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24話 グリモドール


「ありがとうございます!では、あちらでこの用紙に設定を記入して下さい!」


 俺は容姿や性格の設定を記入する用紙を受け取って、店内の椅子に腰を掛けた。

 う~ん、どんな設定にしようか。と悩んでいると。


「いらっしゃいませ!あ、どうもありがとうございました!」


 グリモドールをレンタルしていたであろう他の客が店の中に入ってきた。


「いや~最っ高でしたよ!クラーケンとハーピーのハーフの魔族!催眠触手プレイなんてもう失神しそうな位最高でした!また新たな境地に辿り着いた気がします!」


「あらあら、随分とお楽しみになられたようですね!」


「ああ、今度はどんな子をレンタルしようかな~。アルラウネの花粉昏睡〇〇〇〇(自主規制)も試してみたいし~、ヒュドラっ子のトリプル〇〇〇〇〇(自主規制)とかもいいなあ~」


「だったら両方ともレンタルすればいいじゃないですか!そうすれば花粉昏睡トリプル〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇(自主規制)だって出来ちゃいますよ!」


「そ、そんな恐ろしいことも出来てしまうなんて……!」


「なら次回はそれで!」


「分かりました!予約しておきますね!」


 あの男は大丈夫なのだろうか。不穏な単語がポンポン飛び出してくるあの会話は異常としか思えなかった。

 というか、クラーケンやパーピーにアルラウネからヒュドラって、モンスターと行為をしたのかアイツは。流石に上級者すぎやしないだろうか。


 俺は至って普通の女の子にしようと思う。

 モンスター娘で童貞を捨てるほどの勇気は持ち合わせてはいない。

 さて、グルモドールの設定はと。そうだな、やっぱり黒髪がいいかな。日本生まれだからこの色が目に馴染むだろう。頭の中イメージしながら設定を考えていく。

 そして長髪……いや駄目だ駄目だ。黒髪長髪だとどうしてもネフェリムに変換されてしまう。俺が望むのは清楚で常識的な女の子なんだよ。あんな地雷は勘弁だ。

 よし、短髪にしよう。

 でもどうせ異世界なら、エルフなどの妖精にするか?だったらやっぱり金髪……どうしよう迷うな。

 そして体型はやっぱり巨乳か?いやでも大きけりゃいいってもんじゃない。大きくても形が崩れていたらガッカリ感はある。

 正確に胸の形状を記入するとしよう。そして身長は俺より少し低く、と。年齢は俺より一歳下。

 性格は……そうだな、レフォンみたいにキツい性格でも、ネフェリムのようなだらけきったのも勘弁だ。

 優しくて、俺に甘えてくるような性格にしよう。

 大まかな設定を決めた所で、俺は綿密に練り直し微調整を繰り返した。


「よし!こんなもんだろう。すいませーん!」


「はーい!お預かりしますね!」


 書いた用紙を回収したお姉さんはそのまま店の奥へと姿を消した。

 どんな仕上がりになるかが非常に楽しみだ。


 出来上がるのは数時間かかるらしい。

 明日取りに来ても良かったのだが、俺はどうしても自分の理想を再現したそのグリモドールを見たかったので眠気に耐えながら店で色々なグリモドールをじっくりと観察しながら待つことにした。


「獣人族もなかなかいいな、尻尾のフサフサが気持ちよさそうだ」「エルフの耳は最高だ。思わずかぶりつきたくなる」「魔族の子の格好エロすぎるだろ……こんな子と……ゴクリ」


 一人人形を眺めながら興奮する変態の姿がそこにありました。


 それから待つこと数時間。


「お待たせしました!」


「おお!」


「これが、あなただけのグリモドールです!」


 現れたのは俺が設定した通りの仕上がりだ。

 美しい金髪は流れるように腰まで伸び、綺麗な白い柔肌はまるでシルクの毛糸のよう。

 小さすぎず出過ぎずの綺麗な形のかなりこだわった、俺よりちょうど十三センチ低い身長。

 そして種族の象徴とも言える先の尖った細長い耳。

 綺麗な白い太ももは醤油をかけて召し上がりたいくらいだ。

 胸元の空いたメイド服は非常に股間に悪い。

 体のどこに注目しても俺の細胞一つ一つに刻み込まれたY染色体が叫び声を上げている。


「さあさあ!お客様。早速何かお話をされてはいかがですか?」


「そうか、自律人形だから色んな事ができるのか」


 そうだな……まずは試しに……。


「こ、こんにちは!」


 《こんにちは!ワタル様!》


「し、喋った!」


 グルモドールは眩しい程の笑顔で返事をしてくれた。

 こ、これは反則だろ……!

 自分好みであるってだけでこんなに違うものなのか!

 日本ではその手の画像を漁る事も多々あったが、自分好みのモノに出会える確率などゼロに等しい。

 それが今はどうか。自分好みの見た目に服装まで自在に選べる。こんなに素晴らしいコンテンツなど今まで存在していただろうか!


「では早速名前を付けて上げて下さいな」


「そうだな……」


 俺の欲望を全て詰め込んだこの子の名前は……。


「よし!君の名前はデザイアだ!」


 《デザイア……ありがとうございます!、私はデザイアです》


「おおおおおおおおおおおおおおおお!凄い!可愛い!」


 《ワタル様……デザイアを存分に可愛がって下さいませ……》


「うおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 なんなんだ!これは!最高か!

 紙に書いた通り、俺に甘えてくる性格になってやがる!

 俺はこちらへ寄り添ってくるデザイアを抱きしめる。

 俺の体にデザイアの胸が触れ、柔らかな感触がした。

 これが本当に人形なのか。頬を撫でてみても、髪に触れても、本物の人としか思えない手触りだ。


「どうやら気に入って頂けたようですね!」


「ああ!本当にありがとう!」


 俺は金貨五十枚を惜しげなく支払った。これなら金貨五十枚なんて寧ろ安いとすら思えてくる。グリモドールなら俺の夢だった合法ハーレムだって作れてしまう。

 にしても、本当に近くでよく見ないと人形だと分からないレベルの精巧な作りだ。


「あの一つ質問があるんですが……」


「はい。なんでしょうか?」


「この子ってもしかして隅から隅まで、本物のように作られているんですか?」


「ええ、勿論ですよ!アソコもちゃんと作られています。子供は産めませんけどね」


 《ワタル様が望むのなら……私は構いませんわ……》


「なっ…………!」


「さあ、そろそろ閉店のお時間ですので。お楽しみなさってくださいね」


 これは……!やばい、心臓が爆発してしまいそうだ。

 俺のアレは既にパワード・エンハンスで攻撃力は増幅。いつでも戦闘に入れる。

 これはもう我慢できない!

 家に戻って早速…………!


 店から出たらもう外は日が上り、人々が目覚める時間だった。

 店に居るうちに夜が開けてしまったようだ。

 だったら今すぐホテルにでも……。と思ったが全財産を失ったんだった。

 昼間じゃアイツらが居るしな……。また夜まで待つしかないか。


「く、クソッ!俺のお楽しみタイムが……」


 《大丈夫ですよ、また夜は来ますから……ね?》

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エロ?回です

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