土地ごと覆い尽くす結界を生み出しており、尚且つ眷属以外の人間は十代の若年層&少人数しか入れないという面倒な特性を持っていた。人海戦術による邪鏡破壊という対抗策はとれないのだ。

 

 各国家の権力者らは苦心の末、病魔のように蝕む由々しき事態への打開案を打ち出す。

 若者志望者へ剣技や武術、魔法を本格的に教育した後、ガルナン中を巡って邪鏡を破壊する旅へ送り出すと。

 こうして各国協力の元にガルナンの大地主要国の王都へ、かつて国を跨いで人々を率いた勇気ある英雄らのように、未曾有の危機から皆を救う者達――勇者を生み出す教育機関、勇者学園が創立されたのだ。

 彼ら彼女らを指導する教員に選ばれたのは、大聖霊の如き強さを持ち、人々を先導したかつての英雄達。

 そして、厳しい授業と試験を経て各地域で一期生達が卒業した。勇者となった若者らは少数パーティを組み、邪鏡を破壊する旅を始めたのだった。

 しかし事態は、簡単には好転しなかったのである。

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