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キャプテン・スター  作者: 鬣レオ
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無数の星から(2)

街から少し離れた場所に工場が並ぶ場所があった。その内の廃墟と化した工場にスターとアリアは来ていた。スターの肩に設置されたライトの光を頼りに、カゴ台車が乱雑に置かれた狭い従業員通路を通っている。


「どうして分かったんだ?」



「俺を知らないのに俺を頼って来たからだ」キャプテン・スター はそう答え、こう続けた「惑星間の移動なら一日足らずで移動出来る時代だ。別惑星系への移動でも最低一週間はかかる」



話しの意図が分からず、首を傾げる。工場を歩き回る暇つぶしとも言うようにスターは説明を止めなかった。


「それらが可能なのは、今の宇宙船に突発的超加速装置、通称SSAと、それを補助するAIが搭載されているおかげと言ってもいい」



スターが止まったのは大きなスライド扉の前だった。周りの窓には何年も放置されて埃が付着しているのに関わらず、その扉だけは周りと比べて汚れが目立たなかった。


「しかし別銀河への移動となった場合は、民間で使用されているSSAでは最低でも半年ぐらいは掛かってしまう」



スターは扉を開けるとともに、「そこで、俺の船の出番だ」とアリアに向かって言った。扉の向こうには荷物倉庫の崩れた天井から恒星から差しかかる光に照らされた、シルバーの本体にブルーのラインがはいったV字型の宇宙船が泊まっていた。



宇宙船に近付くと、コクピットの真下にある貨物扉が開いた。まるで口を開けたかの様なその光景に私はびっくりした。今まで見た宇宙船は左右に出入り口があったからだ。



中に入ると、そこは緑に近い中性色の明かりに照らされた生活スペースとなっており、二人が入るのにはかなりスペース不足だった。壁には収納可能なベッドが備えてあり、その枕元には見たことない惑星のポスターが貼られていた。近くにあった机には何かしらの機械を弄った跡のように精密部品や空の酒瓶が散乱している。



それは床にも広がっており、注意しないと何かしら踏みそうとアリアは思った。部屋の奥には階段があり、そこからコクピットへと上がれるようになっていそうだった。


「この部屋をお前が使え」



スターはそう言って床に散乱している大きなガラクタや酒瓶を拾い、部屋の隅にあったダンボールに放り込んだ。この部屋を使うことに不満を持ったが、今ここで降りろと言われたら行く当てもない。「分かったわ」と、少なからず不満が伝わる声音で答えた。



スターが階段を登り、コクピットに行く。私もそれにつづきコクピットへど移った。コクピットは電気は付いていなかったものの、フロントガラスから入る外の光で不自由はあまりしなかった。コクピットには操縦席と円形の立体映像出力機があった。



出力機の上には緑色に現在時刻が出力されていたが、それが渦を描きながらお面に翼が生えた物へと変化した。


『おや、お客さんとは数年振りですね』



どこからとも無く女性の声が船内に流れる。びっくりしてスターに視線を向けると、彼は今し方、出力機から出力されているお面と翼のモノを指差し、


「俺の宇宙船のAIだ」そう言うと『初めまして、イカロスと申します』イカロスと名乗ったAIが応えた。


「わ、わたしはアリアよ。よろしくイカロス」



慌てて名乗る。『いい子ですね。よしよし』とイカロスは縦に揺れながら返事をした。AIとは初めて対面するため、それにどう答えれば良いか分からなかった。



しばらく出力機をまじまじと見ていると、スターは操縦席で機械を弄り始めた。部屋に響く様々な電子音に合わせて、「それで、俺の船をどこで知った?」と聞いてきた。



出力機からキャプテン・スターに顔を向け、答えるべきなのかを思考する。その表情を見たスターは鼻を鳴らし、「口止めでもされたならいいさ。いずれ分かるだろ。とりあえず座れ」と、出力機の前にあった椅子を指差した。



そこに座ると、『シートベルトを、揺れーー』とイカロスが言い終える前に船内は大きく揺れた。



「良くも悪くも離陸だ」

取り敢えず一章の続きです。

執筆がかなり遅いので、まとめて上げるか、

今回のように自分で区切った部分で上げるか迷ってます。


ここまでの場面がインパクトに欠けているような気がしてますがどうでしょうか。


とにかく一章の2番でした。良ければまた次もお読み下さい。

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