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Side 麻衣 ending

前々回のあらすじ

2022年8月23日

心では気付いていたのかも知れない。

亜衣は記憶を取り戻す。

そして、小説に込められた想いに気付く。

 私にはキョウダイがいる。

 名前は「瑠衣(るい)」。

 小さい頃から私は可愛がられ守られてきた。

 瑠衣は誇らしい存在だった。

 違う!過去形ではない・・・今も誇りだ。

 今は少し休憩しているのだ。


 瑠衣は昔からよく色々と考える人だった。

 そして大抵の事は、人より上手くやって見せた。

 男勝りな私が喧嘩をした時、助けてくれるのいつも瑠衣だった。

 今思えば私が私らしくあれたのは、瑠衣のお陰だったのだろう。

 瑠衣は私の最高の理解者だった。


・・・


「昨日、同級生の子に告白されたんだ♪ドヤァ」


 私は瑠衣にドヤ顔で自慢する。

 瑠衣は驚いた様な何とも言えない表情をする。


「へぇ、そうなんだ。いい奴なのか?」


 少し心配そうに言う。瑠衣は少し心配性だ。


「実は相手は女の子なんだけどね♪」


 私は笑いながら言う。


「そうなのか。でも真剣に告白してくれたんだよな?」


 ん?思っていた反応と違うな。

 瑠衣は至って真剣だった。


「そうね・・・。とても真剣だったね」


「何て答えたんだ?」


「返事はいつでも良いって言われたから保留にしちゃった。

 前から仲のいい子だったし今のままでいいかなぁぐらいに思ってた・・・」


 そう。私はあまり真剣に考えれていなかった。

 同性だし私は友達の延長上でしか考えていない。

 彼女はどうなんだろう?ちなみにこれは私の小学生の頃のお話だ。


「相手の気持ちをもう少し、しっかり聞いてあげた方がいいかもな」


 瑠衣はこんな時、とても適切なアドバイスをくれる。

 この時、瑠衣は中校生だったが他の人より少し大人びて見えた。


 今にして思う。


 優しい人とは相手を理解しようとし、

そして相手の想いを想像を出来る人なのではないだろうか?


 もし自己犠牲を優しさとするならば、それはとても悲しい世界だ。


 私は前者こそが優しさであって欲しいと思った。

 そしてそうであれば瑠衣は誰よりも優しい人なのだろうと思った。


 結局その子の想いは憧れによるもので恋愛感情ではなかった。

 ちゃんと話が出来たのでその子とはその後も仲良く出来た。


 他にも色々な思い出がある。

 辛い時や悲しい時いつも支えてくれたのは瑠衣だった。


 神社の景色を教えてくれたのも瑠衣だった。


 あの時は夕陽では無かったけれど、

夏の高い空、強い日差しで光る海、

何処までも行けそうな錯覚すら覚える爽快な眺め。


 いつもの街を違った視点で眺め、その向こうに輝く海は

私を新しい気持ちにしてくれた。


 あの景色は私の宝物の一つだった。


・・・


 月日は流れ、親の離婚の話が出る頃、

瑠衣は心を閉ざしてしまった。


 しかし、そんな瑠衣を他所に両親の仲も限界だった。

 離婚の話は進み私は母に、そして瑠衣は父の親権となった。

 

 新しい家族。芽衣と亜衣はとてもいい子達だった。

 特に、亜衣には運命的な出来事があった。


 瑠衣とは、その後も連絡を取り合っていた。

 瑠衣は私にだけはちゃんと連絡を返してくれていた。

 でも直接会う事は難しくなっていた。


 何とかしたかった。何かを返したかった。


 そして、小説投稿サイトに出会った。


 瑠衣にも精一杯の感謝を込めて、今の私の想いを描こう!

 今の私の考えはきっと瑠衣に貰ったものだ。

 これを全力で届けるのだ♪

 瑠衣は本が好きだった。よく小説を読んでいた。

 私の拙い文書力で想いは届くだろうか?

 いや。届くだけの想いを綴るのだ!


 書き始めてすぐの頃、私は亜衣に小説を書いている事をバラした。

 そして助言を貰える様になった。


 亜衣は悩みを抱えていた。

 私は亜衣への想いも込めて小説を書いた。


 芽衣は本当にしっかりものだ。

 でも彼女は彼女で、様々な想いを抱え込んでいるのだろう。

 それを自分中に収めていていた。強い子だ。

 この子にも何かが届けばいいな♪


 私は瑠衣の存在を二人に話していた。

 いつか、二人が瑠衣と仲良くなればいいな♪


・・・


 そんな時、あの災害は起きた。

 降りしきる雨、そして土砂で埋め尽くされた景色。


 私は死を覚悟した。


 でも絶対に諦めない。


 私は大丈夫。でも念のために残せるものを残す準備をする。


 芽衣にメッセージを送る。


 そして亜衣に小説のセリフで生きる意志を伝える。


 スマホを預ける。


 笑顔で見送る。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・

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