娘が婚約破棄されまして
「ルシアン、君との婚約を白紙に戻させてもらう」
目の前で娘が婚約を解消される光景を見て、マリアローズは息をひそめ、口元に手を添えながら小首を傾げた。
(どうして、こんなことになっているのでしょう)
この国の第二王子であるクロムウィルの婚約者であるルシアンは鮮やかなパステルグリーンのドレスに身を包み、王宮への呼び出しに応じたが、彼女を待っていたのは思いもしない言葉だった。
揺れ動くルシアンの瞳が、信じられない、と訴えてかけてくる。
クロムウィルは冷ややかな態度を崩すことなく、ルシアンからそっと離れた。
ルシアンは母以外には見せたことのない鋭く獰猛な目でマリアローズを睨み、口を動かす。
お前か、とーー。
「やめろ、ルシアン。お母上は関係ない。これは私とあなたの問題だ」
「理由を聞かせてください! わたくしはクロムウィル様を裏切るような行為は何もしていません!」
懇願するルシアンの言葉はクロムウィルには少しも響かなかった。
「ルシアン。あなたは私の兄とも関係を持っているね」
「そ、そんなわけありません! わたくしはクロムウィル様だけを愛しています!」
クロムウィルは懐から取り出した文を広げ、声高らかに読み上げる。
次々と出てくる男性の名前にルシアンの顔が青ざめていく。
「――そして、我が兄であるグローリー」
ルシアンは膝を震わせ、彼女と同様に王宮へと参上していた三名の貴族男性と、グローリー王太子は少なからず動揺を示した。
「良くも悪くもあなたは目立つ。多くの人が逢瀬の瞬間を目の当たりにしているのだよ」
クロムウィルは努めて穏やかに諭すように語り続けた。
ここにはルシアンの母であるマリアローズもいるのだから、細心の注意を払わなければならない。
目の前で娘が糾弾される光景を見せられて、何も感じないはずがない。クロムウィルはルシアンよりもマリアローズを想って声を荒げるような真似はしなかった。
「お母様! 一番、長い時間を過ごすお母様なら、わたくしがクロムウィル様以外の殿方と一緒にいたことがないと証明できますわよね!」
命令にも聞こえるきつい口調で告げられても、マリアローズはどこ吹く風で、たっぷりと時間を使って首を縦に振った。
「そうですね。ルーちゃんがウィル様以外の殿方とお会いしている姿は見たことがありません」
その答えに安堵の息を漏らしたのも束の間。マリアローズは顎に手を添えながら、「ただ――」と続けた。
「グローリー殿下の香りは何度かしましたよ」
ミルクティーに角砂糖を五つほど落としたような甘い声のマリアローズは、たった一言でその場を凍りつかせた。
「小さい頃から我が家にいらっしゃっていましたから、見間違うことはありません」
「間違いです! 母は勘違いしています!」
全身を使って身の潔白を証明しようとするルシアンの怒声にマリアローズは頭を下げた。
「ごめんなさい、ルーちゃん。そうよね。見ていないのだから、見間違うことはできないもの。嗅ぎ間違うことはありません、よね。陛下、謹んでお詫び申し上げます」
深く腰を折ったマリアローズに対して、国王は苦笑いを浮かべるしかなかった。
昔からまったく、この娘は……。という感想しか出てこないのだから仕方がない。
「国王陛下、クロムウィル様! 信じてください。わたくしは不貞など働いていません!」
「んー、グローリー殿下が幼少期から好んで身につけておられる刺激的なコロンだと思うんだけどなー」
いくら緊迫した場所でも、マリアローズがマイペースを崩すことはない。
それは王都に住む誰もが周知の事実だ。
若くしてベナード公爵の後妻となった彼女は、公爵と前妻との子であるルシアンを本当の妹のように慕い、公爵が亡くなった後は女手一つでルシアンを十六歳まで育てた。
そんなマリアローズの趣味はボランティア。
貴族夫人にしては珍しく、外での買い物を好むマリアローズは道端で困っている人を見かけては声をかけて助けていた。
時には喧嘩の仲裁に入り、時には経済的に援助したり、時には落とし物の持ち主を日が暮れるまで探し回ったり。もちろん、相手の身分を気にするようなことはない。
「あらあら」という甘い声が聞こえたら、女神が現れた証とまで言われる始末だ。
