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それから数日後。
またしても性欲が溜まってきた公一は、イライラしながらテレビを見ていた。
あれ以来、なんとなく気が咎めてしまい、金を払う場所に行けなくなってしまった。
その為必然的にモヤモヤしてしまい、渋い表情になる。
さらには深雪は平気で薄着をして隣に座っている。
チラリと横を見ると、白い太ももや胸の谷間が自然に視界に入った。
せめて見えない様に気を使えないものだろうか。
軽く舌打ちし、テレビに視線を戻す。
その時ちょうど濡れ場のシーンが流れ、逃げ出したい気持ちになった。
深雪も顔を赤らめているかと思ったが、意外にも平然としている。
公一の視線に気付き、首を傾げる。
そして何を思ったのか、寄り添って手を握ってきた。
「な、なんだよ急に!?」
思わず飛び上がるように身を退いてしまう。
葛藤を知ってか知らずか、深雪はしれっとしながらこんな事を言ってきた。
「興奮したんだと思って。ほら、キスだけならしてもいいぞ」
はい、と顔を突き出され、公一は赤くなりながら体を離す。
「バカ言ってんじゃねぇよ!」
吐き捨てる様に言い、背を向ける。
「なんだよ、バカバカって!キスなんていっつもしてるだろっ」
「そういう事じゃない!本当にバカだな!」
全くわかっていない。
余裕のある時なら、可愛い奴だと頭を撫でられるが、今は無理だ。
キスだけで終わらせる自信がない。
不満そうな顔をする深雪を見ないようにし、立ち上がる。
とにかくこの場を離れ、処理だけでもしなければ。
深雪に気付かれないように。
「俺、ちょっと部屋行ってる。課題あるから」
「わかった」
テレビを見ながら返事をする深雪を見つつ、部屋に入ってドアを閉めた。
理由は決まっている。