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龍の歌人  作者: 十六夜
序章
2/13

忍び寄る影

「居場所がわかった」


 部屋の窓から轟く雷鳴と雨音は、外が酷い嵐だという事を如実に表していた。

 蝋燭の炎が揺れる薄暗い室内に、異形のもの達が集う。


 鋼の如く強い岩の体を持つもの。

 鋭く長い犬歯を覗かせる、青白い顔のもの。

 9つの蛇の首が、不気味な音を立てている頭を持つ者。


 例をあげればキリがない。


 とりわけ恐ろしい姿の3人が、最初に口を開いた、緑の髪の男に向かって跪いた。

 9つの蛇の首をもつ女が、口を開く。


「エルサルト様、私めにお任せ下さい。このナーラが必ずや……件の小娘を捕まえてみせます」


 緑髪の男──エルサルトは、女をちらりと一瞥し、また窓の外に向き直った。

 それが彼で言うところの了承の意味だと知るナーラは、一層深く頭を垂れると、同じく控えていた他二人を連れて、部屋を後にした。


 三人が部屋から去るのと同時に、そのほかの気配も消えたのを確認して、エルサルトはゆっくりと、長い前髪をかきあげる。

 窓に映る自身の顔を見つめながら、ポツリと、独り言をこぼした。


「漸く……漸く見つかった。……我が君の探し人…………



魔導帝国リオニアの世継ぎにして、

破壊の神の力の継承者…………






  アシエリス皇女よ……」







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