その波瀾万丈な生い立ちと、自分のためにならないことばかりする性格から、マリアローズの名は広まり、王都で彼女の名を知らない者は田舎者扱いを受けるようになってしまった。
ひとたび彼女が町を歩けば金貨を見せるまでもなく、ありとあらゆる物が手に入ってしまう。
一人では屋敷に持ち帰れず、日によっては荷馬車が二台も必要になるとか。
王都の貴族にも、平民にも慕われるマリアローズの娘ともなれば、ルシアンにも注目が集まってしまう。
だからこそ、ルシアンはマリアローズが不在の時間帯を見計らって屋敷に男性を連れ込んでいた。
マリアローズと相手の男性が顔を合わせることはなかったが、屋敷の中に漂う香りには敏感に反応を示していた。
「マリアローズ。なぜ、余やクロムウィルに黙っていた。何か理由があるのなら話しなさい」
「はい。陛下もご存じの通り、ルシアンは幼い頃から異性の友人が多い快活な子です。その延長ですから、クロムウィル様以外の殿方が我が家にいらっしゃることはおかしな事ではないかと存じています」
想像通りの返答だったのか、国王は大袈裟なため息をつき、クロムウィルは暖かい眼差しを向けていた。
クロムウィルと目が合ったマリアローズは「ウィル様だって、よく我が家にお越しくださいますもんね」と満面の笑みで問いかけた。
国王やクロムウィルとは異なり、いわゆる間男の立場である貴族男性三人は目を合わせて、困惑している。
グローリー王太子に至っては開き直っているのか、堂々とマリアローズの言い分を聞いていた。
「クロムウィル様という婚約者がいたとしても、友人と仲良くすることは悪いことではないはずです。わたしだってアリスやイザベラとお出かけします」
「それは同性の友だろう。異性で、しかも同じ部屋で、となれば話は異なる」
「そうでしょうか?」
人差し指を顎に当てて、思い出すように目線を彷徨わせたマリアローズは、ぱんっと手を叩いた。
「やっぱり違うと思います。ルーちゃんの甘い吐息や殿方の『気持ちよかった』という感謝の言葉を聞いたことがありますから、きっと日々の疲れを癒すマッサージでもしていたのでしょう」
今にもお花畑でくるくると回り出しそうな雰囲気のマリアローズに、一同は深いため息をつくしかなかった。
ルシアンに至っては真っ赤に染まった顔を両手で隠し、うずくまっている。
「いいなー、マッサージ。わたしもして欲しいなー。どうしたの、ルーちゃん? お腹痛くなっちゃった? お薬あるよ?」
ポケットの中をがさごそするマリアローズの手を払い除けたルシアンは、またしても彼女を睨みつけた。
「黙れよ! こんな大勢の前で辱めて満足なわけ!?」
初めてみるルシアンの剣幕に顔を引き攣らせる三人の貴族男性。
これにはグローリー王太子も目を見開いていた。
「辱めただなんて。わたしはずっとルーちゃんの味方だよ」
「母親面すんな! わたくしは早くあの屋敷を出て、生きていくんだ! 邪魔をするな!」
「そうよね。わたしは旦那様からルーちゃんを任されているから、ルーちゃんの成長は喜ばしいのよ。わたしだって婚約を白紙にするお話に困惑しているの。どうして、こんなことになったの?」
心底困ったように眉をひそめる姿は、一国の王の心も射止めてしまいそうな破壊力があった。
「第二王子よりも、王太子の妻になることを望んで何が悪い! 王家の嫡男と縁を結んで何が悪い! 綺麗事じゃ、生きていけないのよ!」
大勢の前で本音を漏らすルシアンに、マリアローズは珍しく表情を歪めた。
「わたしが間違っていたのね。子供を育てたことのない、未熟なわたしがあなたを変えてしまったのね。旦那様に顔向けできないわ」
「自惚れるな! わたくしはお前を見て育ったからこうなったわけじゃない! この世に生を受けたときからこうだ! お前は関係ない!」
義理の娘の言葉はマリアローズの心に深く突き刺さり、両手で胸を隠すような仕草をとった。
「もうやめよう、ルシアン」
「グローリー様!」
助け舟を出してくれるのだ、と期待の眼差しを向けたルシアンが見たのは、何もかもを諦めたように目を細めるグローリーだった。
「マリィが可哀想だ」
その言葉にルシアンは崩れ落ちた。
どうして!? わたくしの味方じゃないの!?
