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「課長、北東セクターに違和感があります」


落石巧の声は、思いがけない静けさで管制室に響いた。それまで彼の意識を占めていたのは、モニター右上に映る不規則なノイズだった。たった数ピクセルの異常は、通常であれば大気の乱れとして処理される類のもの。しかし、その動きには微かな、しかし確かな規則性があった。


「パターンマッチング、開始します」


キーボードを叩く指先の感触を確かめるように、落石は意識を目の前のデータに集中させる。画面上には解析ソフトウェアが自動的にデータベースとの照合を開始した。戦術的な航空機の既知のシグネチャと比較し、あり得る可能性を次々に排除していく。


結果は「不一致」。


既知の航空機パターンには当てはまらない何かが、北海道上空の日本の領空に接近しつつあった。それは、レーダーの死角を縫うように、微細な軌道修正を繰り返していた。


スクリーン上の不規則なノイズは、突如として明確な形を持ち始めた。それは単一の物体ではなかった。目視では到底捉えられない高度で、複数の物体が編隊を組んでいた。

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