そんな悲痛な訴えが聞こえてきそうなくらい絶望した表情で涙を流した。
「俺はマリィを手に入れられないのなら、と君に近づいた。君の人生を壊したのは俺だ。それ以上、マリィを悪く言わないでくれ」
「グローリー様、そんな……。信じていたのに」
「俺が愛していたのはマリィだけなんだ。ルシアンを抱けばマリィと一つになれると思っていた。でも、ダメだった。君が俺以外の男と関係を持っていたことも知っていたが、どうでもよかった。俺はただ、マリィを手に入れたかっただけなんだ」
この世の終わりのような、うめき声を上げるルシアンは過呼吸となり、控えていた侍女たちによって医務室へと連れられた。
「ウィルにも悪いことをした。親同士が決めた婚約だとしても、ルシアンを大切にしようとしていることは知っていた。でも、彼女はお前を見ていなかった。そこに付け入ったのだ。許してくれとは言わない。俺は王位継承権を返上する」
国王に頭を下げて、自ら国外追放を進言したグローリーは騎士たちに囲まれながら謁見の間を後にした。
残された上位貴族の息子たちも釈放されたが、各家には相応のペナルティを課すと国王は明言した。
「我が愚息のせいでルシアンを傷つけてしまったことを許してほしい」
「頭を上げてください、陛下。これはわたしの責任です。夫の墓前でなんと説明すればよいのか……。しばらくはルシアン共々、社交はお断りしようと思います」
「そうしてくれ。本当にすまなかった」
「クロムウィル殿下にもご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
謝罪するとクロムウィルは寂しそうに首を横に振った。
マリアローズは、愛する婚約者に自ら婚約破棄を言い渡すクロムウィルが不憫でならなかった。
クロムウィルはルシアンが不在の日にも屋敷を訪れ、未来の義母と一緒に婚約者の帰りを待っている日もあった。
そういう日に限ってルシアンは朝帰りをするものだから、婚約者同士の溝は深くなってしまったのだろう、などと愚考するマリアローズは聖母のような儚げな微笑を浮かべる。
この中で唯一の被害者であるはずのクロムウィルは文句の一つも言わずに小さくなっていくマリアローズの背中を見つめ続けた。
◇◆◇◆◇◆
ルシアンの不貞が露見したことは瞬く間に王都中に広まり、心を病んだルシアンはマリアローズの指示によって公爵領にある別邸に移り住むことになった。
しばらくしてマリアローズは社交界や茶会、夜会への参加を再開したが、やはり最低でも一度はルシアンの話題が上がってしまう。
紳士淑女たちはマリアローズを気遣っているつもりでも、「おたくの娘さん、王子様と婚約されていたのにねぇ。もったいない」などと憐れむような視線を向けられることも度々あった。
そんな時、マリアローズは困ったように苦笑いを浮かべるのではなく、決まって仏頂面を作り、「うちの娘は自分の気持ちに正直に生きているだけです」と簡単にあしらう。
同じように娘を持つ淑女からは尊敬の眼差しを向けられ、ルシアンと同世代の令嬢には憧れの念を抱かれるようになった。
しかし、マリアローズの中には自責の念が渦巻き続けていた。
無自覚だったとしても、ルシアンが多くの男性の前で辱められたと感じたのなら、それは自分の失態だ、と夜な夜な思い詰めた。
心を病んで療養中のルシアンが快方に向かっている、と文が届いたときは心から喜んだ。
◇◆◇◆◇◆
ある日、またしても王宮への召喚命令が下ったマリアローズは、堂々とした足取りで謁見の間に入り、カーテシーを行った。
「色々と噂は聞いている。体調は悪くないか?」
「お気遣い痛みいります。この通り、健康そのものです」
「結構。さっそく本題に入らせてもらう。まどろっこしいのは嫌いでね、単刀直入に言おう。マリアローズ、我が息子であるクロムウィルの妃となれ」
「はぁ……」
納得できないといった表情で小首を傾げるマリアローズ。
クロムウィルは黙って彼女を見つめていた。
「幼い頃からクロムウィルを知っているから問題はないだろう?」
「いえ、問題しかありません。わたしは娘の元婚約者を奪うような母にはなりたくありません。いくら王命でも了承できかねます」
「余に刃向かうというのか」
「はい。わたしはベナード公爵様の後妻で、ルシアンの義母です。今更、別の生き方をするのは本意ではありません」
マリアローズの真剣な瞳を真っ向から受け止めた国王の脳裏に嫌な予感がよぎった。
「ベナードから何も聞かされていないのか?」
「はい。最期のお言葉は『公爵家を頼む』でした。王家と公爵家が昔から懇意にされていることは存じていますが、それはルシアンのことであり、正式な公爵家の人間ではないわたしには荷が重すぎます」
はっきりとした物言いにクロムウィルは目を細くする。
クロムウィルが幼い頃から知っているマリアローズは、穏やかな微笑みで見守ってくれている聖母のような存在だったが、甘いだけではなく厳しい一面も持ち合わせていた。
グローリーとルシアンの三人で王宮内にある庭園の木に登ったときは、口元は笑っているのに、一切笑っていない目でかんかんに叱られたものだ。
そんなことを思い出しながら、マリアローズの言葉を聞き続ける。
「それに、わたしは子を成せない体なのです。仮にクロムウィル殿下の妻になったとしても、お世継ぎを産むことはできません」
「……はぁ?」
国王の間の抜けた声を遮るように「だって――」とマリアローズが声を荒げた。
「わたしは神様に愛されていないのです。だから、わたしには旦那様との子をもうけられなかった。公爵家を託されたというのに……無念です」
小さく拳を握りながら自分を責めるマリアローズの姿に国王は開いた口が塞がらなかった。
まったく、この娘は……。と呆れ、なんと説明すればよいのか困り果てた。
国王が頭を抱えている間にマリアローズは一礼して、踵を返してしまった。
クロムウィルは咄嗟に駆け出す。
「マリア、静かな場所で少し話そう」
昔、よく遊んでいた王宮内の庭園のベンチに腰掛けた二人は懐かしむように昔話に花を咲かせた。
「久しぶりにマリアのアップルパイが食べたいな。ルシアンもまだ好きなのかな?」
「いつでも食べに来てください。ルーちゃんはもうわたしの作ったものは食べません。お口に合わないようで」
「そうか。どの料理もお菓子も絶品なのに。ルシアンを待っている間に出してくれたスコーンも美味だったな」
「痛み入ります」
しばしの沈黙であっても気まずさはない。
小鳥のさえずり声だけが二人の耳に届いていた。
「あれからずいぶんと年を取った」
「それはわたしも同じです。十五歳であの子を育てるようになってもう五年。ルーちゃんにはよくババアと言われたものです。あの子だって、いつかそのババアになるのに」
クスっと口元を隠して笑う顔にも以前のような元気がない。
やはり気に病んでるのだろう、とクロムウィルは心が苦しくなった。
「僕がルシアンとの婚約を破棄しなければ、こんなにはならなかったのかな。兄は他国へ行き、ルシアンは療養中で、マリアの顔はこんなにも浮かない」
遠くの空を見上げるクロムウィルの黒い瞳が悲しげに揺れている。
その姿を見るとマリアローズの心も痛んだ。
「聞いてくれ、マリア」
何かを決意したように真っ直ぐに瞳を向けるクロムウィルに気圧されながらも、マリアローズは頷いた。
「父上は昔からの規則を守るために僕とマリアを結婚させたがっている。でも、僕はそんなものに関係なく、マリアと夫婦になりたい」
「ふふっ。ダメですよ。ウィル殿下は元婚約者のお母さんを心から愛せるのですか? それに年を取っていますし、子を成す自信もありません。もっと相応しいお方をお探しください」
「愛せますとも! 本当の娘のようにルシアンを育てる姿も、心配そうにルシアンの帰りを待つ姿も、公爵家の女主人として切り盛りする姿も、全部見てきました。僕が必ず、幸せにします。あなたを幸せにさせてください!」
そこまで真摯に向き合ってくれているとは思っていなかったマリアローズは少なからず、心を揺さぶられた。
しかし、やはり「母だから」という思いが彼女の首を縦には振らせなかった。
「マリアローズ、子供はどうして出来るのか知っているか?」
低く威厳のある声。そこには国王が立っていた。
「神様に選ばれた女性のみ授かるのです。わたしはまだ選ばれていません。旦那様の前妻であり、ルーちゃんの母であるルシュリ様は選ばれし、尊いお方なのです」
国王は呆れを通り越して、可哀想なものを見る目でマリアローズを見下ろす。
「よく聞け、マリアローズ。お前はベナードに大切にされすぎて、世間知らずに育ってしまった。それはお前の責任ではなく、あの馬鹿者のせいだ」
「夫を悪く言わないでください」
「いや、はっきりと言わねばならん。幼いお前を孤児院から引き取った義理の娘と偽り、世間から隔離したのはあいつの過保護が原因だ。そのうえ、後妻として誰にも手の届かぬ存在にしてしまった。ルシアンがグローリーやあの貴族令息と何をしていたのか皆目見当もつかないだろう?」
マリアローズは思考を巡らせたが答えは導き出せず、素直に頷いた。
「分かったか、クロムウィル。これがベナード公爵の愛娘マリアローズだ。これを娶るということは相当な覚悟がいるぞ」
頭上にハテナマークを浮かべ続けているマリアローズを横目にクロムウィルはほくそ笑んだ。
「覚悟はできています」
クロムウィルに手を取られても、きょとんとしているマリアローズの手の甲に優しくキスをする。
「生涯に渡って、大切にすると誓います。マリアローズ嬢」
「嬢だなんて。恥ずかしいです」
わずかに頬を染めたマリアローズは、こほんと小さく咳払いした。
「ウィル殿下のことは好きですが、それは娘の婚約者としての好きです。ルーちゃんになんと説明すればよいのか……」
「ルシアンのことは心配するな。あの子は全てを知っていた。だからこそ、自分よりも父親に愛されたお主を許せなかったのだろう。多くの男性と関係を持ったことも、相手の身分に拘ることもコンプレックスによるものが大きい」
国王はベナード公爵の遺言を取り出し、マリアローズへ手渡した。
そこには後妻としてではなく、長女としてのマリアローズをいかに愛していたのかという長々しい文章と、不本意だがマリアローズを王妃にしてほしいという願いが書かれていた。
こうして古のルール通り、王家の人間と公爵家の娘は結ばれることになる。
しかし、それはだいぶ後になってからの話だ。
クロムウィル王はマリアローズ王妃を陥落させるのに相当手こずった、と伝記が残されているとか。
当作品を見つけていただき、ありがとうございます!
楽しかった、面白かったと思っていただけたら、ブックマークや、↓の☆☆☆☆☆から評価をいただけると励みになります!